要様、大好きです!(性的な意味で)

みき

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おまけ 伊月vs圭吾

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休日の橘家にて。


「ごめん。ちょっとトイレ行ってくるから少し待ってて」
「りょーかい」

ご友人にそう声をかけると、手洗い場へと駆けていく要様。
要様とご友人はお出掛けになるらしく、見送るために向かった屋敷の玄関で、私は要様のご友人と二人きりになった。

「……」
近くに立つご友人を見上げる。
何度も家に来ている見知った顔だ。要様にとっては親友に近い存在なのだろう。
高身長で、筋肉質。女性から好まれそうな男らしい体躯をしている。

今日も見せつけるようにベタベタと要様に触れて…なんなんだこの男は。

「……そうやって睨むの、やめてもらえます?伊月さん」
「……。(度が過ぎたか…)大変失礼いたしました」
「…それって牽制してるんですよね?…いくら睨まれたって、俺要に近付くの止めませんよ。好きだから」
「!」

まさか…

「……あなたですか?…要様に告白したご友人というのは」
「そうだけど」

言葉を聞いて再び睨みを再開させる。

「要様には玉砕されたとお聞きしましたが?」   
「フラれたって諦める気ねーから。」
「しつこい男性は嫌われますよ」

うっかり毒を吐いてしまった。
ご友人のこめかみに青筋が浮かぶ。

「どうしようと俺の勝手だろ。
つーかあんたこそ、この家の使用人だろ?要のこと好きになっちゃまずいんじゃないの。立場的に」

「私が誰を好きになろうと、あなたには何の関係もないことです。口を挟まないで頂けますか」

「…っ…」

こめかみに浮かぶ青筋が、増えた気がした。

「……ムカつくなぁ…あんた…。関係はあるよ。好きってこと以前に俺は要の親友だし。……あ、学校では俺がずっとそばにいるんで。授業中も部活中の要のこともよく知ってるんで」

ドヤ顔をするご友人に私もイラついてきた。

「(学校生活を謳歌する要様を近くで見れる…正直それはちょっと羨ましいが…)
プライベートの要様を知っているのは私ですよ。要様が幼い頃からの付き合いですし、付き合いの長さも、愛の大きさも、収入も、私の方が上です」

「愛に関しては絶対俺のが上だわ。
伊月さんて華奢だよね。そんな細い体で何かあったとき要のこと守れるの?綺麗な顔してるだけじゃ、男としては駄目だよね。」

「……💢」
「……💢」

「あなたには絶対負けません」
「あんたには絶対負けねぇ」



バチバチバチバチッ!!

「お待たせー」


要の知らないところでそんな火花を散らす出来事があったりとかなかったり。

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