嫌われていると思っていた婚約者は、私のことを溺愛していた

ゆいまる

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番外編

そして…【完】※少し修正※



アレルとそんな会話をしていると、同じクラスの男子生徒から呼び止められる。


「どうしましたか?」

「あの!ずっと好きでした!リーデ嬢の可憐な容姿と柔らかい雰囲気、何よりその笑顔に惹かれていました。」

「まぁ!なかなかの勇者ですわね!」

アレルが耳元でおかしなことを言っている。


「婚約者がいることは百も承知ですが、卒業の思い出として、1曲踊っていただけないでしょうか。」


まさか私が告白されるなんて。
お優しい方もいらっしゃるのですね。

キスト以外の男性に初めて好意を示していただいたので、ほんの少しだけ嬉しく思ってしまいました。


「素敵な言葉をありがとうございます。でも、私には婚約者がおりますので、お気持ちだけ受け取っておきますわ。ごめんなーーーきゃあ!」

お断りしようとした時、急にぐいっと引っ張られると目の前にいた男子生徒が見えなくなってしまった。

「あーあ。かわいそう。」

そんなアレルの言葉は私の耳には届かなかった。

私はいつの間にか近くに来ていたキストに抱きしめられていたのだ。
キストは私を腕の中に閉じ込めると、男子生徒に笑顔を向けた。

「リーデのダンスカードはすでに全て埋まっているんだ。悪いが他を当たってくれるか?」

「す、すみませんでした!!!」

男子生徒はそそくさとその場から離れていった。


それから、キストは抱きしめている手を緩め私の両手を握りしめていた。


「はぁ、僕が近くにいないとすぐこれだ。本当に気が気じゃない。」

少しだけ息が切れていた。急いで来てくれたのかな。

「あら。私初めてキスト以外の人に告白されたわ。キストと違ってモテないのよ。だから安心して?」

「それが無自覚って言ってるんだ。何人僕が蹴落としてきたか…」

「え?ごめんなさいもう一度…」

「リーデ」

「?はい」

「もっと自分が可愛いと自覚を持って?それじゃないと僕の心配がたえなくて、君を一歩も外に出したくないと思ってしまう。」

「自分の容姿くらい自分が一番わかっているわ。それにキストが心配しなくたって私はキストしか見ていないもの。」

「わかってないんだよー…。」

「キスト、そんなに心配しないで。私はあなたのものよ。」

そう言ってキストの頬にキスをした。

「っ!リーデ…。」

キストは私からのスキンシップにはいつも顔を赤くして固まってしまう。


「僕がそれに弱いの知っててやってるよね…。こほん。リーデ嬢。」

キストは顔の赤みがおさまってからわざとらしい咳払いをした。

「はい。」

「今後すべてのダンスの相手に、この私を選んでいただけませんか?」

そう言って笑顔で私に手を差し伸べた。


「もちろん。喜んで。」

私はその手に自分の手を重ねた。




それからキストとダンスを踊り、少したったところでパーティーはお開きになった。
帰りはキストの馬車で送ってくれている。

「卒業してしまったのね。」

「そうだね。寂しい?」

「ええ、とても。キストは違うの?」

「僕は早く卒業してリーデと結婚したかった。もうすぐリーデと結婚できると思うと嬉しくて仕方ないよ。」

「もう、ちゃんと考えてよ。」

「考えてるよ。僕のすべてはリーデだから。早く永遠の愛を誓おう。」

キストの表情は冗談を言ってないことを示している。


「そうね、今から楽しみだわ。」

「ああ、白のドレスをきたリーデを僕の色に染められるのは楽しみだな。」

「またそんなこと言って。」


二人で笑いあったあと、そっと唇を重ねた。


数ヶ月後、二人は協会で盛大な結婚式を開き、永遠の愛を誓いあった。



番外編もこれで完結です。
読んでくださった皆様ありがとうございます。








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