17 / 77
魔術師団研究員リズベス嬢の妹想いの兄
しおりを挟む
窓の外がだんだん暗くなっていく。冬の始まりのこの時期は、陽が落ちるのが早いのだ。
(そろそろ戻らなくてはいけないのだけれど)
リズベスは、眠っているヒューバートの顔をじっと眺めた。顔色はだいぶ良くなっている。呼吸も安定しているし、熱も下がっているようだ。
おそらくこのまま寝かせておけば、明日にはかなり良くなっているはずだ。ヒューバートのことだから、動けるとなったらすぐに仕事に戻るつもりだろう。そうならないように、兄に言づけておく必要はある。
だからそろそろ戻らないと。
そうは思うものの、リズベスは一向にそこから動けないでいた。もう少しだけ、傍で顔を見ていたい。寝顔なんて、そうそう見られるものではないのだ。
それに――
リズベスは、ちらりと視線をそこへ走らせた。冷たくて気持ちいい、と言って握られた手。それは未だにそのままの状態だ。
寝ているのだから、とそっと手を放そうとしてはみたが、まるで離れないで欲しいと言うように力を込められ頬を擦り付けてくるのだから困ったものだ。
「意外と甘えん坊ですね」
もう少しだけ、ここにいよう。
リズベスは、微笑むと再び座りなおした。
ほどなくして、部屋の扉が控えめにノックされた。返事をする間もなく扉を開けて入ってきたのは、リズベスの兄アーヴィンだ。
「あれ?リズ、まだいたのかい?」
もうとっくに帰ったものと思っていたのだろう。意外そうに言うと「なんだ、ちょっと暗くないかい?」と言って部屋の灯りを付けた。
そのままスタスタとベッドサイドへ歩み寄る。
「……ふうん?」
にやにやと笑いながらリズベスとヒューバートを交互に見て、アーヴィンは頷いた。
「ち、違いますからね!」
「何も言ってないけど」
「絶対に今何か誤解しているでしょう!?違いますからね!?」
「だから、何も誤解なんか――ああ、そういう?」
にやにやと笑うアーヴィンに憤然としたリズベスは、慌ててヒューバートの手から自分の手を引き抜こうとする。
しかし、それは失敗だった。
あろうことか、ヒューバートはその引き抜こうとした手をぎゅっと掴みなおすと、自分の方へ引っ張ったのだ。
「んん……」
眉間にしわを寄せ、ぐっと力を込めてその手を引き寄せるヒューバート。それを予期していなかったリズベスは、体勢を崩してベッドへ倒れ込んでしまう。
「えっ、な、えっ?」
何が起きたのかわからなくて、リズベスは焦った。さらに悪いことに、ヒューバートは倒れ込んできたリズベスを、もう片方の手で抱き寄せたのだ。
「!?」
焦ってジタバタするリズベスに、ヒューバートは寝ているとはとても思えないような力でさらに抱き着いてくる。そして、リズベスの胸に頬をすり寄せた。
「ちょ、ちょっと……!ヒューバートさま!?」
「おやおや」
慌てふためくリズベスとは対照的に、アーヴィンは成り行きをのんびり見ている。
「ちょっと、見てないで何とか――きゃ!?」
「……ん?」
完全にリズベスの胸に顔を埋めたヒューバートの手が、そこで何かに気付いたようにリズベスの背中を二、三度撫でた。
「……んん?」
今度は何かを確かめるように、ぎゅ、ぎゅ、と二回ほど抱きしめなおす。
「……夢にしては、リアルな」
「夢じゃありませんっ!!」
驚きの余り固まっていたリズベスは、我に返ると大声で叫んだ。
♢
「すまなかった……」
窓の外はすっかり暗くなっている。ヒューバートも暗くなっている。
リズベスはため息をついた。もうこのやりとりを五回ほど繰り返しているのだ。
「わざとやったわけじゃないんですから、もう、気にしてませんから。ね?」
「いやあうらやましいハプニングだったね」
「アーヴィン兄さま!」
「……アーヴィン」
兄が隠しもしないにやにや笑いでそう言うのが、ものすごくうっとおしい。リズベスはアーヴィンを睨みつけたが、当の本人は気にした様子もない。
