10 / 21
10話
しおりを挟む
「すごい……」
大きな門を抜けた俺は、その光景に目を丸くした。溢れかえるほどの人々に賑やかな声。どこからか楽しそうな音楽まで聞こえる。辺りを見回すと、遠くの噴水の前に人だかりができていた。
「あれは……」
「花の踊りですね。うん、今年の子も上手です」
リディアの言う通り、人だかりの中心では女の子が衣装に身を包み、踊りを踊っていた。鮮やかに踊る踊り子と歓声を上げる観客、跳ねるように楽しい音楽が彼らを包んでいる。どれもこれもが俺にとって新鮮で、きらきらとして見えた。
「ツバメは花祭りに来るのは初めてなのか?」
「はい!」
「ははっ、そうか。なら驚くよな」
建物の壁や窓など、至る所に花が飾られていた。その花も黄色にピンク、白と色鮮やかで見る者を楽しませる。建物の間には風船みたいなものがふわふわ浮いていた。夢みたいな光景に視線を取られがちな俺が迷子にならないよう、ヴァントは「こっちだ」と言って行先を教えてくれた。アーチを潜って、開けた場所に行く。そこでようやく先を歩いていたリディアが足を止めた。
「やっぱり人が多いですね。4人で動くと大変です。そうだ、2人ずつで動きましょうか。ではツバメさん、行きましょう」
「え、えっ、ちょっと」
リディアは一息でそう話した後、俺の腕を掴んでぐいぐいと引っ張って行った。直前まで周りの光景を見て楽しんでいた俺は、突然腕を引かれたせいで体勢を崩してしまう。それでもリディアは関係ないとばかりに、進んでいき、ぽかんとするマディナやヴァントの姿が人で見えなくなると、ようやく彼女は足を止めた。
「ふう、ごめんなさいツバメさん。急に引っ張っちゃったりして」
「いえ、大丈夫ですけど、2人が……」
リディアは歩く人の邪魔にならないよう道の脇に避けた。俺も彼女に倣って、その近くに行く。リディアは周りをきょろきょろと見た後、少しだけ声を小さくして「実は、」と話してくれた。
「ヴァント、マディナのことが好きなんです」
「えっ! ヴァントさんがマディナさんのことを」
「しーっ! 声が大きいです!」
俺は慌てて口を閉じた。実際は、周りは音楽やら何やらがうるさくて、こんな道端にいる2人の話す内容が他に聞こえる事なんてない。なんなら、俺の声よりもリディアの声の方が大きくて周りの注意を引いたようだが、俺もリディアも気づかない。俺は口を閉じて手を当てて、分かりましたと、こくこくと頷いた。
「……マディナはあんまり外に出たがらないんです。今回の花祭りも家にいるって。私とヴァントだけで来るつもりだったんですけど、ツバメさんのことが気になったのか、急にマディナが行くって言いだしたんです。それで、どこかのタイミングで私とツバメさんが離れたら、2人はデートができるなって考えて……ごめんなさい、ツバメさんには急な話ですよね」
「いや……なるほど。事情は分かりました」
ヴァントさん、マディナさんのことが好きだったんだ……初めて会ってから、まだ数時間しか一緒にいないから、当たり前だとは思うが気づかなかった。申し訳なさそうにしているリディアに、俺は「大丈夫ですよ」と伝える。確か、リディアは俺がノースの恋人だと勘違いして、それを別れさせようと考えるくらいノースのことを良く思っていなかったはずだ。そんな彼女が、今度はヴァントの恋を応援しようとしている。ヴァントの人柄を思えば、彼女が彼を応援する気持ちも分かる気がして、確かに俺も彼女の立場だったら、偏屈な人よりも優しい人と妹には結ばれて欲しいと思うだろう。
「そういうことなら、俺たちで祭りを見て回りましょうか。一応、2人に合わないよう気を付けながら」
ヴァントとマディナにデートをさせようとした結果、これ、俺とリディアもデートしてないか? 俺がその事実に気づいたのは、祭りを回り始めてしばらくした後だった。
*
