βは蚊帳の外で咽び泣く

深淵歩く猫

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あまりしつこいと…

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二人がバスルームから出て更に数時間…

「…ッ、ひぁ…ッ…あ…、ッ、あ”ぁあっ…、」
「ッ、」

間接照明だけで照らされた薄暗いベッドルームで
パチュンッパチュンッという湿り気を帯びた肌と肌がぶつかる音と
意味を成さない甲高い喘ぎ声…
それと二人の荒い息遣いが
ベッドの上で一つとなった二人の影がリズミカルに揺れるつど上がり

辺りには濃厚な情事の香りが充満する…

「あ…あき…ら…しゃ…、ッ、はっ、はぐ…ぅ…ッ、も…むぃ…、ひぅッ、
 もぉ…ムリぃ…っ、」

ベッドの上で四つん這いになり
片腕を命に強く引っ張られながら激しく突かれ
それでももう片方の手でシーツを掻くように必死に握りしめ
口の端からはもう飲み込む事を諦めた涎をタラタラと垂らしながら
洋一がたどたどしい言葉遣いで命に懇願する…

「ッ、駄目だ…まだ足りない…、ッ、まだ足りないんだ洋一…っ、」
「ッ!?いっ…あっ?、」

命は掴んでいる洋一の腕を思い切り引き
上体をのけ反らせた洋一の腰をもう片方の腕で力強く抱き寄せ――

「あうぅ…っ、」

その拍子に命を受け入れたままの洋一の孔の隙間からは
今まで散々命が洋一のナカに吐きだした白濁液がドプッ…と溢れだし
もう既に白濁液と汗でドロドロになっている洋一の太腿を
更に白くトロトロに汚しながら
もうシミを作れる程乾いた場所の無いシーツの上へと垂れ
更なる厭らしいシミを広げていく…

―――…今日はもう…このベッドでは眠れないな…

二人分の汗と白濁液で見るも無残なベッドの惨状を眺めながら
ぼんやりとそんな事を思う洋一を

命はそのまま膝立ちからベッドの上へと腰を下ろした自分の膝の上へ…
まるでお人形さんを膝の上でに抱っこするようにして
繋がったままの洋一を背後から抱き抱える…

「~~~ッ、~~~ッ、」

自重でより一層深くに命を受け入れる事になった洋一は
虚ろな瞳を見開き、もはや声になら無い悲鳴を上げ
しかしその身体はもう逃げる気力も無く…
ただただ命の為すがままに抱きすくめられる…

「洋一…」

命が洋一の項を噛みたいのをグッと堪えながら
洋一の耳元を擽(くすぐ)る吐息と共に名前を囁く

「もっとお前が欲しい…もっとお前を感じていたい洋一…」
「ぁ…き…、ッ、さ…、」

命はそう呟くと
もう意識が朦朧としいて
言葉を発する事さえままなら無い洋一を強く抱きしめながら
ゆっくりと下から突きあげ始める…

「あっ…あっ…だめ…、グスッ、だめ…ぇ…っ、
 おか、しくなる…っ、ッひぐっ、おかしくなっちゃう…っ!」
「ッ、おかしくなればいい…」

とうとう子供の様に泣きだした洋一を
傍(はた)から見たらまるで優しくあやしているかのように
命は洋一の項や肩にキスをしながら、ゆっくりとその身体を揺らし続ける…

「ヒックッ…やらぁ…、もおッ…やぁ…らぁ…っ、」

命は背後から泣きじゃくる洋一の顎を掴むと、自分の方へと顔を向けさせる…
するとそこには虚ろな瞳から涙を溢れさせ
閉じる事を忘れた口の端から涎を垂れ流しながら
トロトロに蕩け切った洋一の顔があり――

「ッ、ぁき…らしゃ…、」
「可愛いな…洋一は…」

自分に抱かれ、此処まで蕩け切っている洋一を愛おしく思い
命は洋一の後頭部を押えながら洋一の唇にかぶりつく様にしてその唇を重ね
洋一は驚いて思わず頭を引こうとしたが
命にガッチリと後頭部を押えられてそれも叶わず…
洋一は諦めて大人しくそのキスを受け入れる

「ん…ンふぅ…」
「ん…」

ピチャピチャと濡れた音を立てながら
互いの舌を激しく絡ませ
下では命の腰の動きがどんどんと激しくなっていき――

「あっ…あっ…あっ…きちゃ…っ、ふぁ…あっ…またキちゃう…ッ、」
「はッ、くぅっ、、洋一…洋一…ッ、」

命はうわごとの様に洋一の名を呼び
ラストスパートと言わんばかり更に強く洋一の奥を穿ち続け――

「あ”ぁああっ、」
「ッ、くっ…、」

命は洋一のナカにおのれの欲望を全て吐きだし
洋一はもう色をなくした液体を
しぼんだ亀頭の先端からチョロチョロと垂らしながら
二人は今度こそ果てた…





翌日、佐伯が命たちの部屋を訪れると
速攻でその顔を顰める

「…命様…皆瀬さんは?」
「う”っ…洋一はその――まだ寝ている。」

ベッドルームは昨日の情事の余りの惨状に
流石にこのままにしておくわけにはいかないと…
命が清掃員を呼んで綺麗にはしてもらったが――

どんなに消臭して情事の匂いは消せても
離れたベッドールームで死んだように眠っている洋一からは
命のマーキングの匂いが色濃くこびりついており…
その匂いが佐伯の鼻腔を刺激する…

「…ハァ~…命様。」
「な…何だ?」
「余り独占欲剥き出しで皆瀬さんに無体をしいてばかりいると…
 そのうち愛想つかされて逃げられますよ?」
「逃がす気は無い。」
「そういう問題では無いんですっ!」

佐伯はあからさまに大きな溜息を突くと
またしばらくマーキング臭のせいで外に出られ無くなった洋一に
心の底から同情した…
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