「いや実際、ただのハプニングだろう?ヒューバート、リズはもう気にしてないって言っているんだから、そんなにしつこくしたら――かえって良くないよ」
ぽん、とヒューバートとリズベスの肩を叩く。
「さ、この話はこれでおしまい。リズ、おまえはそろそろ帰らなければいけないよ」
アーヴィンが、真面目な顔で言う。
「お前だってわかってるだろう。未婚の娘がこんな時間まで男の部屋にいるものじゃない」
「あ……」
リズベスははっとした。
「ごめんなさい、兄さま、ヒューバート様も……」
「ま、相手はヒューバートだし、僕が頼んだ結果でもあるからね。さ、今日は僕が送るから、大丈夫だよ」
「本当にすまなかった、俺もそこまで考えが至らなくて……」
またヒューバートが謝る。これに関してはどちらかと言えば非があるのはリズベスだ。しかし、病身の自分を気遣ってくれた結果だと思えば、ヒューバートも罪の意識を感じる。
「いや、ヒューバートのせいじゃないよ、これはリズが悪い。さ、きみはそろそろ夕食を取ってもう一回寝るんだ。明日もしっかり休めよ」
「あ、ああ……悪いな、アーヴィン。恩に着る」
「で、ではヒューバート様、失礼いたしますね」
「ありがとう、リズ」
「それじゃね」
片手を挙げて挨拶したアーヴィンに促されて、リズベスは廊下へ出た。室内は程よく温かかったが、廊下に出るとひやりとした空気が身を包む。
「ごめんなさい、アーヴィン兄さま」
しばし無言で廊下を歩いていた二人だったが、とうとう我慢できなくなったリズベスが口を開いた。
「気にしないでいいよ」
「……ヒューバート様に、かえってご迷惑おかけしてしまったわ」
「リズがヒューバートに迷惑をかけるなんて、それこそ今更だろう?」
にやりと笑ったアーヴィンが続ける。
「昔はそれこそ、迷惑かけてばかりだったじゃないか」
「うっ……」
心当たりが多すぎて、リズベスはうめいた。まだ幼かったころにやらかした数々の出来事を思い出して、顔が赤くなる。
絶句してしまった妹を、アーヴィンはしばらく横目で観察していた。アーヴィンも表情豊かな方だが、感情が表に出やすいのはこの妹の方だ。
全く隠し事など向いていない。リズベスの隠し事など、家族の中で気づいていないものはいないのだ。
父はそれでも、リズベスの意思を尊重するつもりでいる。しかし、アーヴィンはそうではなかった。
(そんなにヒューバートが好きなら、一言いえばいいんだ)
もちろん、リズベスの気持ちはわかっている。リズベスは、別にヒューバートと結婚したいわけではない。好きになってもらいたいだけだ。
でも、何故かそれを諦めてもいる。
アーヴィンは妹を愛している。もちろん、家族として。だから、リズベスが幸せになってくれるのが一番いい。
(あんなに焦がれた目で見ておいて、それでも諦められるなんて、リズは本気で思っているのかな)
小さなころからリズベスがヒューバートを愛しているのは、それを一番近くで見ていたアーヴィンが一番よく知っている。
(ヒューバートはあの目になんで気づかないんだろうね)
全く不思議でしょうがない。確かに何年かは、会う機会自体が少なかった。それでも、数少ない社交の場でリズベスの目がどれほどヒューバートの姿を追いかけていたことか。
父がリズベスの意思を尊重する限り、そちらをつついても効果はない。ならば、ヒューバートをその気にさせるしかない。
アーヴィンはふっと笑った。
(まあでも、案外遠くないかもしれないな)
最近、ヒューバートの様子がおかしいことに気付かないアーヴィンではなかった。
何があったか知らないが、ヒューバートはリズベスを「女性」として意識し始めているらしい。ヒューバートは基本的に、感情を表に出すタイプではないが、その分目には出やすい。付き合いの長いアーヴィンだからこそわかる、微妙な感情の発露。
