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20話
強制的に連れて行かれた場所は、バーデル公爵家にも負けず劣らずの豪邸だった。
いたるところに置かれた絵画や彫刻品が立場を強調しているようで、飾られている品と合わせて趣味が悪いとエルミールは思う。
道中で一切の説明をされなかったため、エルミールはどこの屋敷につれてこられたのか理解していなかったが、一つの予想を立てていた。
派手で権威を誇る調度品の数々は、バーデル公爵家で様々な美術品を見る目を養った彼女には大体の値段を推し量れた。
それらから考えるとバーデル公爵家に負けず劣らずの名家と予測を立てた。
つまり――バーデル公爵家と対を成すデバンド公爵家。
(アルベール様と敵対関係にあるデバンド公爵家が私になんの用があるというの)
アルベールが当主を務めるバーデル公爵家は軍閥、つまり軍部派だが、一方でデバンド公爵家は王族派である。
二つの勢力は長年権力と王位の優位性によって敵対関係にある。
どちらにも属さない中立派のアベジェール伯爵家出身のエルミールは父が常に両勢力の間に挟まれ頭を悩ませていたことを知っている。
エルミールの嫁入りによりアベジェール伯爵家はアルベールの要する軍閥の仲間入りをしたのだが、父は長年の権力争いから解放されてすっきりしたといっていた。
さらに、近年のデバンド公爵家当主であるダニエルが権力に執着する上に曲者なのも相まって、中立派も相当に苦労したと聞く。
応接室に通され豪奢な長椅子に座っていたエルミールは、煩い心臓を抑えつつそっと細く息を吐きだす。
(大丈夫よ、私が帰宅していないことはすぐにアルベール様に伝わるはず)
なにしろ贔屓にしている服飾店の店員たちが青い顔で見てみていた。
彼女たちから連絡が言っている可能性は十分にある。
アルベールは今日は登城せず邸宅で仕事を片付けるといっていたので、連絡さえ届けば必ず助けに来てくれる。
背を伸ばし顎を引き、凛と前を見据える。
出された紅茶や茶菓子にも何が盛られているのかわからないので手を出すことはしない。
暫くじっと待っていると、応接室の扉が開かれた。
重厚な扉からは五十代半ば程度の男が姿を見せる。
白が混じった髭を蓄えた男の顔はエルミールですら知っていた。
デバンド公爵家当主ダニエルだ。
エルミールはソファから立ち上がり、ドレスの裾を持ち上げ軽く頭を下げる。
「お初にお目にかかります、ダニエル公爵」
「儂の名を知っておるか、バーデル公爵夫人」
「名声はかねがね」
頭を上げ、姿勢を正したエルミールのローテーブルを挟んだ対面のソファにダニエルが腰を下ろす。
エルミールも倣ってソファに腰掛けなおした。
対面で向かい合い、微笑みを湛えるダニエルを見つめつつ静かに呼吸を整える。
「噂には聞いておりましたが、流石アルベール公爵の目に留まったご婦人だけある。美しいですな」
「過分なお褒めの言葉、ありがとうございます」
「さて、この屋敷にのこのことついてきた貴女は賢い人なのかどうか――大変気になりますなぁ」
案に愚かだと揶揄され、喧嘩を売られた。
理解しつつも表情を変えることなく、エルミールはたおやかに笑って見せる。
微笑みで油断させ、情報を引き出せるだけ引き出すのだ。
少しでもアルベールの助けになるために。
穏やかに微笑みながらも口は閉ざしたままの彼女をどう判断したのか。
ダニエルは軽やかな口調で語り出す。
「いやはや、アルベール公爵には大変困っているのですよ」
ダニエルの落ちくぼんだ瞳がぎらりといやらしく光る。
不穏な色を察しつつ、笑みは崩さない。
笑顔は淑女の武器だと、エルミールは母から教え込まれている。
アルベールに嫁ぐ前夜にだって、困ったら常に笑っていなさいと、笑顔は貴女を守るわ、と強く言い含められた。
