淡い瑠璃唐草の如く

獅月 クロ

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いつもより熱くて、瑠璃が余裕がないような顔を向けて、何度も腰を揺すりながら口付けを交わす事に俺もまた興奮していた。

理性的な涙を流し、首に抱き着きながら受け入れていれば、彼は舌先を外し耳元へと顔を寄せた。

「 はぁー……っ……。中に出して…いいか。いきそ…… 」

「 ぁあっ、ぁ、んっ、いいよ、中に…ちょうだい……ぁ!アッ…ッ…! 」

「 あぁ、だす…… 」

いつもなら何度も行われる行為に戸惑って否定してしまっていけど、今日は頑張って耐えていれば瑠璃はやっと欲を吐き出せるまでになってくれた。
確かに此処までが永いって思うぐらい俺の方が、何度も頻繁に達したけれど、今の彼の余裕の無さに嬉しくなる。

開いていた脚を閉じて、彼の腰へと回してしっかりと腕と共に抱き着けば、深く挿入して揺する感覚に、声は漏れる。

「 アッ!あっ、あっ! 」

「 はっ、っ…く……ッ…… 」

「 ッ~~!! 」

突き上げた瞬間、彼の身体は硬直したのと合わせて、中へと吐き出された熱いものを感じれば、俺もまた空達しをしてしまった。
直腸は求めるように肉棒に吸い付いてしまい、身体を震わせていれば、少しじっとしていた瑠璃は、顔を動かし頬へと唇を押し当てた。

「 はっ……蘭。すげぇ、大量に出たから…分かるんじゃないか…? 」

「 んぅ、ンッ…分かる……。精子、あるの… 」

熱いものが彼が動く度に肉壁に擦り付いて来るのは実感出来て、恥じらいで顔が火照り、滲んだ汗を垂らせば、瑠璃は太腿から腰を撫でては目線を絡ませた。

欲を含む視線と目が合えば、腹下がきゅっと閉まる感覚になる。

「 こんなに出したのは久々だ。御前が愛らしいから興奮してる…… 」

「 っ!俺は……遅咲きなのに…… 」

「 そんな訳あるか。その内、俺色に染まる若葉さ 」

既に瑠璃の色に染まるぐらいには夢中だし、色んなことをこの身体に教えこまれている。
瑠璃以外には無理だと思うぐらいだ。

湿り気のある髪に触れ、自ら浅く口付けを落とせば、瑠璃は口角を上げ額へと口付けを落とした。

「 客に抱かれた後、消すように抱いてやるから頑張れ……。俺ぐらいになれば、客を選べるようになる。それまでの辛抱だ 」

「 ん…… 」

俺は、いつか瑠璃と同じぐらいになる為に他の客と寝る必要がある。
しこたま酒を飲ませて潰させれるなんて、色仕掛けは持ち合わせてないから、その場を乗り切るやり方を知らない。

今から教えてもらっても遅いからこそ、この一度限りは諦めるしかなかった。

俺には瑠璃がついている、そう思って客の相手をするんだ。

「 君が、筆下ろしをして欲しい子なんだね? 」

「 どうぞ、宜しくお願いします 」

もう、初体験は瑠璃がヤッてくれたからこそ如何でもいいと思えるようになった。
深々と頭を下げれば、俺より四十以上は年上の男は笑った。

「 よいよい、容姿は申し分ない。可愛がってやろう 」

「 はい、旦那様 」

触れられる手が余りにも気持ち悪くて、
只、吐き気を抑えながら受け入れた。

瑠璃の言った通りに慣らす手順なんてなくて、脚を開き割り入って来たときには、ずっと瑠璃の事を考えていた。

「( 瑠璃の方がキスも上手いし、陰茎も太くて大きいや…… )」

涎まみれのキスよりもずっと上品で気持ちいいものが瑠璃にはある。

だから、瑠璃は先に何度も経験させてくれたんだなと思った。

客との行為が終え、
一人で風呂に入った後、休憩することもなく瑠璃の元へと向かった。

「 瑠璃!抱いて!! 」

「 嗚呼、よく頑張ったな。沢山、抱いてやるよ 」

俺は慣れるまで、いや…慣れてもきっと瑠璃の元に行くのだろう。

彼が甘やかしてくれるから、その優しさに包み込まれて抱かれることを喜ぶんだ。

「 あぁ、るり……だいすき…… 」

「 俺も好きだよ…蘭 」

君の身体にある消えない病を見てみぬふりをしながら、俺はこの一時を夢として刻むんだ。

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