だから、もう一押し、二押ししてやれば――案外上手くまとまるかもしれない。上手くいってほしい。
アーヴィンは、妹の幸せをこそ願っている。それだけだった。
(そろそろ戻らなくてはいけないのだけれど)
リズベスは、眠っているヒューバートの顔をじっと眺めた。顔色はだいぶ良くなっている。呼吸も安定しているし、熱も下がっているようだ。
おそらくこのまま寝かせておけば、明日にはかなり良くなっているはずだ。ヒューバートのことだから、動けるとなったらすぐに仕事に戻るつもりだろう。そうならないように、兄に言づけておく必要はある。
だからそろそろ戻らないと。
そうは思うものの、リズベスは一向にそこから動けないでいた。もう少しだけ、傍で顔を見ていたい。寝顔なんて、そうそう見られるものではないのだ。
それに――
リズベスは、ちらりと視線をそこへ走らせた。冷たくて気持ちいい、と言って握られた手。それは未だにそのままの状態だ。
寝ているのだから、とそっと手を放そうとしてはみたが、まるで離れないで欲しいと言うように力を込められ頬を擦り付けてくるのだから困ったものだ。
「意外と甘えん坊ですね」
もう少しだけ、ここにいよう。
リズベスは、微笑むと再び座りなおした。
ほどなくして、部屋の扉が控えめにノックされた。返事をする間もなく扉を開けて入ってきたのは、リズベスの兄アーヴィンだ。
「あれ?リズ、まだいたのかい?」
もうとっくに帰ったものと思っていたのだろう。意外そうに言うと「なんだ、ちょっと暗くないかい?」と言って部屋の灯りを付けた。
そのままスタスタとベッドサイドへ歩み寄る。
「……ふうん?」
にやにやと笑いながらリズベスとヒューバートを交互に見て、アーヴィンは頷いた。
「ち、違いますからね!」
「何も言ってないけど」
「絶対に今何か誤解しているでしょう!?違いますからね!?」
「だから、何も誤解なんか――ああ、そういう?」
にやにやと笑うアーヴィンに憤然としたリズベスは、慌ててヒューバートの手から自分の手を引き抜こうとする。
しかし、それは失敗だった。
あろうことか、ヒューバートはその引き抜こうとした手をぎゅっと掴みなおすと、自分の方へ引っ張ったのだ。
「んん……」
眉間にしわを寄せ、ぐっと力を込めてその手を引き寄せるヒューバート。それを予期していなかったリズベスは、体勢を崩してベッドへ倒れ込んでしまう。
「えっ、な、えっ?」
何が起きたのかわからなくて、リズベスは焦った。さらに悪いことに、ヒューバートは倒れ込んできたリズベスを、もう片方の手で抱き寄せたのだ。
「!?」
焦ってジタバタするリズベスに、ヒューバートは寝ているとはとても思えないような力でさらに抱き着いてくる。そして、リズベスの胸に頬をすり寄せた。
「ちょ、ちょっと……!ヒューバートさま!?」
「おやおや」
慌てふためくリズベスとは対照的に、アーヴィンは成り行きをのんびり見ている。
「ちょっと、見てないで何とか――きゃ!?」
「……ん?」
完全にリズベスの胸に顔を埋めたヒューバートの手が、そこで何かに気付いたようにリズベスの背中を二、三度撫でた。
「……んん?」
今度は何かを確かめるように、ぎゅ、ぎゅ、と二回ほど抱きしめなおす。
「……夢にしては、リアルな」
「夢じゃありませんっ!!」
驚きの余り固まっていたリズベスは、我に返ると大声で叫んだ。
♢
「すまなかった……」
窓の外はすっかり暗くなっている。ヒューバートも暗くなっている。
リズベスはため息をついた。もうこのやりとりを五回ほど繰り返しているのだ。
「わざとやったわけじゃないんですから、もう、気にしてませんから。ね?」
「いやあうらやましいハプニングだったね」
「アーヴィン兄さま!」
「……アーヴィン」
