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第一章
イオアニス村
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翌朝オレはいつもより早めに目が覚めた。
と言っても、オレはいつもここの住人達より早く起きている。
早起きが習慣になっているのだ、そうこの世界に来る前から。
時計がこの村には無いので、感覚的だがおそらく毎朝五時前に起きてるのだと思う。
そしてそんな早朝に何をしているのかというと、朝稽古だ。
恐らくこの世界は、オレがいた世界より危険が隣り合わせだろう。
『乙葉神刀念流』なんてものを使う時が来ない方がいいに決まっているが、せめて自分が世話になっている人達くらいは守れるようにと朝稽古を始めた、勿論誰にも見られない様に。
刀はアシリアに預けてあるので、自分で木を削って木刀を作った。
余談だが、最初の木刀の出来が良かったので三口作ってみた、その中で一番しっくりくる木刀を使っている。
いつもより早めに家に戻ると、アシリアが起きていた。
「おはようアシリア、いつもより早いんじゃないの?」
汗を拭きながら言うと、アシリアが一杯の水を差しだしてくれた。
「おはようイツキ、いつものように走って来たの?はいこれ」
「ありがとう、あぁ、この辺の地理も大体は把握出来てきた」
その後朝食を食べて、いよいよイオアニス村に行く時間になった。
家を出ようとした時村長に呼び止められ。
「イツキ、アシリアは私が稽古しているとは言え、戦いなんてものは出来ないと思ってくれ、まぁ何も無いとは思うが、何かあった時にはアシリアを頼むぞ」
「任せて下さい、何とかしてみせます」
その会話を聞いたアシリアは、心外だと言わんばかりに。
「あらお母さま、これでも私は村長の娘です、殿方に助けていただかなくても、なんとでも出来ますわ」
「あぁ~、オレは戦っているアシリアより、おしとやかなアシリアが好きだけどなぁ」
アシリアは顔を真っ赤にして、頭が沸騰してしまったみたいで、黙ってしまった。
村長はニヤニヤして何か言いたそうだったが。
「まぁなんにしても、気をつけてな、油断はするなよ」
ヴィレムが締めくくって、オレたちは出発した。
村を出てオレ達二人はイオアニス村に向かって歩いている訳だが、前を歩いているアシリアの様子が何故かおかしい、それも結構な時間。
「なぁアシリア、エルフの村ってどんな感じの村なんだ?」
「うん」
「エルフって見た目は、オレ達と変わらないんだよな?」
「うん」
「アシリアって実は男だよな?」
「うん」
(ダメだこりゃ、どうしちまったんだぁ全く、こんなんじゃ何かあった時、対処が出来ないぞ)
オレはアシリアの前に出て両肩を掴んで少し揺らしながら。
「お~い、アシリアどうしちまったんだ?何を聞いても上の空で、一人で何やらブツブツ言ってるみたいだけど、こんな状態で、仮に何かに襲われたらどうするつもりなんだ?」
「あっごめんなさい、何か色々考え込んじゃってたみたいで」
「考え込み過ぎだろ、結構な時間放置されてたんですけど、オレ」
「ほ、本当にごめんなさい、私どうしちゃったんだろうね」
「こっちが聞きたいくらいだわ、で、あとどれくらいで着きそうなんだ?」
「もう少しで着くわ、このまま森を進むと崖の上に出るの、村はその崖の下よ」
「ふ~ん、あんまり人が寄り付かなそうなとこだな」
「そうね、エルフって国によっては奴隷として売られてたりしてるから、あまり人と関わらないようにしてるのかもね」
「えっ奴隷?」
「確かそう聞いたわ」
「この国にも?」
「この国は奴隷禁止国よ」
オレは心の底から叫んだ。
「なんて羨ましい、いや、けしから~ん!エルフのカワイ子ちゃんを奴隷にして何をさせているんだぁ!!実に、実にけしから~ん(羨ましい)」
オレの声が森にこだましていた。
「ねぇ、イツキ、今最初に羨ましいって言わなかった?」
アシリアは笑っているが、後ろに真っ黒いオーラが出ている、これは断じて見間違いでは無い。
「オレは、けしからんって言ったんだ、羨ましいなんて言ってない」
冷や汗をかきながら、オレはあさっての方を向いた。
「イツキ、最後にもう一度だけ聞くけど、羨ましいって言ったわよね?」
オレは殺気がする方をゆっくりと恐る恐る見た、するとアシリアの顔が般若の面みたいになっていた。
(そ、そ、そ、村長Ⅱ世ここに降臨、その手に持ってるムチは何処から出て来たんですかぁ)
「アシリア、まずは落ち着こう、なっ、オレ羨ましいなんて、きっと言ってない」
「あら、そう、イツキは私が聞き間違えたとでも言いたいの?」
(この豹変ぶりは遺伝なんですか?アシリアたんチョー怖いんですけど)
「す、すいませんでしたぁ、言いました、確かに言ってしまいました」
「最初から素直に白状すればいいものを」
そう言いながらアシリアはムチを地面に何度も打ち付けている。
「まっいいわ、今回は許してあげる、母さんも男なんてスケベな事しか考えて無い生き物だって言ってたしね、でも今回だけだからね」
「ありがたき幸せ」
(ふぃ~、何とか凌いだかぁ、しっかしこの親子訳が分からねぇ)
それから少し歩いていると、歩く先に黒い煙が上がっているのが見えた。
「なぁ、アシリア、エルフの村って、いつも煙が上がってるのか?」
気になったので、煙の立つ方を指さしながら聞いてみた。
「私の記憶には無いわね、お祭り?だったら私達の村にも知らせてくれるだろうし」
(火事の時って、よく黒い煙が上がるんじゃなかったっけ?)
