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しおりを挟む今になって腐ったみかんを食べた時のような後味の悪さを感じている。なんか結構恥ずかしいことを書いている気もした。冷静になると歯が浮くような言葉ばかりを並べ立てたような気がしないでもない。
座っていることももどかしくなったし、半分自棄になってとりあえず校舎裏に行くことにした。手紙がまだあるかないかを確かめよう。話はそれからだ。それによって彼への接し方が変わる。多分。
なんかもう恥ずかしい。
胃がぐるぐるして手で押さえながら歩いていたら、ちょっと、という声が僕の耳を掠めた。僕を呼び止める人なんてレオ以外誰もいないから、きっと僕の近くにいた誰かが誰かに呼び止められたのだろうと思った。それが僕の当たり前だったから。
そうだと思ったんだけど。
「ちょっと、浅見くん」
とまた僕の近くで呼び止める声が聞こえた。
ちなみに浅見という名字は少なくとも同じ学年に僕しかいないので、ほぼ間違いなく僕に向けられた言葉だと頭では理解した。でも反射が伴わなかった。疑問を抱きながら二、三歩歩く。浅見って僕だよな? 僕呼び止められてる? いやそんなわけない……? とか逡巡していたら今度は肩を掴まれた。
「浅見くん!」
体が驚いた猫のように飛び跳ねる。飛び跳ねながら声のした方を振り向いたら、そこには鳥口が立っていた。鳥口はなんの予備動作もなしに僕と距離を詰める。僕も反射で彼女と距離を置いた。それが続いて、僕は廊下の窓にぶつかった。痛いな。
「体調はもういいの?」
なんで鳥口にそんなこと報告しなければないのだろと思いながらも、特に答えを隠す必要性も感じなかったので、渋々こくりと頷いた。
「早速本題に入って悪いんだけど、姫役は私が代わりにやるってことでいいかな。もうそれで話が進んでいるの」
レオがそれでいいって言うならいいよ、と伝える手段がないのでなんとも言えずに俯いていたら、鳥口が口を開いた。
「レオくんもそれでいいって言っていたよ」
僕は目を見開く。鳥口の目が細まった。なんか嫌な感じだった。
怪訝に思いながらも頷いた。レオがそれでいいと言うのなら僕はそれでいい。その気持ちに偽りはない。別にお姫さま役に執着もないしね。むしろ嬉しいまである。
「浅見くんって、レオくんのことが嫌いなの?」
唐突な質問に僕は言葉を失った。いや最初から失ってるんだけどね。
「レオくんが浅見くんに近づいても、浅見くんって全然嬉しそうじゃないよね。むしろ迷惑そうにしてるし。この間もレオくんが浅見くんを姫役に指名した時、すごく嫌そうだったじゃない? 嫌いなら嫌いって言った方いいよ。レオくんだってそう言われれば浅見くんのところに来ないと思うし」
言えないんだよとキレそうになっていたらああ、と鳥口は忘れていた、みたいな態度をとって僕に言った。
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