兄が隠しもしないにやにや笑いでそう言うのが、ものすごくうっとおしい。リズベスはアーヴィンを睨みつけたが、当の本人は気にした様子もない。
「いや実際、ただのハプニングだろう?ヒューバート、リズはもう気にしてないって言っているんだから、そんなにしつこくしたら――かえって良くないよ」
ぽん、とヒューバートとリズベスの肩を叩く。
「さ、この話はこれでおしまい。リズ、おまえはそろそろ帰らなければいけないよ」
アーヴィンが、真面目な顔で言う。
「お前だってわかってるだろう。未婚の娘がこんな時間まで男の部屋にいるものじゃない」
「あ……」
リズベスははっとした。
「ごめんなさい、兄さま、ヒューバート様も……」
「ま、相手はヒューバートだし、僕が頼んだ結果でもあるからね。さ、今日は僕が送るから、大丈夫だよ」
「本当にすまなかった、俺もそこまで考えが至らなくて……」
またヒューバートが謝る。これに関してはどちらかと言えば非があるのはリズベスだ。しかし、病身の自分を気遣ってくれた結果だと思えば、ヒューバートも罪の意識を感じる。
「いや、ヒューバートのせいじゃないよ、これはリズが悪い。さ、きみはそろそろ夕食を取ってもう一回寝るんだ。明日もしっかり休めよ」
「あ、ああ……悪いな、アーヴィン。恩に着る」
「で、ではヒューバート様、失礼いたしますね」
「ありがとう、リズ」
「それじゃね」
片手を挙げて挨拶したアーヴィンに促されて、リズベスは廊下へ出た。室内は程よく温かかったが、廊下に出るとひやりとした空気が身を包む。
「ごめんなさい、アーヴィン兄さま」
しばし無言で廊下を歩いていた二人だったが、とうとう我慢できなくなったリズベスが口を開いた。
「気にしないでいいよ」
「……ヒューバート様に、かえってご迷惑おかけしてしまったわ」
「リズがヒューバートに迷惑をかけるなんて、それこそ今更だろう?」
にやりと笑ったアーヴィンが続ける。
「昔はそれこそ、迷惑かけてばかりだったじゃないか」
「うっ……」
心当たりが多すぎて、リズベスはうめいた。まだ幼かったころにやらかした数々の出来事を思い出して、顔が赤くなる。
絶句してしまった妹を、アーヴィンはしばらく横目で観察していた。アーヴィンも表情豊かな方だが、感情が表に出やすいのはこの妹の方だ。
全く隠し事など向いていない。リズベスの隠し事など、家族の中で気づいていないものはいないのだ。
父はそれでも、リズベスの意思を尊重するつもりでいる。しかし、アーヴィンはそうではなかった。
(そんなにヒューバートが好きなら、一言いえばいいんだ)
もちろん、リズベスの気持ちはわかっている。リズベスは、別にヒューバートと結婚したいわけではない。好きになってもらいたいだけだ。
でも、何故かそれを諦めてもいる。
アーヴィンは妹を愛している。もちろん、家族として。だから、リズベスが幸せになってくれるのが一番いい。
(あんなに焦がれた目で見ておいて、それでも諦められるなんて、リズは本気で思っているのかな)
小さなころからリズベスがヒューバートを愛しているのは、それを一番近くで見ていたアーヴィンが一番よく知っている。
(ヒューバートはあの目になんで気づかないんだろうね)
全く不思議でしょうがない。確かに何年かは、会う機会自体が少なかった。それでも、数少ない社交の場でリズベスの目がどれほどヒューバートの姿を追いかけていたことか。
父がリズベスの意思を尊重する限り、そちらをつついても効果はない。ならば、ヒューバートをその気にさせるしかない。
アーヴィンはふっと笑った。
(まあでも、案外遠くないかもしれないな)
最近、ヒューバートの様子がおかしいことに気付かないアーヴィンではなかった。
何があったか知らないが、ヒューバートはリズベスを「女性」として意識し始めているらしい。ヒューバートは基本的に、感情を表に出すタイプではないが、その分目には出やすい。付き合いの長いアーヴィンだからこそわかる、微妙な感情の発露。
