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生真面目騎士様の悔恨
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窓の外は未だ暗いままだ。寒い時期の夜は長い。
陽が沈むころに出立してきたが、今は恐らく日付が変わった頃だろう。ヒューバートは、夜空の月の位置を確認してそう推測した。
部屋の中では、リズベスの寝息がうっすらと聞こえているだけで、他には物音ひとつしない。自分たちがここに来たときからそうだっただろうか、と考えてみたものの、余裕などなかったヒューバートがそんなことを覚えているはずもなかった。
――それにしても、自分という奴は。
時間が経つにつれ、冷静になってきた頭が自身の行動を責め立てる。
もっと他にやりようがあったのではないか。
リズベスのため、と言いながら、ただ自分の欲望を発散しただけではないか。
大きく頭を振って、ヒューバートは目を閉じた。どれだけ謝罪をしても、許されないことをしたのは間違いない。最後の一線だけは守った、などと言ってみたところで、言い訳にすらならないだろう。
少しは自分に向いている、とうぬぼれていたリズベスの気持ちとて、こうなった今ではどうなることやら。
この任務が終わったら、リズベスと会うことは二度と許されないかもしれない。そう最悪の想像をしながらも、それでも――ヒューバートの胸には、薄暗い満足感があった。
◇
「ん……っ」
「よかった、目が覚めたか」
程なくして、リズベスがぱちりと目を開いた。二、三度まばたきするその顔を覗き込み、その表情に薬の影響が残っていなさそうなことを確認してほっとする。
多少ぼんやりした感じはあるが、寝起き特有のものだろう。
「あ……れ?私、どうして……?」
んんっ、と眉をしかめ、身体を起こそうとして――リズベスは自身が下着しか身に付けていないことに気付いたらしい。ぎゃあ、と淑女らしからぬ悲鳴を上げそうになったところで、ヒューバートは慌ててその口を塞いだ。
んぐ、とくぐもった声をあげたリズベスは、はっとしたように慌てて掛け布団の中へと潜り込む。しばらく中から「えええ?」だの「なんで?」だのと声がしていたが、やがて落ち着いたのか、赤みの残る顔を布団の隙間から出した。
「……すまない、その」
「……あ、私、確か……お酒……おかしいな、あれくらいで……」
ヒューバートの謝罪に対し、掛布団にくるまったままのリズベスが呟く。こころなしか、しゅんとした様子の彼女に、ヒューバートはおや、と首を傾げた。
「覚えてないのか……?」
恐る恐る問いかけると、リズベスはううーん、と思い出すように空を見上げた。
「……あまりはっきりとは……いえ、何かすごくフワフワして、気持ちよかった……?」
むう、と考え込むリズベスの言葉は後半になるにつれて尻すぼみになり、少し顔が赤い。しかし、考え込んでしまったヒューバートはその表情の変化には気付かなかった。
もしかすると、薬の影響なのかもしれない。媚薬のような効果の他に、記憶があいまいになるような作用があるのか。いや、そうであれば自分も同じく記憶が無くなるだろう。
すると、別の薬を使われたのか……?
そこまで考えて、ヒューバートは不意にぞっとした。このような薬で純潔を奪われた女性の辿る先は、一体どのようなものになるか。
先刻、他の男に抱えられるようにして連れて行かれた女性の姿を思い出して、身体が震える。
これは、まずい。一刻も早くランバートたちと合流すべきだ。
「悪い、リズ。説明は後で全部する――今はすぐにここを出なければ」
「はっ、はい!あの、でも……」
「なんだ?」
「……申し訳ないんですが、これ……一人では着られないんです……」
手伝ってくださいますか、と真っ赤な顔をしたリズベスに乞われ、ヒューバートはくらりと眩暈を覚えた。
自分が脱がせた服を着せるのを手伝う、というのは軽い拷問だな、とヒューバートはどこかうつろな目をしながら考えた。ドレス――いや、それだけではない。コルセットを締めるところまで手伝わされたのだ。
恥ずかしがるリズベスの姿は可愛かったが、ささやかな反応がいちいち先程まで溺れていた行為を思い出させる。そんな場合ではない、と己を叱咤しながらの作業は、大いにヒューバートの精神を削った。
ドレスをどうにか着せつけ、リズベスが器用に自分の髪をまとめ上げるのを眺める。
「……上手いものだな」
「え?ああ……このくらいは、普段は自分でしていますから。なにせ魔術師団所属ですからね。自分のことは自分で、です」
「その辺りは、うちと変わらないんだな」
ヒューバートがそう言う間に、リズベスがまとめ上げた髪に髪飾りを挿す。二つ目のピンを挿そうとしたリズベスが、ふと思い出したように緑色の石がついたそれをヒューバートに差し出した。
「ヒューバート様、これ、持っていてください」
「……?俺はさすがに使わないぞ」
「いえ、これは……」
リズベスが口を開いたちょうどその時、部屋の外で何かが割れたような音が響いた。続けて、大きな叫び声と、バタバタと走る足音がかすかに聞こえる。
「まずいな」
薄く扉を開け、廊下を確認したヒューバートは緊張した面持ちで振り返った。部屋の前の廊下には異常がない。音の方向と大きさから考えても、発生源は恐らく階下。仮面舞踏会の行われていたホールで間違いないだろう。
そして、このような事態が起きたと言うことは、ランバート達の方で何か動きがあったのだ。
「リズ、こっちだ」
見慣れない廊下に戸惑うリズベスの手を引き、ヒューバートは来た時とは逆の方向へ進んだ。駆け出したい気持ちをこらえ、慎重に歩を進める。
予想通り、廊下の端には階下へと続く狭い階段があった。恐らくは使用人が通るためのものだろう。
建物の構造からして裏口のある場所に続いている、とヒューバートは考えていた。
「……ホールに向かわなくて大丈夫ですか?」
リズベスが小声で尋ねてくるのに、一つ頷くと、ヒューバートも小声で返す。
「恐らく最初の音は、ホールの窓ガラスを割った音だろう。ならば、外に出た可能性が強い。俺たちもそちらに合流できるよう、ホールの外にある庭を目指す」
「なるほど……」
外に出れば、待機していたオルトンたちが自分たちの分の剣を持っているはずだ。事前の打ち合わせ通り、全員そちらへ向かっているはずである。
「……無事でいてくれよ」
友人たちを案じるつぶやきは、リズベスの耳にも届いたらしい。握った手にぎゅっと力を込め、頷く。
「大丈夫ですよ……お兄様も、殿下も……」
ここまで気丈に振る舞っていたリズベスも、やはり不安なのだろう。安心させるように頷き返し、階段を足早に降りる。
果たして、予想通り目の前には裏口と思しき扉が見えた。
「いいか、リズ――絶対に手を離すなよ。何が起きても必ず俺が守るから」
どの口がそれを言うか――と軽い自嘲の念が沸き起こる。それを振り払うかのように、扉の取っ手に手をかけると、ヒューバートはリズベスの手をしっかりと握りしめて扉を開けた。
陽が沈むころに出立してきたが、今は恐らく日付が変わった頃だろう。ヒューバートは、夜空の月の位置を確認してそう推測した。
部屋の中では、リズベスの寝息がうっすらと聞こえているだけで、他には物音ひとつしない。自分たちがここに来たときからそうだっただろうか、と考えてみたものの、余裕などなかったヒューバートがそんなことを覚えているはずもなかった。
――それにしても、自分という奴は。
時間が経つにつれ、冷静になってきた頭が自身の行動を責め立てる。
もっと他にやりようがあったのではないか。
リズベスのため、と言いながら、ただ自分の欲望を発散しただけではないか。
大きく頭を振って、ヒューバートは目を閉じた。どれだけ謝罪をしても、許されないことをしたのは間違いない。最後の一線だけは守った、などと言ってみたところで、言い訳にすらならないだろう。
少しは自分に向いている、とうぬぼれていたリズベスの気持ちとて、こうなった今ではどうなることやら。
この任務が終わったら、リズベスと会うことは二度と許されないかもしれない。そう最悪の想像をしながらも、それでも――ヒューバートの胸には、薄暗い満足感があった。
◇
「ん……っ」
「よかった、目が覚めたか」
程なくして、リズベスがぱちりと目を開いた。二、三度まばたきするその顔を覗き込み、その表情に薬の影響が残っていなさそうなことを確認してほっとする。
多少ぼんやりした感じはあるが、寝起き特有のものだろう。
「あ……れ?私、どうして……?」
んんっ、と眉をしかめ、身体を起こそうとして――リズベスは自身が下着しか身に付けていないことに気付いたらしい。ぎゃあ、と淑女らしからぬ悲鳴を上げそうになったところで、ヒューバートは慌ててその口を塞いだ。
んぐ、とくぐもった声をあげたリズベスは、はっとしたように慌てて掛け布団の中へと潜り込む。しばらく中から「えええ?」だの「なんで?」だのと声がしていたが、やがて落ち着いたのか、赤みの残る顔を布団の隙間から出した。
「……すまない、その」
「……あ、私、確か……お酒……おかしいな、あれくらいで……」
ヒューバートの謝罪に対し、掛布団にくるまったままのリズベスが呟く。こころなしか、しゅんとした様子の彼女に、ヒューバートはおや、と首を傾げた。
「覚えてないのか……?」
恐る恐る問いかけると、リズベスはううーん、と思い出すように空を見上げた。
「……あまりはっきりとは……いえ、何かすごくフワフワして、気持ちよかった……?」
むう、と考え込むリズベスの言葉は後半になるにつれて尻すぼみになり、少し顔が赤い。しかし、考え込んでしまったヒューバートはその表情の変化には気付かなかった。
もしかすると、薬の影響なのかもしれない。媚薬のような効果の他に、記憶があいまいになるような作用があるのか。いや、そうであれば自分も同じく記憶が無くなるだろう。
すると、別の薬を使われたのか……?
そこまで考えて、ヒューバートは不意にぞっとした。このような薬で純潔を奪われた女性の辿る先は、一体どのようなものになるか。
先刻、他の男に抱えられるようにして連れて行かれた女性の姿を思い出して、身体が震える。
これは、まずい。一刻も早くランバートたちと合流すべきだ。
「悪い、リズ。説明は後で全部する――今はすぐにここを出なければ」
「はっ、はい!あの、でも……」
「なんだ?」
「……申し訳ないんですが、これ……一人では着られないんです……」
手伝ってくださいますか、と真っ赤な顔をしたリズベスに乞われ、ヒューバートはくらりと眩暈を覚えた。
自分が脱がせた服を着せるのを手伝う、というのは軽い拷問だな、とヒューバートはどこかうつろな目をしながら考えた。ドレス――いや、それだけではない。コルセットを締めるところまで手伝わされたのだ。
恥ずかしがるリズベスの姿は可愛かったが、ささやかな反応がいちいち先程まで溺れていた行為を思い出させる。そんな場合ではない、と己を叱咤しながらの作業は、大いにヒューバートの精神を削った。
ドレスをどうにか着せつけ、リズベスが器用に自分の髪をまとめ上げるのを眺める。
「……上手いものだな」
「え?ああ……このくらいは、普段は自分でしていますから。なにせ魔術師団所属ですからね。自分のことは自分で、です」
「その辺りは、うちと変わらないんだな」
ヒューバートがそう言う間に、リズベスがまとめ上げた髪に髪飾りを挿す。二つ目のピンを挿そうとしたリズベスが、ふと思い出したように緑色の石がついたそれをヒューバートに差し出した。
「ヒューバート様、これ、持っていてください」
「……?俺はさすがに使わないぞ」
「いえ、これは……」
リズベスが口を開いたちょうどその時、部屋の外で何かが割れたような音が響いた。続けて、大きな叫び声と、バタバタと走る足音がかすかに聞こえる。
「まずいな」
薄く扉を開け、廊下を確認したヒューバートは緊張した面持ちで振り返った。部屋の前の廊下には異常がない。音の方向と大きさから考えても、発生源は恐らく階下。仮面舞踏会の行われていたホールで間違いないだろう。
そして、このような事態が起きたと言うことは、ランバート達の方で何か動きがあったのだ。
「リズ、こっちだ」
見慣れない廊下に戸惑うリズベスの手を引き、ヒューバートは来た時とは逆の方向へ進んだ。駆け出したい気持ちをこらえ、慎重に歩を進める。
予想通り、廊下の端には階下へと続く狭い階段があった。恐らくは使用人が通るためのものだろう。
建物の構造からして裏口のある場所に続いている、とヒューバートは考えていた。
「……ホールに向かわなくて大丈夫ですか?」
リズベスが小声で尋ねてくるのに、一つ頷くと、ヒューバートも小声で返す。
「恐らく最初の音は、ホールの窓ガラスを割った音だろう。ならば、外に出た可能性が強い。俺たちもそちらに合流できるよう、ホールの外にある庭を目指す」
「なるほど……」
外に出れば、待機していたオルトンたちが自分たちの分の剣を持っているはずだ。事前の打ち合わせ通り、全員そちらへ向かっているはずである。
「……無事でいてくれよ」
友人たちを案じるつぶやきは、リズベスの耳にも届いたらしい。握った手にぎゅっと力を込め、頷く。
「大丈夫ですよ……お兄様も、殿下も……」
ここまで気丈に振る舞っていたリズベスも、やはり不安なのだろう。安心させるように頷き返し、階段を足早に降りる。
果たして、予想通り目の前には裏口と思しき扉が見えた。
「いいか、リズ――絶対に手を離すなよ。何が起きても必ず俺が守るから」
どの口がそれを言うか――と軽い自嘲の念が沸き起こる。それを振り払うかのように、扉の取っ手に手をかけると、ヒューバートはリズベスの手をしっかりと握りしめて扉を開けた。
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