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【35-1】和葉「これさえ身に付けておけば、いかなる男子(だんすぃ〜)とも互角に付き合えるだろう。さあ、学校に戻るのだ、優子」
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──【35-1】──
和葉は生物の教科書を取り出し、橘一子が指定した染色体のページを広げて凝視した。
「覚えたわ」
と呟くと、先程も使っていたメモ帳代わりのノートが春樹や薫や竜馬に見えないよう教科書を前に積んだ。そしてシャーペンを使って凄い集中力で描き始めた。
「ねえ。書き終わるまで見ていていい?」
と一子は立ち上がり、和葉の背後に座った。
「いいわよ。集中するんで出来るだけ静かにね」
「分かったわ」
と和葉の背中の右側に正座をした。
「ねえ、和葉。私も後ろから見てていい?」
「私も。和ちゃんいいでしょう~?」
と相生優子と三上小夏が同時に立ち上がった。
優子は一子の背後に立ち、小夏は和葉の背中の左側に立った。
「和葉お姉ちゃん! 私も近くで見たい」
と従妹の新屋敷由紀は、元気よく手を挙げて小夏の後ろに座った。
「静かにしてね。由紀ちゃん」
とノートを凝視し、描き続けながら和葉は言った。
「うん。分かった」
と返す由紀。
室内が静かになった。聞こえてくるのは、和葉の止まらないシャーペンの芯が紙に擦れる音だけである。
「和葉さん、凄い集中力だね」
と園田春樹は竜馬に言う。
「そうだね。でも和葉にそんな能力? 何だっけ?」
と竜馬が言うと、
「瞬間記憶能力ですね。竜馬さん」
と瀬川薫が助けてくれる。
「あ。そうそう。それだよ。ありがとう、薫ちゃん」
と一度聞いたのに、忘れた自分を少し恥ずかしく思ったのか、礼を言った。
「ありがとうだなんて。大げさですよ」
と薫は微笑んだ。
すると。
和葉の背後に座っている四人がざわつき始めた。
え……。本当に……。
ウソ……。
す、凄いわ……。
と呟く声が聞こえてくる。
それらの漏れる声にも反応せずに、和葉は黙々とシャープペンシルを動かしている。
「凄いね、和葉さん。本当に瞬間記憶能力があるんだ」
と感心する春樹。
「僕も今日、初めて知ったよ。和葉のやつ、いつもは『覚えたいことは何度も反復して、そして興味を持つことが大事』って言っていたんだけどな。実際は違ったか……。そりゃ、和葉自身と違って、頭の悪いこの兄に勉強を教えるにはそういうよなあ~」
と竜馬は寂しそうに呟いた。
和葉のシャーペンの芯が擦れる音は、まだ続いている。その音が長くするたびに、
おお~。
凄い~。
という声が四人から漏れていたのだが、
「凄い……。大きい……」
と優子が呟くのが聞こえた。
「え? 大きい?」
と竜馬は和葉と後ろの四人に視線を向けた。
和葉の表情は記憶した教科書を書いているというよりは、何かをノリノリで描いている表情だった。
そして何より、後ろに立つ四人の顔が仄かに赤くなっている。
そして、
「ねえ、和葉お姉ちゃん。これっていつ頃見たの?」
と由紀が訊くと、
「これは私が最後に見た時のモノよ。それは二人で最後に入ったお風呂の時でもあるわ……。そうね。今の由紀ちゃんと同じ歳くらいの時かしら」
と美しい思い出でも語るように言った。
「最後に見た? お風呂? 小五の時? 一体、和葉は何を言っているんだ?」
と竜馬が言うと、
「ボク、見てくるよ」
と春樹は立ち上がって、和葉の背後に急いで立った。すると、明らかに驚いた表情になり、
「あっ! あの! こっ、これ、いいのかな?」
と和葉が描いてるノートを指差した。
「えっ? 春樹、どういうこと?」
と竜馬が立ち上がると、
「出来たわ……」
と和葉は静かに言った。
すると和葉の後ろにいた五人全員が、一斉に竜馬の方を向いた。
竜馬は何だか嫌な予感がして、和葉の後ろに回り込んで見ると!
「かっ! 和葉! お前、何を描いてんだよ!」
と思わず叫んでしまった。
和葉が熱心に描いていたのは、生物の教科書のページではなく、デッサン画のおちんちんだった。
「お前! 生物の染色体のページを描いていたんじゃあ!」
和葉は大きくため息をついてこう言った。
「お兄ちゃん。いくらなんでも一度見ただけで、それを写真みたいに描ける訳がないじゃない。ちょっと考えたら分かるでしょう」
と『この兄は何を訳の分からないことを言っているのだ』と言わんばかりに呆れていた。
「でも和葉。確か最初に地歴の世界史のページを描いて見せていただろう?」
すると、
「お兄ちゃんたら。そんなのみんなを驚かせようと思って前日、必死に覚えたに決まっているじゃない」
と『私、とても苦労したのよ感』を漂わせた。
「というか、和葉、それ!」
とリアルに描かれたおちんちんのデッサンを、竜馬は赤面しながら指差すと、
「これは私が小学五年の時に見た、お兄ちゃんのおちんちんよ。この日以降、一度も見ることがなかったわ……」
とまるでネッシーかクッシーなどUMAでも見たような扱いである。
「へえ~。これ、竜ちゃんの小五の時のおちんちんなんだ。私は小四の時に見たっきりだけど、確かに他の男の子よりは大きかったよね~」
と小夏が楽しかった思い出でも語るように言った。
「あのう! 私もその絵を見せてもらっていいですか!」
と薫は手を挙げてから席を立つと、素早く和葉の背後に立った。
「わ~。確かに小五にしては大きいかもですね」
と薫は感心した。
「ちょ! 薫ちゃん、見ないでくれよ!」
と赤面しながら竜馬が言うと、
「エヘヘ。ごめんなさい、竜馬さん」
といたずら小僧っぽく笑う。
「じゃあ、このおちんちんのデッサン画が欲しい人っているかな? あげるわよ」
と和葉が言うと、
「はいっ! 私、欲しいです! 竜馬お兄ちゃんに関係するものなら髪でも爪でもパンツでも欲しいです!」
と由紀は元気よく手を上げた。
「わっ、私も欲しいです! 私、五歳の弟のおちんちんしかじっくりと見たことがないので、将来の参考のために下さい!」
と最もらしいが、少し違うのではという理由を言った薫も手を上げた。
「あたしはいらないかなあ~。小四の頃の竜ちゃんのおちんちんはじっくりと見たことあるし~」
と小夏は辞退した。
「え? お兄ちゃんのおちんちんをじっくり見たって! いつ?」
「え~っと、確かね。外で遊んでいたら私と竜ちゃんと和ちゃんが、強い夕立でびしょ濡れになったことがあったでしょう」
「……ああ。そういえば」
と竜馬。
「そんなことがあったわね」
と和葉。
「その時に竜ちゃんと和ちゃんのお母さんが、お風呂を用意してくれて三人一緒に入ったのよね~」
「その時に見たのね。お兄ちゃんの立派なおちんちんを」
「見た見た。結構、しっかり。特に竜ちゃんは小四の時、小柄だったし、髪の毛で耳が隠れるくらいに長く伸ばしていたから、とても可愛い女の子みたいだったから、おちんちんがあるのが、とても不思議だったわ」
と小夏は話した。
「それを言ったら小夏ちゃんは身長が一五〇センチ越えてて、髪を凄く短くしていたから男の子みたいだったよね」
と和葉。
「そうそう。私、そんな感じだったから、いつかおちんちんが生えてくるものだと思っていたし、もしかして竜ちゃんのおちんちんが外れて、私にくっつくのかもと思って、その時はしっかりと見張っていた感じだったんだよね~」
と小夏は話した。
「確かに、小四の時は小夏ちゃんにおちんちんが付いていた方が、似合っていたかもしれないわよね」
と和葉が言うと、
「おちんちんが似合うってどういうことだよ」
と竜馬は呆れている。
「じゃあ、小夏ちゃんは、このイラストはいらないということで、由紀ちゃんと薫ちゃんでじゃんけんを……」
と言うと、
「待って! 私も欲しい……」
と優子が小さく手を上げた。
「わっ、私も欲しいです……」
と一子も手を上げた。
「おお。あなた達二人も、このおちんちんのイラストが欲しいのね」
と和葉が言うと、
「あれよ! 将来の研究のためよ」