だから、もう一押し、二押ししてやれば――案外上手くまとまるかもしれない。上手くいってほしい。
アーヴィンは、妹の幸せをこそ願っている。それだけだった。
10
あなたにおすすめの小説
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
婚約解消されたら隣にいた男に攫われて、強請るまで抱かれたんですけど?〜暴君の暴君が暴君過ぎた話〜
紬あおい
恋愛
婚約解消された瞬間「俺が貰う」と連れ去られ、もっとしてと強請るまで抱き潰されたお話。
連れ去った強引な男は、実は一途で高貴な人だった。
【完結・おまけ追加】期間限定の妻は夫にとろっとろに蕩けさせられて大変困惑しております
紬あおい
恋愛
病弱な妹リリスの代わりに嫁いだミルゼは、夫のラディアスと期間限定の夫婦となる。
二年後にはリリスと交代しなければならない。
そんなミルゼを閨で蕩かすラディアス。
普段も優しい良き夫に困惑を隠せないミルゼだった…
「妃に相応しくない」と言われた私が、第2皇子に溺愛されています 【完結】
日下奈緒
恋愛
「地味な令嬢は妃に相応しくない」──そう言い放ち、セレナとの婚約を一方的に破棄した子爵令息ユリウス。彼が次に選んだのは、派手な伯爵令嬢エヴァだった。貴族たちの笑いものとなる中、手を差し伸べてくれたのは、幼馴染の第2皇子・カイル。「俺と婚約すれば、見返してやれるだろう?」ただの復讐のはずだった。けれど──これは、彼の一途な溺愛の始まり。
幼馴染の勇者に「魔王を倒して帰ってきたら何でもしてあげる」と言った結果
景華
恋愛
平和な村で毎日を過ごす村娘ステラ。
ある日ステラの長年の想い人である幼馴染であるリードが勇者として選ばれ、聖女、女剣士、女魔術師と共に魔王討伐に向かうことになる。
「俺……ステラと離れたくない」
そんなリードに、ステラは思わずこう告げる。
「そうだ‼ リードが帰ってきたら、私がリードのお願い、一つだけなんでも叶えてあげる‼」
そんなとっさにステラから飛び出た約束を胸に、リードは村を旅立つ。
それから半年、毎日リードの無事を祈り続けるステラのもとに、リードの史上最速での魔王城攻略の知らせが届く。
勇者一行はこれからたくさんの祝勝パーティに参加した後、故郷に凱旋するというが、それと同時に、パーティメンバーである聖女と女剣士、そして女魔術師の話も耳にすることになる。
戦いの昂りを鎮める役割も担うという三人は、戦いの後全員が重婚の認められた勇者の嫁になるということを知ったステラは思いを諦めようとするが、突然現れたリードは彼女に『ステラの身体《約束のお願い》』を迫って来て──?
誰がどう見ても両片思いな二人がお願いをきっかけに結ばれるまで──。
初恋をこじらせた騎士軍師は、愛妻を偏愛する ~有能な頭脳が愛妻には働きません!~
如月あこ
恋愛
宮廷使用人のメリアは男好きのする体型のせいで、日頃から貴族男性に絡まれることが多く、自分の身体を嫌っていた。
ある夜、悪辣で有名な貴族の男に王城の庭園へ追い込まれて、絶体絶命のピンチに陥る。
懸命に守ってきた純潔がついに散らされてしまう! と、恐怖に駆られるメリアを助けたのは『騎士軍師』という特別な階級を与えられている、策士として有名な男ゲオルグだった。
メリアはゲオルグの提案で、大切な人たちを守るために、彼と契約結婚をすることになるが――。
騎士軍師(40歳)×宮廷使用人(22歳)
ひたすら不器用で素直な二人の、両片想いむずむずストーリー。
※ヒロインは、むちっとした体型(太っているわけではないが、本人は太っていると思い込んでいる)
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる