2 / 5
朝食
しおりを挟む
長い廊下を渡って声のする方へ進むと、何やら盛り上がっている声が聞こえる。
ちっ。
ついつい舌打ちしてしまう。
またあのクソジジイ共騒ぎやがって。どんどけ頭痛いと思ってんだ。どうせまた朝っぱらから酒でも飲んでんだろ!まじでうぜぇな!
ガヤガヤと騒がしい部屋の前に立ち、襖を開こうとした瞬間、
「龍花おねーちゃーん!!!!!!」
身体中に衝撃が走り、床に背中と頭を強打した。
「ぐぅぇ!」
我ながら情けない声を出してしまった。
目を開けると子供達が俺に抱きついたままニコニコ笑っている。
「おぅ、龍花。てめぇ進藤の長女のくせに何情けねぇ声出してんだ」
襖の中にいる身内が俺に言った。その後から次々にうるさい声が聞こえてくる。
「ぎゃははは!その通りだぜ!」
「龍花ちゃんはほんと、強ぇのか弱ぇのかわかんねぇなぁ」
「いい加減そのガキ共にも慣れてやらねぇと」
普通にムカついた。
「うるせぇな!急に飛びつかれたら誰でもびっくりすんだろうが!傍観者は黙ってろ!」
ガタイのいい男達を睨みつけ、抱きついてきた子供達に優しく声をかける。
「おぅ、俺の可愛い妹と弟達!おはよう!調子はどうだ?元気な奴は手をあげろ」
そう言うと皆元気に手をあげる。
「おはよう!龍花姉ちゃん!」
「おはよう!今日は何して遊ぶ?」
「元気だよ!龍花姉ちゃんは?」
次々と話す子供達の声を全て聞き取ることは出来なかった。
この子供達は俺が色んな場所にある養護施設から引き取った子供達だ。皆最初は心を開いてくれず、話しかけるだけでも苦労したものだ。だから俺はまず、幼稚園生から高校生までが通える学校を自分の金で建てた。
その金は″裏の仕事″で自分で稼いだものだ。一人で″裏の仕事″を完璧にこなせるようになると金なんかはすぐに稼げた。仕事をしている間は何の感情も迷いもない。
俺の家は極道だ。まだ建てられたばかりであまり知られてはいないが、″裏″じゃ聞いたことのない奴はいないくらいには有名になっちまった。おかげで色んなヤクザやら不良達から目をつけられてる。そういう奴らは十中八九、俺達を潰せば″裏″で名が広まると思ってんだろうな。間違っちゃいねぇが。
だが俺がどんだけ事業に手出してるか、どうやってその事業を大きくしてるか、誰を相手に商売してるか知ってる奴はひと握りだろう。商売ってのは時間と金と力を削り続け、人を従わせられなきゃならねぇ。そんな俺達を潰せると思う奴はただの馬鹿か世間知らずだ。
そういう訳で俺は、一般人がしてるような生活とはかけ離れた生活をしている。まぁお陰で金は稼げて将来有望な子供達を育てる事が出来る訳だが。
そんなこんなで遂には学校まで建てちまった訳だが、引き取った人数は124人とそんなに多くない。建てた場所は元々親父の土地だった所を俺が貰ったから何があっても問題はない。まぁたまに喧嘩があるくらいで他に何かある訳でもない。
親父はお人好しでそこら辺のゴロツキや行き場の無くなったヤクザを引き入れて家族にしちまうくらいだから快く土地をくれた。まぁ親父の持ってる土地の20分の1くらいだけど。
学校というからには勉強道具やら給食やら教師やら必要なもんが沢山ありすぎて苦労したが、金さえあれば環境は整えられた。
そうして今ではこの懐かれようだ。可愛がって育てるのは俺にとっちゃ何の問題もないし、むしろ家族が増えて嬉しくもある。俺は家族だけは大事にするからな。
血の繋がった弟も1人いる。そいつももちろん可愛くて可愛くて、つい甘やかしちまうが、いくら甘やかしてもわがままを言わない奴だから、めいいっぱい甘やかしてやっても足りないくらいだ。
元々は弟に俺以外の家族を作ってやる事と、進藤組の将来のために子供達を引き取った。が、いざ子供達と接してみて、育ててるとはいえ俺の目的の為だけに利用することは出来ないと早々に気付かされた。引き取った時点で家族なのだから当たり前だったのだが。
まぁこういう経緯だ。俺は子供達の頭を優しく撫で、子供達と一緒に500人は入るであろう広い部屋の中に足を踏み入れる。
ちっ。
ついつい舌打ちしてしまう。
またあのクソジジイ共騒ぎやがって。どんどけ頭痛いと思ってんだ。どうせまた朝っぱらから酒でも飲んでんだろ!まじでうぜぇな!
ガヤガヤと騒がしい部屋の前に立ち、襖を開こうとした瞬間、
「龍花おねーちゃーん!!!!!!」
身体中に衝撃が走り、床に背中と頭を強打した。
「ぐぅぇ!」
我ながら情けない声を出してしまった。
目を開けると子供達が俺に抱きついたままニコニコ笑っている。
「おぅ、龍花。てめぇ進藤の長女のくせに何情けねぇ声出してんだ」
襖の中にいる身内が俺に言った。その後から次々にうるさい声が聞こえてくる。
「ぎゃははは!その通りだぜ!」
「龍花ちゃんはほんと、強ぇのか弱ぇのかわかんねぇなぁ」
「いい加減そのガキ共にも慣れてやらねぇと」
普通にムカついた。
「うるせぇな!急に飛びつかれたら誰でもびっくりすんだろうが!傍観者は黙ってろ!」
ガタイのいい男達を睨みつけ、抱きついてきた子供達に優しく声をかける。
「おぅ、俺の可愛い妹と弟達!おはよう!調子はどうだ?元気な奴は手をあげろ」
そう言うと皆元気に手をあげる。
「おはよう!龍花姉ちゃん!」
「おはよう!今日は何して遊ぶ?」
「元気だよ!龍花姉ちゃんは?」
次々と話す子供達の声を全て聞き取ることは出来なかった。
この子供達は俺が色んな場所にある養護施設から引き取った子供達だ。皆最初は心を開いてくれず、話しかけるだけでも苦労したものだ。だから俺はまず、幼稚園生から高校生までが通える学校を自分の金で建てた。
その金は″裏の仕事″で自分で稼いだものだ。一人で″裏の仕事″を完璧にこなせるようになると金なんかはすぐに稼げた。仕事をしている間は何の感情も迷いもない。
俺の家は極道だ。まだ建てられたばかりであまり知られてはいないが、″裏″じゃ聞いたことのない奴はいないくらいには有名になっちまった。おかげで色んなヤクザやら不良達から目をつけられてる。そういう奴らは十中八九、俺達を潰せば″裏″で名が広まると思ってんだろうな。間違っちゃいねぇが。
だが俺がどんだけ事業に手出してるか、どうやってその事業を大きくしてるか、誰を相手に商売してるか知ってる奴はひと握りだろう。商売ってのは時間と金と力を削り続け、人を従わせられなきゃならねぇ。そんな俺達を潰せると思う奴はただの馬鹿か世間知らずだ。
そういう訳で俺は、一般人がしてるような生活とはかけ離れた生活をしている。まぁお陰で金は稼げて将来有望な子供達を育てる事が出来る訳だが。
そんなこんなで遂には学校まで建てちまった訳だが、引き取った人数は124人とそんなに多くない。建てた場所は元々親父の土地だった所を俺が貰ったから何があっても問題はない。まぁたまに喧嘩があるくらいで他に何かある訳でもない。
親父はお人好しでそこら辺のゴロツキや行き場の無くなったヤクザを引き入れて家族にしちまうくらいだから快く土地をくれた。まぁ親父の持ってる土地の20分の1くらいだけど。
学校というからには勉強道具やら給食やら教師やら必要なもんが沢山ありすぎて苦労したが、金さえあれば環境は整えられた。
そうして今ではこの懐かれようだ。可愛がって育てるのは俺にとっちゃ何の問題もないし、むしろ家族が増えて嬉しくもある。俺は家族だけは大事にするからな。
血の繋がった弟も1人いる。そいつももちろん可愛くて可愛くて、つい甘やかしちまうが、いくら甘やかしてもわがままを言わない奴だから、めいいっぱい甘やかしてやっても足りないくらいだ。
