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序章
第一話。4-8
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「ほっといてよっ!」
今や希少種となって久しいグリフォンの羽から作った、最高級の書き心地を保証する羽根ペンが台無しだと嘆く、アルベルトの言葉をネイアは前のめり気味で声を荒げ、切り捨てる。
その端正な顔は少し、紅潮していた。
「ふ~ん、本当に太いねえ~眉毛みたいだ」
横から覗き込んでそう、言葉を発したアベルに対して先と同等か、それ以上の怒気を発して振り向いた、その次の瞬間、
「ネイアらしくて、すごくいい。とても綺麗だ」
満面の笑みと共に淀みなく流れ出たその言葉に、ネイアの喉元まで出掛かっていた悪口雑言の数々は、室内の空気を振動させることなく彼女の口の中で溶けて消えてしまった。
「……ふ、ふん。分かれば、いいのよ」
淡麗優美なその顔を染める赤に、別の感情を主原料とした朱が加わるが、それと気づいたものは彼女本人ではなく、無自覚に引き出した無邪気な少年でもなかった。
「……良いでしょう。これにてご承認しただけたものと確認致しました」
先程まで張り付いていた苦笑いを消しつつ、アルベルトはペンを手に取ってアベルに差し出す。
「形式にしても少々度が過ぎるとは思いますが、アベル君。君も一応、署名を一筆」
アルベルトは先程ネイアが署名を行った書類の下端、その余白部分を折り返した。
「……ここに、書くの?」
今や希少種となって久しいグリフォンの羽から作った、最高級の書き心地を保証する羽根ペンが台無しだと嘆く、アルベルトの言葉をネイアは前のめり気味で声を荒げ、切り捨てる。
その端正な顔は少し、紅潮していた。
「ふ~ん、本当に太いねえ~眉毛みたいだ」
横から覗き込んでそう、言葉を発したアベルに対して先と同等か、それ以上の怒気を発して振り向いた、その次の瞬間、
「ネイアらしくて、すごくいい。とても綺麗だ」
満面の笑みと共に淀みなく流れ出たその言葉に、ネイアの喉元まで出掛かっていた悪口雑言の数々は、室内の空気を振動させることなく彼女の口の中で溶けて消えてしまった。
「……ふ、ふん。分かれば、いいのよ」
淡麗優美なその顔を染める赤に、別の感情を主原料とした朱が加わるが、それと気づいたものは彼女本人ではなく、無自覚に引き出した無邪気な少年でもなかった。
「……良いでしょう。これにてご承認しただけたものと確認致しました」
先程まで張り付いていた苦笑いを消しつつ、アルベルトはペンを手に取ってアベルに差し出す。
「形式にしても少々度が過ぎるとは思いますが、アベル君。君も一応、署名を一筆」
アルベルトは先程ネイアが署名を行った書類の下端、その余白部分を折り返した。
「……ここに、書くの?」
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