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何事にも準備は必要です。
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エレベーターのドアが開き
二人は手を繋いだまま部屋までの道のりを無言で歩く…
無音の廊下には二人が絨毯を踏みしめて歩く足音だけがトストスと小さく響き
やがて二人は重厚な扉の前に立つと
命がカードキーをシリンダーに差し込み鍵を開け
二人はそのまま部屋の中へ…
「…洋一…」
「…ぁ…」
バタンッ…と、二人の背後で部屋のドアが閉まると同時に
命が洋一の身体を抱きよせ、熱い吐息と共に洋一の名を囁く…
しかし洋一は咄嗟に命の胸を押し――
「…?どうした?」
「あ、の…、その…、ッ、さ…先に…お風呂を使わせて…下さ、ぃ…」
洋一が俯き、モジモジと羞恥心を滲ませた小声で命にそう告げる
すると命が洋一の手を掴み
「そうか…ならついでだ。俺も一緒に入る。」
「え…」
「先ほどの円との戦闘で俺も大分汗を掻いたしな。丁度いい。」
命はそう言うと洋一の手を引き、バスルームに向かって歩きだしたのを
洋一が慌てて止める
「まっ…待って下さい命さん…っ!」
「ん?どうかしたのか?」
「ッ、それが…その――、」
「歯切れが悪いな…どうした?」
「俺…ひっ…一人で…入りたい…です…っ、」
「?何故…?」
「う”っ、…そ…れは…そのっ、
…じゅんび…とか…、、ッ、いっ…ぃろいろ…、ぁりまして…っ、」
Ωの様に勝手に濡れる孔を持たない洋一にとって…
命を受け入れる為には何かと準備が必要なわけで――
洋一は恥ずかしくって徐々に声を小さくしながら命にそう答えると
命は「あぁ…」と一応の理解を示すが――
「なら…俺も手伝ってやろう…その準備とやらを。」
「ッ!?そっ…それは流石に――」
「…嫌なのか?」
「…ッ、」
ちょっと悲しそうな顔をしながら小首を傾げ、自分の事を見つめてくる命に
洋一はもう…何も言い返す事が出来なくて…
―――なんでそんな捨てられた子犬のような顔してコッチを見るのっ?!
ズルイよその顔っ!命さんは何もかもがズルイっ!!
これが惚れた弱みというやつなのか?と…
洋一は内心溜息をつきつつ
もうどうにでもなれ!という気持ちで覚悟を決めると
命の服の裾をキュッと握り、俯きながら洋一は命に必死に言葉を紡ぐ
「い…、ぃやじゃ…ない…です…っ、手伝って下さい…準備…」
もう顔から火を噴きながら自分は憤死してしまうのでは?と思いながら
洋一は正面にたつ命を潤んだ瞳で見上げる
すると命は驚いた様に目を見開きながら洋一の事を見つめており…
「…?命さ――」
洋一が不思議に思って命に声をかけようとした次の瞬間
「うわッ、」
命は無言で洋一の事を姫抱っこすると
そのままバスルームまで脇目も振らず、一直線に洋一の事を連れ去っていった…
二人は手を繋いだまま部屋までの道のりを無言で歩く…
無音の廊下には二人が絨毯を踏みしめて歩く足音だけがトストスと小さく響き
やがて二人は重厚な扉の前に立つと
命がカードキーをシリンダーに差し込み鍵を開け
二人はそのまま部屋の中へ…
「…洋一…」
「…ぁ…」
バタンッ…と、二人の背後で部屋のドアが閉まると同時に
命が洋一の身体を抱きよせ、熱い吐息と共に洋一の名を囁く…
しかし洋一は咄嗟に命の胸を押し――
「…?どうした?」
「あ、の…、その…、ッ、さ…先に…お風呂を使わせて…下さ、ぃ…」
洋一が俯き、モジモジと羞恥心を滲ませた小声で命にそう告げる
すると命が洋一の手を掴み
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「え…」
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命はそう言うと洋一の手を引き、バスルームに向かって歩きだしたのを
洋一が慌てて止める
「まっ…待って下さい命さん…っ!」
「ん?どうかしたのか?」
「ッ、それが…その――、」
「歯切れが悪いな…どうした?」
「俺…ひっ…一人で…入りたい…です…っ、」
「?何故…?」
「う”っ、…そ…れは…そのっ、
…じゅんび…とか…、、ッ、いっ…ぃろいろ…、ぁりまして…っ、」
Ωの様に勝手に濡れる孔を持たない洋一にとって…
命を受け入れる為には何かと準備が必要なわけで――
洋一は恥ずかしくって徐々に声を小さくしながら命にそう答えると
命は「あぁ…」と一応の理解を示すが――
「なら…俺も手伝ってやろう…その準備とやらを。」
「ッ!?そっ…それは流石に――」
「…嫌なのか?」
「…ッ、」
ちょっと悲しそうな顔をしながら小首を傾げ、自分の事を見つめてくる命に
洋一はもう…何も言い返す事が出来なくて…
―――なんでそんな捨てられた子犬のような顔してコッチを見るのっ?!
ズルイよその顔っ!命さんは何もかもがズルイっ!!
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洋一は内心溜息をつきつつ
もうどうにでもなれ!という気持ちで覚悟を決めると
命の服の裾をキュッと握り、俯きながら洋一は命に必死に言葉を紡ぐ
「い…、ぃやじゃ…ない…です…っ、手伝って下さい…準備…」
もう顔から火を噴きながら自分は憤死してしまうのでは?と思いながら
洋一は正面にたつ命を潤んだ瞳で見上げる
すると命は驚いた様に目を見開きながら洋一の事を見つめており…
「…?命さ――」
洋一が不思議に思って命に声をかけようとした次の瞬間
「うわッ、」
命は無言で洋一の事を姫抱っこすると
そのままバスルームまで脇目も振らず、一直線に洋一の事を連れ去っていった…
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