元々は弟に俺以外の家族を作ってやる事と、進藤組の将来のために子供達を引き取った。が、いざ子供達と接してみて、育ててるとはいえ俺の目的の為だけに利用することは出来ないと早々に気付かされた。引き取った時点で家族なのだから当たり前だったのだが。
まぁこういう経緯だ。俺は子供達の頭を優しく撫で、子供達と一緒に500人は入るであろう広い部屋の中に足を踏み入れる。
0
あなたにおすすめの小説
疑惑のタッセル
翠月 瑠々奈
恋愛
今、未婚の貴族の令嬢・令息の中で、王国の騎士たちにタッセルを渡すことが流行っていた。
目当ての相手に渡すタッセル。「房飾り」とも呼ばれ、糸や紐を束ねて作られた装飾品。様々な色やデザインで形作られている。
それは、騎士団炎の隊の隊長であるフリージアの剣にもついていた。
でもそれは──?
一条さん結婚したんですか⁉︎
あさとよる
恋愛
みんなの憧れハイスペックエリートサラリーマン『一条 美郷(※超イケメン)』が、結婚してしまった⁉︎
嫁ラブの旦那様と毒舌地味嫁(花ちゃん)....とっ!その他大勢でお送りしますっ♡
((残念なイケメンの一途過ぎる溺愛♡))のはじまりはじまり〜
⭐︎本編は完結しております⭐︎
⭐︎番外編更新中⭐︎
~春の国~片足の不自由な王妃様
クラゲ散歩
恋愛
春の暖かい陽気の中。色鮮やかな花が咲き乱れ。蝶が二人を祝福してるように。
春の国の王太子ジーク=スノーフレーク=スプリング(22)と侯爵令嬢ローズマリー=ローバー(18)が、丘の上にある小さな教会で愛を誓い。女神の祝福を受け夫婦になった。
街中を馬車で移動中。二人はずっと笑顔だった。
それを見た者は、相思相愛だと思っただろう。
しかし〜ここまでくるまでに、王太子が裏で動いていたのを知っているのはごくわずか。
花嫁は〜その笑顔の下でなにを思っているのだろうか??
【完結】ハメられて追放された悪役令嬢ですが、爬虫類好きな私はドラゴンだってサイコーです。
美杉日和。(旧美杉。)
恋愛
やってもいない罪を被せられ、公爵令嬢だったルナティアは断罪される。
王太子であった婚約者も親友であったサーシャに盗られ、家族からも見捨てられてしまった。
教会に生涯幽閉となる手前で、幼馴染である宰相の手腕により獣人の王であるドラゴンの元へ嫁がされることに。
惨めだとあざ笑うサーシャたちを無視し、悲嘆にくれるように見えたルナティアだが、実は大の爬虫類好きだった。
簡単に裏切る人になんてもう未練はない。
むしろ自分の好きなモノたちに囲まれている方が幸せデス。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
もしもゲーム通りになってたら?
クラッベ
恋愛
よくある転生もので悪役令嬢はいい子に、ヒロインが逆ハーレム狙いの悪女だったりしますが
もし、転生者がヒロインだけで、悪役令嬢がゲーム通りの悪人だったなら?
全てがゲーム通りに進んだとしたら?
果たしてヒロインは幸せになれるのか
※3/15 思いついたのが出来たので、おまけとして追加しました。
※9/28 また新しく思いつきましたので掲載します。今後も何か思いつきましたら更新しますが、基本的には「完結」とさせていただいてます。9/29も一話更新する予定です。
※2/8 「パターンその6・おまけ」を更新しました。
※4/14「パターンその7・おまけ」を更新しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる