天空で暮らす人類は、もう一度地上で暮らしたい

教室で

キンコンカンコーン

昼休みになってもこの転校生の席に寄ってくる人はいなかった。
普通は転校生が来たら出身とか入っていた部活とか質問攻めにあうはずなのだが、、、
不思議がりながら昼ごはんを食べていると、

「なぁなぁ」
小さな声でそう聞こえたが、このクラスで俺に喋りかけてくるのはひまりぐらいしかいないので俺ではないとスルーした。

「おーい海斗くんー」

確かに俺の名前だったので声のする方へ今度は反応した。

「何？」

「俺スベりすぎてもう嫌われちゃってる感じ？」

喋りかけてきたのは転校生だった。
確かに自己紹介の時の空気は最悪だったけど、そんなことでこのクラスのやつらがこの転校生を嫌うとは到底思えなかったので、

「多分違うと思うけど、なんで誰も君に興味を示さないのかは分からない。ここにくる前君が何かしたんじゃないか？」

「何かって？」

「俺も君に今日初めて会ったのに知るわけないだろ。」

そう言って俺は引き続き黙々と昼ごはんを食べた。
一方転校生はポカーンとしたまま昼休みを終えた。

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ようやく放課後になり今日は部活もないので早々に帰ろうとすると、転校生がついてくる。たまたま教室を出たタイミングが一緒とかではなくて、確実に俺の歩くスピードの合せてついてきている。俺は少し鬱陶しくなって校門まで来た時に立ち止まった。

「なんでついてきてんの？」

「あ、いや、海斗くんに喋りかけようと思ってたんだけどすぐ帰っちゃうし、すんごい喋りかけんなオーラ出してたから、喋りかけるタイミング逃しちゃって、、、ハハハ」

「話は何？」

「昼休みに言ってたことあの後ずーっと考えてたんだけど、全く分かんなくて一緒に考えて欲しいなって」

ちょっと転校生が何を言っているのか分からなかった。

「は？だから今日会ったばっかなのにここに来るまでの君なんか知らないって。
それに俺には君と一緒に考えるメリットは、、、」

キッパリと断ってと再び家の方へ歩きだそうとすると、

「三好堂のどら焼き！三好堂のどら焼きあげるから‼︎」

(三好堂のどら焼き、、、)

俺は何度も脳内再生をした。