一人ぼっち代表取締役

翠華

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3年生

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高校に入って3年目。

クラス名簿を見ながら1人危機感を覚える。

学校で2年間共にした生徒の中に俺が友人と呼べる存在は1人もいない。

まずい…これでは俺が一生友達の出来ないぼっちみたいじゃないか!

幼稚園から高校3年になるまで1度も友達が出来なかったのはかなり問題だが、過ぎた事だ。

しかし!

高校卒業までにはさすがに友達作りたい!俺だって好きでぼっちやってるわけじゃない!

今の1,2年には奇異の目で見られ、同級生からはぼっちと名付けられ、教師からはもっと周りと関わるようにとしつこく言われる。

毎日がストレスを育てる肥料のようだ。

こうなったら俺だけの会社をつくろう。大人は社会に出ると何かしらの会社に入って労働するのが普通だ。

面倒くさくても自分の生活の為だと思えばやり遂げられるはず。

ブラック企業にして卒業までの1年で退職する事を目指せば多少プライドが邪魔しても大丈夫だろう。

よし。決まりだ。

社訓は「真剣・誠実・愛情」。

人間関係には愛がないと成り立たない事もあると聞く。人間は難しい生き物だ。

経営理念は「優しさとプライド少しを忘れず、努力し続け、面倒くさくても卒業までに友達5人つくることを目指します」

でいいだろう。

人として優しさは大切だ。それにプライドがなくなると俺ではない気がする。

友達5人でも俺には大仕事だ。

今日から俺はブラック企業の代表取締役として1年退職を目指すぞ!

キーンコーンカーンコーン。

クラス名簿を見ながら1人拳を天に突き上げ、初日遅刻が確定した。
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