母の教えに従い微笑み続ける彼女の前で、言い返さない様子に気をよくしたらしいダニエルはぺらぺらと喋り続けた。
「先妻は良き淑女でした。だが、あの家は先妻が生んだ男児であるフランシスを跡取りと認めないなどと戯言を抜かす始末だ。全くもって困ったものですなぁ」
前当主だけではなく、王家からも圧をかけられている。フランシスが口にした情報が間違っているはずがないので、ダニエルが知らないのかあるいは無視して都合が悪いと隠しているのか。
後者だと判断しつつも、上げた口角は降ろさない。
「本当に困ったものだ。――あの女さえ生きていれば、バーデル公爵家は儂のものだったというのに」
「っ」
息を飲んだエルミールの内心で怒りの炎が燃える。二人の苦悩を知るからこそ、許せなかった。
ようやく表情を僅かに変えたことに、ダニエルが笑みを深める。
失敗したと悟り、すぐに笑顔の仮面を被りなおす。
ダニエルの笑みはエルミールと違い、人の悪い笑みだ。いいや、人を陥れるための笑みである。
それを浮かべて、ダニエルが嗤う。
「だから貴女は邪魔なのですよ。中立派をうたっておきながら、軍閥に属したアベジェール家のご令嬢。不幸を運ぶ黒猫令嬢などと言われておるから、どんな不幸を奴に運んでくれるのかと様子を見ておれば、そのような気配もない。使えん裏切り者だな」
とうとうエルミールを公爵夫人とも呼ばなくなったダニエルにエルミールが眉を顰めると、彼は嫌らしく嗤う。
「大人しくフランシスと関係をもって引っ込んでいればいいものを。悪あがきばかりしおって」
リンダの背後にはやはり別人がいた。
裏で糸を引いていたのはダニエルだったのだ。
そして、それを口にしたということはエルミールをこのまま邸宅から出す気がないということでもあった。
「儂はな、アルベールに落ちぶれてほしいのだ」
アルベールを呼び捨てにし、とうとう本心を隠さず口にしたダニエルにエルミールは怯えるどころか、逆に綺麗に笑って見せる。
アルベールへの愛情とフランシスへの信愛を動力に内心で燃える怒りが、普段は大人しい彼女を強くさせていた。
ドレスの下で足は震えていたけれど、淑女のドレスの下など確認できるはずがないのだから、見た目だけでも強気でいなければならない。
「気が触れたか」
「いいえ、本心から喜んでおります」
なにしろここまで情報を喋ってくれた。エルミールが無事にアルベールの元に戻れれば言い逃れは出来ない。
内心は隠したままにこりと微笑み告げた彼女の様子に、眉間に皺を寄せたダニエルがそれでも不敵に笑う。
「フランシスが失敗したのであれば、他の男でも構うまい。――入ってこい」
ダニエルがそう告げると、扉の外から様子を伺っていたらしく鎧を脱いだ軽装の騎士たちが数名室内に踏み込んでくる。
にやにやと喜色の悪い笑みを浮かべたデバンド家の私兵たちに、嫌悪の色を強くする。
内心は怖くて仕方なかったが、震える指先を握りこむことで隠し、強気な表情は崩さない。
「よろしいのですか? アルベール様はわたしを溺愛しています。わたしに手を出すならば――その首、落とされても文句はいえませんね?」
淑女の一番の武器の笑みを浮かべて、周囲を私兵に取り囲まれながらも凛と言い放ったエルミールの耳は微かな物音を拾っていた。
極度の緊張から鋭敏になった聴覚は、普段は拾わない音も拾っている。
遠くで響く剣劇の音、人の悲鳴、それらが耳朶に届いて助けが来たことを知らせている。
勇気を貰ってすごむエルミールの前で、ダニエルがやや気圧されたように目を見開いた。
だが、彼女とは別の意味で落ち着かない様子の男は、にたりと口角を吊り上げ、冷酷な命令を下す。
「やってしまえ!」
私兵の男たちが手を伸ばしてくる。同時に響く、愛しい人の声。
「よく耐えた、愛しの我が妻!」
扉が開け放たれた音と共に、朗々たる声が響く。
