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友達
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「へーい、愛貴どうだった?」
「…だめだった」
腕を首に回してくる幼馴染みの榊 透(さかき とおる)。
「だめだったってそれ、ちゃんと伝わってないんだろ」
くすくすと笑いながら言う透。
「いいんだ。まだこれからも光理を想い続けられる」
「可愛いねー」
「何がだ」
「2人とも」
またくすくす笑う。
「愛貴、透、腹が減った。早くご飯食べよう」
廊下で話していると、教室から光理が手招きしながら言う。
こういう仕草も可愛くてドキッとする。
「すまん。今行く」
「俺もいいのー?」
「当たり前だろ。何故だめなんだ?先約でもあるのか?」
「え、お前一緒にご飯食べれないのか?」
首を傾げる光理と愛貴。
「はぁ…2人揃って可愛すぎかよ」
透は溜息を漏らす。
「何を言ってるんだ。透は毎回聞かなくても普通に一緒に食べればいいじゃないか。友達はいちいちそんなの聞かなくても当たり前に一緒に食べるもんじゃないのか?」
「そうだね。じゃ、一緒に食べよっか」
仕方ないなぁと言いながらも嬉しそうな透。
自然と光理の隣に座る愛貴。
そして透が愛貴の前に座ろうとした瞬間、
がったーーんっ!!
「いってぇぇ!!」
地面に倒れる透。
「あ、ごめん。見えなかった」
そう言って光理の前に座る雨宮 葉月(あまみや はずき)。
「大丈夫か?透」
「怪我してないか?」
心配する光理と愛貴。
恨めしそうに葉月を睨む透だが、片手を振って大丈夫だとアピールする。
「葉月。今日は遅かったな。やはり生徒会は大変か?」
「急に招集かかるからねー」
「葉月は人に指示を出したり従えたりするのが上手いから仕方ないよな」
「愛貴分かってるじゃーん」
「おい葉月。スライディングしといて見えなかったじゃねぇよ。あと俺に何か言うことねぇのか?」
「はぁ?さっき謝ったでしょ」
「あれはノーカンだろうが」
「なにわけわかんないこと言ってんの」
愛貴の前に座った透と睨み合う葉月。
喧嘩してるのにいつも隣同士なんだよなと、毎日2人を見る度に思う。
「こら、2人とも食事中だぞ」
光理が注意する。
「ごめん光理。透がケチつけてくるからさぁ」
「なんだとこら」
「やめるんだ。ご飯は美味しく食べよう」
「わかったよ愛貴」
そう言って弁当を広げる葉月。
葉月は光理の親友で、中学からの仲だそうだ。俺も1年の頃、光理とご飯を食べるようになってから葉月とも仲良くさせてもらっている。
ちなみに、葉月は俺の気持ちを知っている。と言っても自分から言ったわけじゃない。光理に初めて告白した日、当たり前のことでもちゃんと好きだと気持ちを伝えてくれる良い奴だと、光理が嬉しそうに話してきたそうだ。その時葉月は気づいたみたいだが、光理はそんな事思いもせずに話していたみたいで思い込みはよくないとわざわざ俺に確認しに来てくれた。その時俺は伝わってなかったことが少しショックだったが、隠す必要もないし嘘をつく必要もないから正直に言った。
透と葉月は何故かいつも喧嘩ばかりしている。
でも、俺には仲良しにしか見えない。そしてそれは多分光理も同じだろうと思う。じゃなきゃ本気で止めに入るはずだし。
それに俺はこの4人で過ごす日常が一番好きだ。透と葉月が好きだ。光理が好きだ。ずっと一緒にこの4人でいられたらいいのに。そう願ったのは何回目だろうか。
「…だめだった」
腕を首に回してくる幼馴染みの榊 透(さかき とおる)。
「だめだったってそれ、ちゃんと伝わってないんだろ」
くすくすと笑いながら言う透。
「いいんだ。まだこれからも光理を想い続けられる」
「可愛いねー」
「何がだ」
「2人とも」
またくすくす笑う。
「愛貴、透、腹が減った。早くご飯食べよう」
廊下で話していると、教室から光理が手招きしながら言う。
こういう仕草も可愛くてドキッとする。
「すまん。今行く」
「俺もいいのー?」
「当たり前だろ。何故だめなんだ?先約でもあるのか?」
「え、お前一緒にご飯食べれないのか?」
首を傾げる光理と愛貴。
「はぁ…2人揃って可愛すぎかよ」
透は溜息を漏らす。
「何を言ってるんだ。透は毎回聞かなくても普通に一緒に食べればいいじゃないか。友達はいちいちそんなの聞かなくても当たり前に一緒に食べるもんじゃないのか?」
「そうだね。じゃ、一緒に食べよっか」
仕方ないなぁと言いながらも嬉しそうな透。
自然と光理の隣に座る愛貴。
そして透が愛貴の前に座ろうとした瞬間、
がったーーんっ!!
「いってぇぇ!!」
地面に倒れる透。
「あ、ごめん。見えなかった」
そう言って光理の前に座る雨宮 葉月(あまみや はずき)。
「大丈夫か?透」
「怪我してないか?」
心配する光理と愛貴。
恨めしそうに葉月を睨む透だが、片手を振って大丈夫だとアピールする。
「葉月。今日は遅かったな。やはり生徒会は大変か?」
「急に招集かかるからねー」
「葉月は人に指示を出したり従えたりするのが上手いから仕方ないよな」
「愛貴分かってるじゃーん」
「おい葉月。スライディングしといて見えなかったじゃねぇよ。あと俺に何か言うことねぇのか?」
「はぁ?さっき謝ったでしょ」
「あれはノーカンだろうが」
「なにわけわかんないこと言ってんの」
愛貴の前に座った透と睨み合う葉月。
喧嘩してるのにいつも隣同士なんだよなと、毎日2人を見る度に思う。
「こら、2人とも食事中だぞ」
光理が注意する。
「ごめん光理。透がケチつけてくるからさぁ」
「なんだとこら」
「やめるんだ。ご飯は美味しく食べよう」
「わかったよ愛貴」
そう言って弁当を広げる葉月。
葉月は光理の親友で、中学からの仲だそうだ。俺も1年の頃、光理とご飯を食べるようになってから葉月とも仲良くさせてもらっている。
ちなみに、葉月は俺の気持ちを知っている。と言っても自分から言ったわけじゃない。光理に初めて告白した日、当たり前のことでもちゃんと好きだと気持ちを伝えてくれる良い奴だと、光理が嬉しそうに話してきたそうだ。その時葉月は気づいたみたいだが、光理はそんな事思いもせずに話していたみたいで思い込みはよくないとわざわざ俺に確認しに来てくれた。その時俺は伝わってなかったことが少しショックだったが、隠す必要もないし嘘をつく必要もないから正直に言った。
透と葉月は何故かいつも喧嘩ばかりしている。
でも、俺には仲良しにしか見えない。そしてそれは多分光理も同じだろうと思う。じゃなきゃ本気で止めに入るはずだし。
それに俺はこの4人で過ごす日常が一番好きだ。透と葉月が好きだ。光理が好きだ。ずっと一緒にこの4人でいられたらいいのに。そう願ったのは何回目だろうか。
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