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もう1つの番外編
王子殿下
「殿下。この書類の確認お願い致します。」
「ああ。」
私はテウス。この国の王子である。
今は側近候補であるキストと学園の書類に関して話を進めていた。
「あと、また縁談が来ていると聞きましたが」
「またそれか。僕はまだ婚約者を持つ気などないと何度言ったらわかるんだ。」
「そんなこと言わないで早く決めてください。」
キストには婚約者がいる。だが、私が婚約するまで公にできない事になっている。しかし最近その婚約者の人気の高さに焦り、たびたび私に婚約をしろとすすめてくる。
普通なら王子である私にこんなことを言うのは不敬にあたるだろうが、キストとは幼馴染でもあり数少ない信頼できる友でもある。
そんな友の悩みの種をつくっているのは申し訳ないが、私はまだ婚約者を持つ気などないのだ。
「私の周りにいる者達は私自身ではなく王子としての私を好いている。そんな者達と婚約しても愛せる自信がない。」
「そうですね。殿下を個人としてみてるのは近くではリーデくらいですね。」
「リーデ嬢は人を身分で判断することはないからな。まあ、私を異性としても見てないだろう。」
リーデ嬢とは、キストの婚約者である。
整った外見と心の清らかさ、勉学も優秀、そして私とも幼馴染であったことから一時は婚約者最有力候補であった。しかし、キストの想い人であったことから全力で妨害されたのと、私自身妹としか思えなかったのもあり破談となった。
「当たり前です。リーデは僕だけを見てくれるようにしましたから。」
愛しい婚約者が関わると、とんでもなく恐ろしいこの男が敵ではなくて良かったといつも思う。
何も知らないリーデ嬢を不憫に思いながら幸せそうにしている二人を少し羨ましくも思う。
王子でもある自分が婚約者を持たないのは難しい。それはわかっているがどうしても抗ってしまう。
私にも心から愛せる人が現れるのだろうか。
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