すれ違った相手と恋に落ちました

獅月 クロ

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番外編

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もしかしたらこんな変装しなくても潜入出来たんじゃ無いかと思う 

いや、もしかしたらじゃない必要ないんだと分かった時には遊馬へと指示を出し歩く不利をしカジノの様々な場所に盗聴器をセットした

「 此処に居る連中の半分以上は質が悪い 」

「 そうなんっすか!? 」

「 もしかしたら殆どだね。個人での2000人は入れる豪華客船を所有してるなんて日本で颯含め数人ぐらいしかいないでしょ 」

「 颯さんも持ってる事が驚きなんっすけど.... 」

カジノをやってる中央から端に離れた場所にて酒をのみながらトランプをいじって遊ぶ俺は馬鹿らしいと思えてきた

「 この客船を何処かで見た事あると思ったら、ラスベガスにカジノのキングと呼ばれてる男に一人娘いるんだけど。クインテット・ゴッデス号 クインテットとは5を意味する、所有する中で5番目って事だよ 」

ハートのキングをテーブルに置き、その横に残りの4枚の種類のクイーンを並べ、その中の一枚であるハートのクイーンを持つ

「 ゴッデスは英語で女神、愛する一人娘に渡すプレゼントとしてキングはこの船を与えたんだよ。女神と名のついた船をクイーンにね 」

「 ....そのキングの娘さん?が何故、悪い奴と御客として招待してるんですか  」

その辺りは考えてと思うんだけど
今日は地道に調査するのから調べるのまで全部、実技のお勉強として丁寧に教えていく

「 そりゃ、お金持ちの娘さんがやることなんてその地位を使ったお金儲けか又は誰かに唆されたか.... 」

前に俺の仮の両親が、騙されるとは知らず颯の父親に株を売りそしてその半分以上は倍となって返ってくると信じて、詐欺にあった

まだあれは株による詐欺だけど、今回のは技術を売買する国絡み

一人二人の命で済む話では無くなってることを娘さんは知ってるのだろうかと疑問になる

「 もし促されたら止める必要がありますね 」

「 それは警察の仕事なんだけどな。俺達の目的はあくまでも取引同士の人物の情報収集だよ 」

海軍が居た辺り、日本警察も海軍もまた賄賂をもらって黙ってるのか、それともほんの観光ついでにやって来たお嬢様の極楽かと思って放置してるのかは....きっと後者だ

海軍は海上の安全を守る程度に雇われた数人程度、この人数を守るには警備ががら空きすぎる

「 いや、待て.... 」

「 どうしたんですか? 」

「 もしかしたら.... 」

ある仮説が浮上し、盗聴器がバレないかの見張りをしてた為にその場に遊馬を置き去りにしカジノから外へと出た

辺りに人気のない通路へとやって来た俺は、陽妃からのメッセージに返せないことに申し訳なく思いながらある人へと通話をかけた

「 颯?ちょっと気になる事あってさ。時間ある? 」

" 手短にな、なんだ? "

「 颯なら豪華客船乗ってたら警備何人配置する? 」

スマホを肩と耳で固定しポケットにいれていた人物の描いた紙を数枚捲りながら顔を確認していく

" ウェイターに見せ掛けて200人。警備の姿をしたのが100人、後は逆に紛れさせて300人。2000人の船なら、500人は警備に使わす "

「 やっぱりそうだよね。可笑しいと思ったんだ 」

" なんだ? "

「 警備が200人もいないんだ。一般人に紛れてるのかな.... 」

流石に新人の警察とかを含めて海軍の顔を全て把握してるわけじゃない
俺が知ってるのは悪名高い人達やそのグループに所属する幹部や、名前を聞く部下のみ
新顔さんは正直分からないと言えば、電話越しで颯は鼻で笑った

" 俺なら足音や服の擦れる音で警察か一般か、悪人か判断できるがな? "

「 俺は君ほど耳はよくないからね.... 」

" その為に、俺の愛犬を迎かわせた筈だが? "

「 へぇ? 」

愛犬、颯が首輪を着けてまで可愛がってるのならそれだけ彼の技術と同じものを学んでるのだと察した

" 我が愛犬は有能だ。コキ使ってやれ "

「 はいよ 」
 
話しは一旦終えたのだが、其処で颯は少し待てと俺に言ってから敢えて電話越しにまで分かる程、大袈裟な演技をした

「( 陽妃は知りたがりかな )」

きっと盗み読みされるように連れてきた秘書さんの電話がかかってくれば、陽妃が立ち去ったと同時に二人は本心を告げる

" 情報を引き出すだけ引き出して殺せ。許可する "

「 拷問は得意じゃないけど、分かったよ。それじゃ終わったらまた連絡するよ....殺せね。この状態で....? 」

きっと逆の言葉だとは分かる
俺達の素性がバレる事なく事を荒立たせず情報を探って引き出せと言ってるのだろ

黒澤さん声からして、かなり今回の内通者が居たことに機嫌が悪いと分かる

スマホを置き一つ息を吐いてからひとりぼっちで寂しがっていそうな、颯の愛犬の元に行くことにした

「 せんぱぁぁい.... 」

「( あ、ワンコ )」

変装してても分かるほど、うるうるに瞳を涙で溜めて走って来たこの子のはまさにワンコだった

なら、犬らしく犯人の匂いは分かるだろね?
 
「 君の実力を見るよ。顔を見ずに警官と悪人を見抜いて分別してみて 」 

「 俺、嗅覚と耳がいいんで任せてください! 」

うん、やっぱりワンコだ

でも颯が来させた位には期待させて貰おうかな
今回はこの子が居るから楽かもしれないと心の中で5秒だけ期待した

「 うぅ、匂いが混じってわかりません....鼻が曲がる.... 」

「 今から海にでも落とそうか?ん? 」

颯、この子にはもう少し訓練を積ませよう


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