「アシリア、ちょっと急ごう、何もなければいいけど、何かあったのなら手助けしなくちゃ」
「そうね、イツキの言う通りだわ、急ぎましょう」
オレ達二人が走って森を抜け、崖の上に着いて下を見ると、何軒か家が燃えているのが見えた。
(やっぱり火事だったか、ん?様子が違うな)
「イツキ、大変、火事だわ!早く何とかしないと」
アシリアは慌てて村に向かおうとした、しかしオレは、そんなアシリアを制止した。
「アシリア、これはただの火事じゃ無い!よく見ろ、村が略奪されてる、恐らく盗賊の仕業だ」
アシリアが悲痛な顔になり震えている、オレはすぐに決断した。
「アシリアは急いで村に戻れ、そしてこの事を村長に話して、応援を呼んできてくれ」
アシリアはまだ動揺していた。
「イツキはどうするの?」
「オレは様子を窺いながら、助け出せそうな人を助ける」
「一人でなんて無理に決まってるじゃない、盗賊は二十人以上はいるわ」
「大丈夫だ、無理はしない、約束する、だから早く行ってくれ」
「本当に約束よ、絶対無理しないでね!」
「大丈夫だ、無理はしない」
アシリアは目に涙を浮かべながら、走って行った。
オレはアシリアが見えなくなってから、エルフの村に急いで向かった。
「さてと、この世界でのオレの実力って、どんなもんなんだろうな?」
と言っても、オレはいつもここの住人達より早く起きている。
早起きが習慣になっているのだ、そうこの世界に来る前から。
時計がこの村には無いので、感覚的だがおそらく毎朝五時前に起きてるのだと思う。
そしてそんな早朝に何をしているのかというと、朝稽古だ。
恐らくこの世界は、オレがいた世界より危険が隣り合わせだろう。
『乙葉神刀念流』なんてものを使う時が来ない方がいいに決まっているが、せめて自分が世話になっている人達くらいは守れるようにと朝稽古を始めた、勿論誰にも見られない様に。
刀はアシリアに預けてあるので、自分で木を削って木刀を作った。
余談だが、最初の木刀の出来が良かったので三口作ってみた、その中で一番しっくりくる木刀を使っている。
いつもより早めに家に戻ると、アシリアが起きていた。
「おはようアシリア、いつもより早いんじゃないの?」
汗を拭きながら言うと、アシリアが一杯の水を差しだしてくれた。
「おはようイツキ、いつものように走って来たの?はいこれ」
「ありがとう、あぁ、この辺の地理も大体は把握出来てきた」
その後朝食を食べて、いよいよイオアニス村に行く時間になった。
家を出ようとした時村長に呼び止められ。
「イツキ、アシリアは私が稽古しているとは言え、戦いなんてものは出来ないと思ってくれ、まぁ何も無いとは思うが、何かあった時にはアシリアを頼むぞ」
「任せて下さい、何とかしてみせます」
その会話を聞いたアシリアは、心外だと言わんばかりに。
「あらお母さま、これでも私は村長の娘です、殿方に助けていただかなくても、なんとでも出来ますわ」
「あぁ~、オレは戦っているアシリアより、おしとやかなアシリアが好きだけどなぁ」
アシリアは顔を真っ赤にして、頭が沸騰してしまったみたいで、黙ってしまった。
村長はニヤニヤして何か言いたそうだったが。
「まぁなんにしても、気をつけてな、油断はするなよ」
ヴィレムが締めくくって、オレたちは出発した。
村を出てオレ達二人はイオアニス村に向かって歩いている訳だが、前を歩いているアシリアの様子が何故かおかしい、それも結構な時間。
「なぁアシリア、エルフの村ってどんな感じの村なんだ?」
「うん」
「エルフって見た目は、オレ達と変わらないんだよな?」
「うん」
「アシリアって実は男だよな?」
「うん」
(ダメだこりゃ、どうしちまったんだぁ全く、こんなんじゃ何かあった時、対処が出来ないぞ)
オレはアシリアの前に出て両肩を掴んで少し揺らしながら。
「お~い、アシリアどうしちまったんだ?何を聞いても上の空で、一人で何やらブツブツ言ってるみたいだけど、こんな状態で、仮に何かに襲われたらどうするつもりなんだ?」