と頬を赤く染めながら優子が言うと、
「え~。将来の研究って、一体何に使うつもり~?」
と和葉は優子に突っ込む。
「なっ! 何で私だけそんなに突っ込むのよ!」
と優子。
「だって欲しい理由がおかしいんだもの。将来の研究のためって」
と和葉が言うと、すぐに一子に質問した。
「一子さんは何で欲しいの?」
と訊ねると、
「わっ、私は!」
「私は?」
「がっ、額に入れて飾るわ」
と何食わぬ顔で言った。
「そうなのね。一子さんが一番健全な理由ね」
と和葉が言うと、
「クラスメイトの小五の頃のおちんちんの絵を、額に入れて飾るって、それって健全なのかよ?」
と竜馬は引き気味に言った。
「じゃあ、四人でじゃんけんね」
と和葉が言うと、何度もあいこが続き勝負はなかなか決まらなかったが、最終的にイラストは優子のモノになった。
「かっ、勝ったわ……」
と嬉しいようだが、ブツがブツだけに表情が微妙で後ろめたそうにしている。
和葉は四人がじゃんけんをしている間に、自分が書いたおちんちんのイラストの紙を、器用に折ってブレスレットのように手首に巻けるようにした。
和葉は、少し困惑している優子に近づきながら、
「セブン~、セブン~、セブン~、セブ~ン」
と大きな声で言い出した。
「な! 何? 何なの?」
と慌てる優子。
「お前にこれを与えよう」
と先程折ったおちんちんを描いた紙を右手に高々と上げて、
「おちんちんブレスレットだ」
と言いながら、強引に優子の左手首に巻き付けると、
「これさえ身に付けておけば、いかなる男子とも互角に付き合えるだろう。さあ、学校に戻るのだ、優子」
と和葉が言うと、
「ええ~。私、このブレスレットを付けたまま、学校に行かなくっちゃいけないの?」
と涙目になると、
「優子さん。和葉の言っていることは、帰ってきたウルトラマンのベムスターの回で、ウルトラセブンがウルトラマンに、ウルトラブレスレットを渡すシーンの真似だから気にしないで」
と竜馬が呆れながら言うと、
「さすがはお兄ちゃん、ナイスですね~」
と、これもツッコミ待ちのセリフを言った。
2024年8月31日
※当サイトの内容、テキスト等の無断転載・無断使用を固く禁じます。
また、まとめサイト等への引用をする場合は無断ではなく、こちらへお知らせ下さい。許可するかを判断致します。
和葉は生物の教科書を取り出し、橘一子が指定した染色体のページを広げて凝視した。
「覚えたわ」
と呟くと、先程も使っていたメモ帳代わりのノートが春樹や薫や竜馬に見えないよう教科書を前に積んだ。そしてシャーペンを使って凄い集中力で描き始めた。
「ねえ。書き終わるまで見ていていい?」
と一子は立ち上がり、和葉の背後に座った。
「いいわよ。集中するんで出来るだけ静かにね」
「分かったわ」
と和葉の背中の右側に正座をした。
「ねえ、和葉。私も後ろから見てていい?」
「私も。和ちゃんいいでしょう~?」
と相生優子と三上小夏が同時に立ち上がった。
優子は一子の背後に立ち、小夏は和葉の背中の左側に立った。
「和葉お姉ちゃん! 私も近くで見たい」
と従妹の新屋敷由紀は、元気よく手を挙げて小夏の後ろに座った。
「静かにしてね。由紀ちゃん」
とノートを凝視し、描き続けながら和葉は言った。
「うん。分かった」
と返す由紀。
室内が静かになった。聞こえてくるのは、和葉の止まらないシャーペンの芯が紙に擦れる音だけである。
「和葉さん、凄い集中力だね」
と園田春樹は竜馬に言う。
「そうだね。でも和葉にそんな能力? 何だっけ?」
と竜馬が言うと、
「瞬間記憶能力ですね。竜馬さん」
と瀬川薫が助けてくれる。
「あ。そうそう。それだよ。ありがとう、薫ちゃん」
と一度聞いたのに、忘れた自分を少し恥ずかしく思ったのか、礼を言った。
「ありがとうだなんて。大げさですよ」
と薫は微笑んだ。
すると。
和葉の背後に座っている四人がざわつき始めた。
え……。本当に……。
ウソ……。
す、凄いわ……。
と呟く声が聞こえてくる。
それらの漏れる声にも反応せずに、和葉は黙々とシャープペンシルを動かしている。
「凄いね、和葉さん。本当に瞬間記憶能力があるんだ」
と感心する春樹。
「僕も今日、初めて知ったよ。和葉のやつ、いつもは『覚えたいことは何度も反復して、そして興味を持つことが大事』って言っていたんだけどな。実際は違ったか……。そりゃ、和葉自身と違って、頭の悪いこの兄に勉強を教えるにはそういうよなあ~」
と竜馬は寂しそうに呟いた。
和葉のシャーペンの芯が擦れる音は、まだ続いている。その音が長くするたびに、
おお~。
凄い~。
という声が四人から漏れていたのだが、
「凄い……。大きい……」
と優子が呟くのが聞こえた。
「え? 大きい?」
と竜馬は和葉と後ろの四人に視線を向けた。
和葉の表情は記憶した教科書を書いているというよりは、何かをノリノリで描いている表情だった。
そして何より、後ろに立つ四人の顔が仄かに赤くなっている。
そして、
「ねえ、和葉お姉ちゃん。これっていつ頃見たの?」
と由紀が訊くと、
「これは私が最後に見た時のモノよ。それは二人で最後に入ったお風呂の時でもあるわ……。そうね。今の由紀ちゃんと同じ歳くらいの時かしら」
と美しい思い出でも語るように言った。
「最後に見た? お風呂? 小五の時? 一体、和葉は何を言っているんだ?」
と竜馬が言うと、
「ボク、見てくるよ」
と春樹は立ち上がって、和葉の背後に急いで立った。すると、明らかに驚いた表情になり、
「あっ! あの! こっ、これ、いいのかな?」
と和葉が描いてるノートを指差した。
「えっ? 春樹、どういうこと?」
と竜馬が立ち上がると、
「出来たわ……」
と和葉は静かに言った。
すると和葉の後ろにいた五人全員が、一斉に竜馬の方を向いた。
竜馬は何だか嫌な予感がして、和葉の後ろに回り込んで見ると!
「かっ! 和葉! お前、何を描いてんだよ!」
と思わず叫んでしまった。
和葉が熱心に描いていたのは、生物の教科書のページではなく、デッサン画のおちんちんだった。
「お前! 生物の染色体のページを描いていたんじゃあ!」
和葉は大きくため息をついてこう言った。
「お兄ちゃん。いくらなんでも一度見ただけで、それを写真みたいに描ける訳がないじゃない。ちょっと考えたら分かるでしょう」
と『この兄は何を訳の分からないことを言っているのだ』と言わんばかりに呆れていた。
「でも和葉。確か最初に地歴の世界史のページを描いて見せていただろう?」
すると、
「お兄ちゃんたら。そんなのみんなを驚かせようと思って前日、必死に覚えたに決まっているじゃない」
と『私、とても苦労したのよ感』を漂わせた。
「というか、和葉、それ!」
とリアルに描かれたおちんちんのデッサンを、竜馬は赤面しながら指差すと、
「これは私が小学五年の時に見た、お兄ちゃんのおちんちんよ。この日以降、一度も見ることがなかったわ……」
とまるでネッシーかクッシーなどUMAでも見たような扱いである。
「へえ~。これ、竜ちゃんの小五の時のおちんちんなんだ。私は小四の時に見たっきりだけど、確かに他の男の子よりは大きかったよね~」
と小夏が楽しかった思い出でも語るように言った。
「あのう! 私もその絵を見せてもらっていいですか!」
と薫は手を挙げてから席を立つと、素早く和葉の背後に立った。
「わ~。確かに小五にしては大きいかもですね」
と薫は感心した。
「ちょ! 薫ちゃん、見ないでくれよ!」
と赤面しながら竜馬が言うと、
「エヘヘ。ごめんなさい、竜馬さん」
といたずら小僧っぽく笑う。
「じゃあ、このおちんちんのデッサン画が欲しい人っているかな? あげるわよ」
と和葉が言うと、
「はいっ! 私、欲しいです! 竜馬お兄ちゃんに関係するものなら髪でも爪でもパンツでも欲しいです!」
と由紀は元気よく手を上げた。
「わっ、私も欲しいです! 私、五歳の弟のおちんちんしかじっくりと見たことがないので、将来の参考のために下さい!」
と最もらしいが、少し違うのではという理由を言った薫も手を上げた。
「あたしはいらないかなあ~。小四の頃の竜ちゃんのおちんちんはじっくりと見たことあるし~」
