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密貿易開始編
天災の天災による天才的な結果 その3
しおりを挟む土曜日、朝。
真幸商会シルイット店開店のためにシルイットへ向かう。
先日までに空いた時間でガルフコーストさんに話をつけて多めに現金を用意してもらっている。
店は3人に任せ、今日も一人別コースを予定している。
開店、お店を3人に任せる→
ガルフコーストさんとギルド職員を使って大量に仕入れた塩コショウを買い取ってもらう→
事務所に戻って東條召喚→
ギルドで査定が終わった塩コショウの代金を受け取る→
ギルドに紹介してもらう護衛兼荷物持ちを加えてナストゥール商会をはじめとする大店周り→
荷物を真幸商会シルイット店に置いて閉店
今日仕入れるシルイット産の商品は(東條が勝手に設立した)東京のオーダーショップMAZAKIに送られ販売される予定だ。
前回の東條の行動で、既にいくつか予約も入っているようで前のテナントを改装することで来週―――7月の頭―――にはおっとり刀で開店させるのだとか。
しかし、現金の輸送・商品の輸送は危ないし面倒だな。
………あっ、そうだ。あれを提案してみようっと。
考え事をしながら鍵を開ける。
暫くすれば3人とも現れるだろう。
異世界に時計は無く、日が昇ったら朝で日が沈んだら夜が普通。
教会にだけ時計と同じような役割を持つナニカがあるらしく16時・17時・18時の合計3回鐘が鳴る。
東條曰く18時の鐘で街の扉が閉まるのだとか。
まぁ、こちらは目安として9時開店の客が頭打ちになったところで閉店(大体15~16時頃)だ。
普段の自営業8-17時と大差ない感覚でシルイットに訪れている。真幸商会の方もシルイット店も緩やかな内容なので、最近1日空ける休息日を取っていないが身体的にも精神的にも大して疲れを感じない。
っと、発電機・冷凍庫を軽く拭きあげ稼働させる。
数日空けるとどうしても部分部分にうっすらと埃がたまるのだ。
ある程度冷えたところで冷凍庫に氷を補充、若干は溶けるがつけっぱなしにするわけもいかないのでそこは仕方ないと割り切っている。
一息ついていると
「店長―、おっはようございまーす」
元気なラッセルが一番に
「うー、……おはようございます」
少し経ってから、目が合って2拍程置いてからなんとか挨拶するデライトが。
「おはようございます。あ、ハヤトさん。おじ……ギルドマスターが準備はできてるのでいつでもどうぞとのことです。後、何か少し相談があるようですよー」
「あぁ、おはよう」
ガルフコーストさんの手伝いをしてきたのか少し遅れてミスティが。
これで3人揃っての開店だ。
軽く朝礼を行い、連絡事項を話す。
「――――といったものが自分の国では売れるようなので、関連したものを探すつもりだ。今日もだけどラッセルを中心にお店を回してほしい。余った時間があったら少しずつ外の花壇を作ってもらって大丈夫です。もし荷物が届くようだったら奥の小部屋に仕舞って下さい、その時はデライトをシフトから外して目録―――商品一覧を作ってください」
「「「はーい」」」
「と、明日はどこも休み……だったよね?」
3人に確認する。
「もしかしたら少し遅くなるかもしれないので先に今週分の給料を渡しておくよ」
テーブルにそれぞれ2日分の銀貨を置く。
シルイットでは休みの日でも給料は変わらないのが一般的らしい。
仕事は休みでも生活する日数は変わらないもんね。
代わりに有給が無いみたいだけど。
形式上、ちゃっちゃと店を開けたけどホント人任せだ。
マニュアルもルールもない現状は、前職に照らし合わせると開店して1年たたずに潰してしまう完全に融資したら駄目なパターン。
まぁ、裏でこそこそやるための目隠しになってるし、結果オーライかな。
いずれはちゃんとした商売の起点にしたいところだ。
「というわけで、後は適当によろしくお願いします。今日はする事が多いので後は任せた」
軽く敬礼を決め、言うだけ言ってさっさと店を出る。
目的もすったくれもないまま開店したら、本当ろくでもない状態だな。
後ろから店長~と聞こえていたがまた今度聞くよ、ゴメン。
急がないと事務所に戻る前に東條が来るんだ。
運が悪い事に今日は家に彩綾もいる。
放置したら何をしでかすかわからない。
―――タイムリミット恐らく後数十分。急がないと。
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