「あっごめんなさい、何か色々考え込んじゃってたみたいで」
「考え込み過ぎだろ、結構な時間放置されてたんですけど、オレ」
「ほ、本当にごめんなさい、私どうしちゃったんだろうね」
「こっちが聞きたいくらいだわ、で、あとどれくらいで着きそうなんだ?」
「もう少しで着くわ、このまま森を進むと崖の上に出るの、村はその崖の下よ」
「ふ~ん、あんまり人が寄り付かなそうなとこだな」
「そうね、エルフって国によっては奴隷として売られてたりしてるから、あまり人と関わらないようにしてるのかもね」
「えっ奴隷?」
「確かそう聞いたわ」
「この国にも?」
「この国は奴隷禁止国よ」
オレは心の底から叫んだ。
「なんて羨ましい、いや、けしから~ん!エルフのカワイ子ちゃんを奴隷にして何をさせているんだぁ!!実に、実にけしから~ん(羨ましい)」
オレの声が森にこだましていた。
「ねぇ、イツキ、今最初に羨ましいって言わなかった?」
アシリアは笑っているが、後ろに真っ黒いオーラが出ている、これは断じて見間違いでは無い。
「オレは、けしからんって言ったんだ、羨ましいなんて言ってない」
冷や汗をかきながら、オレはあさっての方を向いた。
「イツキ、最後にもう一度だけ聞くけど、羨ましいって言ったわよね?」
オレは殺気がする方をゆっくりと恐る恐る見た、するとアシリアの顔が般若の面みたいになっていた。
(そ、そ、そ、村長Ⅱ世ここに降臨、その手に持ってるムチは何処から出て来たんですかぁ)
「アシリア、まずは落ち着こう、なっ、オレ羨ましいなんて、きっと言ってない」
「あら、そう、イツキは私が聞き間違えたとでも言いたいの?」
(この豹変ぶりは遺伝なんですか?アシリアたんチョー怖いんですけど)
「す、すいませんでしたぁ、言いました、確かに言ってしまいました」
「最初から素直に白状すればいいものを」
そう言いながらアシリアはムチを地面に何度も打ち付けている。
「まっいいわ、今回は許してあげる、母さんも男なんてスケベな事しか考えて無い生き物だって言ってたしね、でも今回だけだからね」
「ありがたき幸せ」
(ふぃ~、何とか凌いだかぁ、しっかしこの親子訳が分からねぇ)
それから少し歩いていると、歩く先に黒い煙が上がっているのが見えた。
「なぁ、アシリア、エルフの村って、いつも煙が上がってるのか?」
気になったので、煙の立つ方を指さしながら聞いてみた。
「私の記憶には無いわね、お祭り?だったら私達の村にも知らせてくれるだろうし」
(火事の時って、よく黒い煙が上がるんじゃなかったっけ?)
「アシリア、ちょっと急ごう、何もなければいいけど、何かあったのなら手助けしなくちゃ」
「そうね、イツキの言う通りだわ、急ぎましょう」
オレ達二人が走って森を抜け、崖の上に着いて下を見ると、何軒か家が燃えているのが見えた。
(やっぱり火事だったか、ん?様子が違うな)
「イツキ、大変、火事だわ!早く何とかしないと」
アシリアは慌てて村に向かおうとした、しかしオレは、そんなアシリアを制止した。
「アシリア、これはただの火事じゃ無い!よく見ろ、村が略奪されてる、恐らく盗賊の仕業だ」
アシリアが悲痛な顔になり震えている、オレはすぐに決断した。
「アシリアは急いで村に戻れ、そしてこの事を村長に話して、応援を呼んできてくれ」
アシリアはまだ動揺していた。
「イツキはどうするの?」
「オレは様子を窺いながら、助け出せそうな人を助ける」
「一人でなんて無理に決まってるじゃない、盗賊は二十人以上はいるわ」
「大丈夫だ、無理はしない、約束する、だから早く行ってくれ」
「本当に約束よ、絶対無理しないでね!」
「大丈夫だ、無理はしない」
アシリアは目に涙を浮かべながら、走って行った。
オレはアシリアが見えなくなってから、エルフの村に急いで向かった。
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