確か、王宮で開かれるパーティは午後だったはずだ。まだまだ時間はある。ということは、屋台や店で何か美味しそうなものを買って食べても大丈夫と言うことだ。俺はリディアおすすめの、「パパキ」と呼ばれるものを食べた。小麦を使った生地が薄めのパンに、サラダ、味付けされた肉を挟んだものがパパキだ。昔、地元の祭りで食べたケバブと見た目は似ていたが、パパキの方が味がさっぱりしている気がする。俺はおすすめしてくれたリディアに、「おいしいですね」と感想を伝えた。
「ツバメさんって、変わってますね。なんか、違う世界の人みたい」
カップに入ったクリームに角切りされたフルーツを乗せたものを、あれは何だと見ていた時、リディアはそう話した。俺はびっくりしたけど、それでもいたって冷静なふりをする。そして、いかにも落ち着いていますという表情で俺はリディアに何故そう思ったのか聞いた。
「なんでって、なんとなく……? うーん……話してると、ツバメさんは良い人だなって思うんですけど、でもところどころ物を知らないというか、常識知らずというか。あと、ノースさん関連もちょっと普通じゃないですよね。違う世界から来てるから、ここのこと何も知らないんですってことなら納得ができるんで、そう思いました」
リディアは「変なこと言ってごめんなさい」と謝った。俺は曖昧に頷く。心の中では動揺して、何を話せばいいのか頭が働いていなかった。どうしよう、彼女の話はほぼ合っている。というか、全部合ってないかこれ。俺は傍から見て、そこまで分かりやすかったのか。俺は持っている鞄をぎゅっと握った。伝えるなら、今しかないんじゃないか。
「あの、」
自分のことを話すなら今しかないと思った。今ここで誤魔化してしまったら、今後バレたときや話したときに、なんであの時話してくれなかったのと思われるかもしれない。けれども話した結果、嘘だと言われたらどうしよう。冗談だったのにって。でもきっとリディアは、真剣に聞いてくれるだろうと彼女を信じたい気持ちもあった。
「その、異世界から来たって話、本当だって言ったらどう思いますか……?」
リディアは目を丸くして俺を見た。どうだろう、彼女はどんな反応をするだろう。さっきまでは楽しくてワクワクした花祭りの音楽が、今はどこか遠くに聞こえる。俺ははらはらしながら彼女の反応を待った。
「ふっ、ははっ、あははははっ」
「えっ、リディアさん?」
突然リディアはお腹を押さえて笑い始めた。そんな彼女を、今度は俺が驚いた気持ちで見る。この反応はどっちなんだ、信じてもらえた? それとも嘘だと思われた? 俺は笑っている彼女になんて話しかければいいのか分からなくなってしまった。当惑する俺に、リディアは「ご、ごめんなさい。馬鹿にしてるんじゃないんです」と笑いながら、そう言った。
「まさか、当たるとは思わなくて。てっきり、何言ってるんだみたいな反応されると思ってたんです……ふう。異世界から来たんですね、ツバメさん」
笑いすぎて涙まで出たのか、リディアは指で目を擦っていた。彼女の表情はどこか清々しい。俺は彼女をしっかりと見て、そうですと頷いた。
「でもびっくりしました。まさか、リディアさんにバレちゃうなんて……」
もしかして、ヴァントやマディナも俺のことを疑っているのかな。そうだとすると、ちょっと面倒だぞ。俺がそう思っていると、リディアは少し考えるそぶりをしてから、ふっと笑った。
「言ったじゃないですか。私のカンは当たるって」
あか抜けない、チャーミングな笑顔を浮かべる彼女は、どこか悪戯が成功した子どもみただった。
大きな門を抜けた俺は、その光景に目を丸くした。溢れかえるほどの人々に賑やかな声。どこからか楽しそうな音楽まで聞こえる。辺りを見回すと、遠くの噴水の前に人だかりができていた。
「あれは……」
「花の踊りですね。うん、今年の子も上手です」
リディアの言う通り、人だかりの中心では女の子が衣装に身を包み、踊りを踊っていた。鮮やかに踊る踊り子と歓声を上げる観客、跳ねるように楽しい音楽が彼らを包んでいる。どれもこれもが俺にとって新鮮で、きらきらとして見えた。
「ツバメは花祭りに来るのは初めてなのか?」
「はい!」
「ははっ、そうか。なら驚くよな」
建物の壁や窓など、至る所に花が飾られていた。その花も黄色にピンク、白と色鮮やかで見る者を楽しませる。建物の間には風船みたいなものがふわふわ浮いていた。夢みたいな光景に視線を取られがちな俺が迷子にならないよう、ヴァントは「こっちだ」と言って行先を教えてくれた。アーチを潜って、開けた場所に行く。そこでようやく先を歩いていたリディアが足を止めた。
「やっぱり人が多いですね。4人で動くと大変です。そうだ、2人ずつで動きましょうか。ではツバメさん、行きましょう」
「え、えっ、ちょっと」
リディアは一息でそう話した後、俺の腕を掴んでぐいぐいと引っ張って行った。直前まで周りの光景を見て楽しんでいた俺は、突然腕を引かれたせいで体勢を崩してしまう。それでもリディアは関係ないとばかりに、進んでいき、ぽかんとするマディナやヴァントの姿が人で見えなくなると、ようやく彼女は足を止めた。
「ふう、ごめんなさいツバメさん。急に引っ張っちゃったりして」
「いえ、大丈夫ですけど、2人が……」
リディアは歩く人の邪魔にならないよう道の脇に避けた。俺も彼女に倣って、その近くに行く。リディアは周りをきょろきょろと見た後、少しだけ声を小さくして「実は、」と話してくれた。
「ヴァント、マディナのことが好きなんです」
「えっ! ヴァントさんがマディナさんのことを」
「しーっ! 声が大きいです!」
俺は慌てて口を閉じた。実際は、周りは音楽やら何やらがうるさくて、こんな道端にいる2人の話す内容が他に聞こえる事なんてない。なんなら、俺の声よりもリディアの声の方が大きくて周りの注意を引いたようだが、俺もリディアも気づかない。俺は口を閉じて手を当てて、分かりましたと、こくこくと頷いた。
「……マディナはあんまり外に出たがらないんです。今回の花祭りも家にいるって。私とヴァントだけで来るつもりだったんですけど、ツバメさんのことが気になったのか、急にマディナが行くって言いだしたんです。それで、どこかのタイミングで私とツバメさんが離れたら、2人はデートができるなって考えて……ごめんなさい、ツバメさんには急な話ですよね」
「いや……なるほど。事情は分かりました」
ヴァントさん、マディナさんのことが好きだったんだ……初めて会ってから、まだ数時間しか一緒にいないから、当たり前だとは思うが気づかなかった。申し訳なさそうにしているリディアに、俺は「大丈夫ですよ」と伝える。確か、リディアは俺がノースの恋人だと勘違いして、それを別れさせようと考えるくらいノースのことを良く思っていなかったはずだ。そんな彼女が、今度はヴァントの恋を応援しようとしている。ヴァントの人柄を思えば、彼女が彼を応援する気持ちも分かる気がして、確かに俺も彼女の立場だったら、偏屈な人よりも優しい人と妹には結ばれて欲しいと思うだろう。
「そういうことなら、俺たちで祭りを見て回りましょうか。一応、2人に合わないよう気を付けながら」
ヴァントとマディナにデートをさせようとした結果、これ、俺とリディアもデートしてないか? 俺がその事実に気づいたのは、祭りを回り始めてしばらくした後だった。
*
確か、王宮で開かれるパーティは午後だったはずだ。まだまだ時間はある。ということは、屋台や店で何か美味しそうなものを買って食べても大丈夫と言うことだ。俺はリディアおすすめの、「パパキ」と呼ばれるものを食べた。小麦を使った生地が薄めのパンに、サラダ、味付けされた肉を挟んだものがパパキだ。昔、地元の祭りで食べたケバブと見た目は似ていたが、パパキの方が味がさっぱりしている気がする。俺はおすすめしてくれたリディアに、「おいしいですね」と感想を伝えた。
「ツバメさんって、変わってますね。なんか、違う世界の人みたい」
カップに入ったクリームに角切りされたフルーツを乗せたものを、あれは何だと見ていた時、リディアはそう話した。俺はびっくりしたけど、それでもいたって冷静なふりをする。そして、いかにも落ち着いていますという表情で俺はリディアに何故そう思ったのか聞いた。