驚いた顔で腰を浮かしたダニエルとは正反対に、エルミールは愛する人――アルベールの登場に、笑み崩れた。
いたるところに置かれた絵画や彫刻品が立場を強調しているようで、飾られている品と合わせて趣味が悪いとエルミールは思う。
道中で一切の説明をされなかったため、エルミールはどこの屋敷につれてこられたのか理解していなかったが、一つの予想を立てていた。
派手で権威を誇る調度品の数々は、バーデル公爵家で様々な美術品を見る目を養った彼女には大体の値段を推し量れた。
それらから考えるとバーデル公爵家に負けず劣らずの名家と予測を立てた。
つまり――バーデル公爵家と対を成すデバンド公爵家。
(アルベール様と敵対関係にあるデバンド公爵家が私になんの用があるというの)
アルベールが当主を務めるバーデル公爵家は軍閥、つまり軍部派だが、一方でデバンド公爵家は王族派である。
二つの勢力は長年権力と王位の優位性によって敵対関係にある。
どちらにも属さない中立派のアベジェール伯爵家出身のエルミールは父が常に両勢力の間に挟まれ頭を悩ませていたことを知っている。
エルミールの嫁入りによりアベジェール伯爵家はアルベールの要する軍閥の仲間入りをしたのだが、父は長年の権力争いから解放されてすっきりしたといっていた。
さらに、近年のデバンド公爵家当主であるダニエルが権力に執着する上に曲者なのも相まって、中立派も相当に苦労したと聞く。
応接室に通され豪奢な長椅子に座っていたエルミールは、煩い心臓を抑えつつそっと細く息を吐きだす。
(大丈夫よ、私が帰宅していないことはすぐにアルベール様に伝わるはず)
なにしろ贔屓にしている服飾店の店員たちが青い顔で見てみていた。
彼女たちから連絡が言っている可能性は十分にある。
アルベールは今日は登城せず邸宅で仕事を片付けるといっていたので、連絡さえ届けば必ず助けに来てくれる。
背を伸ばし顎を引き、凛と前を見据える。
出された紅茶や茶菓子にも何が盛られているのかわからないので手を出すことはしない。
暫くじっと待っていると、応接室の扉が開かれた。
重厚な扉からは五十代半ば程度の男が姿を見せる。
白が混じった髭を蓄えた男の顔はエルミールですら知っていた。
デバンド公爵家当主ダニエルだ。
エルミールはソファから立ち上がり、ドレスの裾を持ち上げ軽く頭を下げる。
「お初にお目にかかります、ダニエル公爵」
「儂の名を知っておるか、バーデル公爵夫人」
「名声はかねがね」
頭を上げ、姿勢を正したエルミールのローテーブルを挟んだ対面のソファにダニエルが腰を下ろす。
エルミールも倣ってソファに腰掛けなおした。
対面で向かい合い、微笑みを湛えるダニエルを見つめつつ静かに呼吸を整える。
「噂には聞いておりましたが、流石アルベール公爵の目に留まったご婦人だけある。美しいですな」
「過分なお褒めの言葉、ありがとうございます」
「さて、この屋敷にのこのことついてきた貴女は賢い人なのかどうか――大変気になりますなぁ」
案に愚かだと揶揄され、喧嘩を売られた。
理解しつつも表情を変えることなく、エルミールはたおやかに笑って見せる。
微笑みで油断させ、情報を引き出せるだけ引き出すのだ。
少しでもアルベールの助けになるために。
穏やかに微笑みながらも口は閉ざしたままの彼女をどう判断したのか。
ダニエルは軽やかな口調で語り出す。
「いやはや、アルベール公爵には大変困っているのですよ」
ダニエルの落ちくぼんだ瞳がぎらりといやらしく光る。
不穏な色を察しつつ、笑みは崩さない。
笑顔は淑女の武器だと、エルミールは母から教え込まれている。
アルベールに嫁ぐ前夜にだって、困ったら常に笑っていなさいと、笑顔は貴女を守るわ、と強く言い含められた。
母の教えに従い微笑み続ける彼女の前で、言い返さない様子に気をよくしたらしいダニエルはぺらぺらと喋り続けた。