と小夏は辞退した。
「え? お兄ちゃんのおちんちんをじっくり見たって! いつ?」
「え~っと、確かね。外で遊んでいたら私と竜ちゃんと和ちゃんが、強い夕立でびしょ濡れになったことがあったでしょう」
「……ああ。そういえば」
と竜馬。
「そんなことがあったわね」
と和葉。
「その時に竜ちゃんと和ちゃんのお母さんが、お風呂を用意してくれて三人一緒に入ったのよね~」
「その時に見たのね。お兄ちゃんの立派なおちんちんを」
「見た見た。結構、しっかり。特に竜ちゃんは小四の時、小柄だったし、髪の毛で耳が隠れるくらいに長く伸ばしていたから、とても可愛い女の子みたいだったから、おちんちんがあるのが、とても不思議だったわ」
と小夏は話した。
「それを言ったら小夏ちゃんは身長が一五〇センチ越えてて、髪を凄く短くしていたから男の子みたいだったよね」
と和葉。
「そうそう。私、そんな感じだったから、いつかおちんちんが生えてくるものだと思っていたし、もしかして竜ちゃんのおちんちんが外れて、私にくっつくのかもと思って、その時はしっかりと見張っていた感じだったんだよね~」
と小夏は話した。
「確かに、小四の時は小夏ちゃんにおちんちんが付いていた方が、似合っていたかもしれないわよね」
と和葉が言うと、
「おちんちんが似合うってどういうことだよ」
と竜馬は呆れている。
「じゃあ、小夏ちゃんは、このイラストはいらないということで、由紀ちゃんと薫ちゃんでじゃんけんを……」
と言うと、
「待って! 私も欲しい……」
と優子が小さく手を上げた。
「わっ、私も欲しいです……」
と一子も手を上げた。
「おお。あなた達二人も、このおちんちんのイラストが欲しいのね」
と和葉が言うと、
「あれよ! 将来の研究のためよ」
と頬を赤く染めながら優子が言うと、
「え~。将来の研究って、一体何に使うつもり~?」
と和葉は優子に突っ込む。
「なっ! 何で私だけそんなに突っ込むのよ!」
と優子。
「だって欲しい理由がおかしいんだもの。将来の研究のためって」
と和葉が言うと、すぐに一子に質問した。
「一子さんは何で欲しいの?」
と訊ねると、
「わっ、私は!」
「私は?」
「がっ、額に入れて飾るわ」
と何食わぬ顔で言った。
「そうなのね。一子さんが一番健全な理由ね」
と和葉が言うと、
「クラスメイトの小五の頃のおちんちんの絵を、額に入れて飾るって、それって健全なのかよ?」
と竜馬は引き気味に言った。
「じゃあ、四人でじゃんけんね」
と和葉が言うと、何度もあいこが続き勝負はなかなか決まらなかったが、最終的にイラストは優子のモノになった。
「かっ、勝ったわ……」
と嬉しいようだが、ブツがブツだけに表情が微妙で後ろめたそうにしている。
和葉は四人がじゃんけんをしている間に、自分が書いたおちんちんのイラストの紙を、器用に折ってブレスレットのように手首に巻けるようにした。
和葉は、少し困惑している優子に近づきながら、
「セブン~、セブン~、セブン~、セブ~ン」
と大きな声で言い出した。
「な! 何? 何なの?」
と慌てる優子。
「お前にこれを与えよう」
と先程折ったおちんちんを描いた紙を右手に高々と上げて、
「おちんちんブレスレットだ」
と言いながら、強引に優子の左手首に巻き付けると、
「これさえ身に付けておけば、いかなる男子とも互角に付き合えるだろう。さあ、学校に戻るのだ、優子」
と和葉が言うと、
「ええ~。私、このブレスレットを付けたまま、学校に行かなくっちゃいけないの?」
と涙目になると、
「優子さん。和葉の言っていることは、帰ってきたウルトラマンのベムスターの回で、ウルトラセブンがウルトラマンに、ウルトラブレスレットを渡すシーンの真似だから気にしないで」
と竜馬が呆れながら言うと、
「さすがはお兄ちゃん、ナイスですね~」
と、これもツッコミ待ちのセリフを言った。
2024年8月31日
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