「なんでって、なんとなく……? うーん……話してると、ツバメさんは良い人だなって思うんですけど、でもところどころ物を知らないというか、常識知らずというか。あと、ノースさん関連もちょっと普通じゃないですよね。違う世界から来てるから、ここのこと何も知らないんですってことなら納得ができるんで、そう思いました」
リディアは「変なこと言ってごめんなさい」と謝った。俺は曖昧に頷く。心の中では動揺して、何を話せばいいのか頭が働いていなかった。どうしよう、彼女の話はほぼ合っている。というか、全部合ってないかこれ。俺は傍から見て、そこまで分かりやすかったのか。俺は持っている鞄をぎゅっと握った。伝えるなら、今しかないんじゃないか。
「あの、」
自分のことを話すなら今しかないと思った。今ここで誤魔化してしまったら、今後バレたときや話したときに、なんであの時話してくれなかったのと思われるかもしれない。けれども話した結果、嘘だと言われたらどうしよう。冗談だったのにって。でもきっとリディアは、真剣に聞いてくれるだろうと彼女を信じたい気持ちもあった。
「その、異世界から来たって話、本当だって言ったらどう思いますか……?」
リディアは目を丸くして俺を見た。どうだろう、彼女はどんな反応をするだろう。さっきまでは楽しくてワクワクした花祭りの音楽が、今はどこか遠くに聞こえる。俺ははらはらしながら彼女の反応を待った。
「ふっ、ははっ、あははははっ」
「えっ、リディアさん?」
突然リディアはお腹を押さえて笑い始めた。そんな彼女を、今度は俺が驚いた気持ちで見る。この反応はどっちなんだ、信じてもらえた? それとも嘘だと思われた? 俺は笑っている彼女になんて話しかければいいのか分からなくなってしまった。当惑する俺に、リディアは「ご、ごめんなさい。馬鹿にしてるんじゃないんです」と笑いながら、そう言った。
「まさか、当たるとは思わなくて。てっきり、何言ってるんだみたいな反応されると思ってたんです……ふう。異世界から来たんですね、ツバメさん」
笑いすぎて涙まで出たのか、リディアは指で目を擦っていた。彼女の表情はどこか清々しい。俺は彼女をしっかりと見て、そうですと頷いた。
「でもびっくりしました。まさか、リディアさんにバレちゃうなんて……」
もしかして、ヴァントやマディナも俺のことを疑っているのかな。そうだとすると、ちょっと面倒だぞ。俺がそう思っていると、リディアは少し考えるそぶりをしてから、ふっと笑った。
「言ったじゃないですか。私のカンは当たるって」
あか抜けない、チャーミングな笑顔を浮かべる彼女は、どこか悪戯が成功した子どもみただった。
1
あなたにおすすめの小説
魔王の息子を育てることになった俺の話
お鮫
BL
俺が18歳の時森で少年を拾った。その子が将来魔王になることを知りながら俺は今日も息子としてこの子を育てる。そう決意してはや数年。
「今なんつった?よっぽど死にたいんだね。そんなに俺と離れたい?」
現在俺はかわいい息子に殺害予告を受けている。あれ、魔王は?旅に出なくていいの?とりあえず放してくれません?
魔王になる予定の男と育て親のヤンデレBL
BLは初めて書きます。見ずらい点多々あるかと思いますが、もしありましたら指摘くださるとありがたいです。
BL大賞エントリー中です。
転生したら、主人公の宿敵(でも俺の推し)の側近でした
リリーブルー
BL
「しごとより、いのち」厚労省の過労死等防止対策のスローガンです。過労死をゼロにし、健康で充実して働き続けることのできる社会へ。この小説の主人公は、仕事依存で過労死し異世界転生します。
仕事依存だった主人公(20代社畜)は、過労で倒れた拍子に異世界へ転生。目を覚ますと、そこは剣と魔法の世界——。愛読していた小説のラスボス貴族、すなわち原作主人公の宿敵(ライバル)レオナルト公爵に仕える側近の美青年貴族・シリル(20代)になっていた!
原作小説では悪役のレオナルト公爵。でも主人公はレオナルトに感情移入して読んでおり彼が推しだった! なので嬉しい!