「先妻は良き淑女でした。だが、あの家は先妻が生んだ男児であるフランシスを跡取りと認めないなどと戯言を抜かす始末だ。全くもって困ったものですなぁ」
前当主だけではなく、王家からも圧をかけられている。フランシスが口にした情報が間違っているはずがないので、ダニエルが知らないのかあるいは無視して都合が悪いと隠しているのか。
後者だと判断しつつも、上げた口角は降ろさない。
「本当に困ったものだ。――あの女さえ生きていれば、バーデル公爵家は儂のものだったというのに」
「っ」
息を飲んだエルミールの内心で怒りの炎が燃える。二人の苦悩を知るからこそ、許せなかった。
ようやく表情を僅かに変えたことに、ダニエルが笑みを深める。
失敗したと悟り、すぐに笑顔の仮面を被りなおす。
ダニエルの笑みはエルミールと違い、人の悪い笑みだ。いいや、人を陥れるための笑みである。
それを浮かべて、ダニエルが嗤う。
「だから貴女は邪魔なのですよ。中立派をうたっておきながら、軍閥に属したアベジェール家のご令嬢。不幸を運ぶ黒猫令嬢などと言われておるから、どんな不幸を奴に運んでくれるのかと様子を見ておれば、そのような気配もない。使えん裏切り者だな」
とうとうエルミールを公爵夫人とも呼ばなくなったダニエルにエルミールが眉を顰めると、彼は嫌らしく嗤う。
「大人しくフランシスと関係をもって引っ込んでいればいいものを。悪あがきばかりしおって」
リンダの背後にはやはり別人がいた。
裏で糸を引いていたのはダニエルだったのだ。
そして、それを口にしたということはエルミールをこのまま邸宅から出す気がないということでもあった。
「儂はな、アルベールに落ちぶれてほしいのだ」
アルベールを呼び捨てにし、とうとう本心を隠さず口にしたダニエルにエルミールは怯えるどころか、逆に綺麗に笑って見せる。
アルベールへの愛情とフランシスへの信愛を動力に内心で燃える怒りが、普段は大人しい彼女を強くさせていた。
ドレスの下で足は震えていたけれど、淑女のドレスの下など確認できるはずがないのだから、見た目だけでも強気でいなければならない。
「気が触れたか」
「いいえ、本心から喜んでおります」
なにしろここまで情報を喋ってくれた。エルミールが無事にアルベールの元に戻れれば言い逃れは出来ない。
内心は隠したままにこりと微笑み告げた彼女の様子に、眉間に皺を寄せたダニエルがそれでも不敵に笑う。
「フランシスが失敗したのであれば、他の男でも構うまい。――入ってこい」
ダニエルがそう告げると、扉の外から様子を伺っていたらしく鎧を脱いだ軽装の騎士たちが数名室内に踏み込んでくる。
にやにやと喜色の悪い笑みを浮かべたデバンド家の私兵たちに、嫌悪の色を強くする。
内心は怖くて仕方なかったが、震える指先を握りこむことで隠し、強気な表情は崩さない。
「よろしいのですか? アルベール様はわたしを溺愛しています。わたしに手を出すならば――その首、落とされても文句はいえませんね?」
淑女の一番の武器の笑みを浮かべて、周囲を私兵に取り囲まれながらも凛と言い放ったエルミールの耳は微かな物音を拾っていた。
極度の緊張から鋭敏になった聴覚は、普段は拾わない音も拾っている。
遠くで響く剣劇の音、人の悲鳴、それらが耳朶に届いて助けが来たことを知らせている。
勇気を貰ってすごむエルミールの前で、ダニエルがやや気圧されたように目を見開いた。
だが、彼女とは別の意味で落ち着かない様子の男は、にたりと口角を吊り上げ、冷酷な命令を下す。
「やってしまえ!」
私兵の男たちが手を伸ばしてくる。同時に響く、愛しい人の声。
「よく耐えた、愛しの我が妻!」
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