だが問題は、そのラスボス貴族・レオナルト公爵(30代)が、物語の中では原作主人公にとっての宿敵ゆえに、原作小説では彼の冷酷な策略によって国家間の戦争へと突き進み、最終的にレオナルトと側近のシリルは処刑される運命だったことだ。
「俺、このままだと死ぬやつじゃん……」
死を回避するために、主人公、すなわち転生先の新しいシリルは、レオナルト公爵の信頼を得て歴史を変えようと決意。しかし、レオナルトは原作とは違い、どこか寂しげで孤独を抱えている様子。さらに、主人公が意外な才覚を発揮するたびに、公爵の態度が甘くなり、なぜか距離が近くなっていく。主人公は気づく。レオナルト公爵が悪に染まる原因は、彼の孤独と裏切られ続けた過去にあるのではないかと。そして彼を救おうと奔走するが、それは同時に、公爵からの執着を招くことになり——!?
原作主人公ラセル王太子も出てきて話は複雑に!
見どころ
・転生
・主従
・推しである原作悪役に溺愛される
・前世の経験と知識を活かす
・政治的な駆け引きとバトル要素(少し)
・ダークヒーロー(攻め)の変化(冷酷な公爵が愛を知り、主人公に執着・溺愛する過程)
・黒猫もふもふ
番外編では。
・もふもふ獣人化
・切ない裏側
・少年時代
などなど
最初は、推しの信頼を得るために、ほのぼの日常スローライフ、かわいい黒猫が出てきます。中盤にバトルがあって、解決、という流れ。後日譚は、ほのぼのに戻るかも。本編は完結しましたが、後日譚や番外編、ifルートなど、続々更新中。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜
上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。
体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。
両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。
せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない?
しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……?
どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに?
偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも?
……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない??
―――
病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。
※別名義で連載していた作品になります。
(名義を統合しこちらに移動することになりました)
その捕虜は牢屋から離れたくない
さいはて旅行社
BL
敵国の牢獄看守や軍人たちが大好きなのは、鍛え上げられた筋肉だった。
というわけで、剣や体術の訓練なんか大嫌いな魔導士で細身の主人公は、同僚の脳筋騎士たちとは違い、敵国の捕虜となっても平穏無事な牢屋生活を満喫するのであった。
転生悪役弟、元恋人の冷然騎士に激重執着されています
柚吉猫
BL
生前の記憶は彼にとって悪夢のようだった。
酷い別れ方を引きずったまま転生した先は悪役令嬢がヒロインの乙女ゲームの世界だった。
性悪聖ヒロインの弟に生まれ変わって、過去の呪縛から逃れようと必死に生きてきた。
そんな彼の前に現れた竜王の化身である騎士団長。
離れたいのに、皆に愛されている騎士様は離してくれない。
姿形が違っても、魂でお互いは繋がっている。
冷然竜王騎士団長×過去の呪縛を背負う悪役弟
今度こそ、本当の恋をしよう。
【第一部・完結】毒を飲んだマリス~冷徹なふりして溺愛したい皇帝陛下と毒親育ちの転生人質王子が恋をした~
蛮野晩
BL
マリスは前世で毒親育ちなうえに不遇の最期を迎えた。
転生したらヘデルマリア王国の第一王子だったが、祖国は帝国に侵略されてしまう。
戦火のなかで帝国の皇帝陛下ヴェルハルトに出会う。
マリスは人質として帝国に赴いたが、そこで皇帝の弟(エヴァン・八歳)の世話役をすることになった。
皇帝ヴェルハルトは噂どおりの冷徹な男でマリスは人質として不遇な扱いを受けたが、――――じつは皇帝ヴェルハルトは戦火で出会ったマリスにすでにひと目惚れしていた!
しかもマリスが帝国に来てくれて内心大喜びだった!
ほんとうは溺愛したいが、溺愛しすぎはかっこよくない……。苦悩する皇帝ヴェルハルト。
皇帝陛下のラブコメと人質王子のシリアスがぶつかりあう。ラブコメvsシリアスのハッピーエンドです。
ブラコンすぎて面倒な男を演じていた平凡兄、やめたら押し倒されました
あと
BL
「お兄ちゃん!人肌脱ぎます!」
完璧公爵跡取り息子許嫁攻め×ブラコン兄鈍感受け
可愛い弟と攻めの幸せのために、平凡なのに面倒な男を演じることにした受け。毎日の告白、束縛発言などを繰り広げ、上手くいきそうになったため、やめたら、なんと…?
攻め:ヴィクター・ローレンツ
受け:リアム・グレイソン
弟:リチャード・グレイソン
pixivにも投稿しています。
ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。
批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる