女王蜂転生〜 色彩の書 〜

獅月@体調不良

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別ルート

二十五話 発情期は大変

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「 では、次の訪問者ですが…… 」

『 はぁー……パコりてぇ~…… 』

「「 ………… 」」

女王蜂の玉座に座る俺は、今来た訪問者の顔なんて覚えてるはずがない
頭の中に巡るのは腰を打ち付けて種付けしたいと思う、本能が勝りどうでもいい奴なんて眼中には無い

其よりも、ネイビーやサタンを含めてここ最近、立て続けに行為を行っていた為に、それがピタリと止まれば欲求不満で仕事?に気が向けれない

『 パコりてぇ…… 』

「 ルイ様も、やっと女王蜂として目覚めたのですね!このハク、とても嬉しいです 」

片手で次の訪問者を来るのを止めさせたハクは、分厚い拒否リストを抱き締め笑顔を向けてきた
その表情を見れば疼くが、卵を抱えてる雄を犯す気にはなれない 

『 ……嬉しいもんなの?俺はこんな欲求不満になるなんて、嫌なんだが…… 』

「 いえ、それが女王蜂です!その疼きをどうか、他の雄に与えてくだされば子孫繁栄し我が国も大きくなります!」

『 清々しいよ……ほんと…… 』

ハクの清々しい程に、国の為と言う言葉に溜め息は漏れる
別に国の為に疼いてパコりたい訳では無いのだが、彼等からすれば無駄に卵子を出すより、雄に植え付けて欲しいのだろ
俺達の会話を聞いていた、階段の下にいるネイビーは頷き、視線を向ける

「 そこまで繁殖したいなら、雄を誘えばいいだろ。貯精嚢に入れるだけ入れて、放置すりゃいい。何故しないんだ? 」

『 ……ヤるならイケメンがいい 』

「 面食いですね 」

だって我が子だし、行為をするならやっぱり顔やら声が好きにならなきゃ発情はしない
そりゃ、匂いを嗅げば一発なんだろうがやっぱり見た目って大事だと思うんだよな

やれやれとばかりに溜め息を吐いたハクを横目で見てから、立ち上がる

『 そうだ、御前達が…… 』

「 却下。御前の種を無駄にするな 」

「 えぇ、交尾は嬉しいですが外に吐き出されるのは勿体無いです 」

『 ……全国の自慰してる野郎に言ってやれ 』

やっぱり卵を抱えてる雄ってのは、ちょっと冷たいよな
自分は受け取って満足してるからそこまでヤらなくても発情しないし、

その点……俺は自慰したところで、放つことが出来ない身体だと経験済みだから相手が必要
陰茎擦って放てばいいだけ、なんてできたら良いのだが……欲は中でしか無理
それは孕ませたいと本能で感じないと、吐き出せないからだ

あぁ、なんて面倒な身体なんだと思いながら
ふてぶてしい表情を浮かべ玉座へと座り直す

「 そう怒ることも無いだろ。雄を誘う、繁殖をする、種付けをする。それだけの事だ 」

「 そうですよ、私達と同じ様に孕ませるだけです。雄は卵を抱えてる時が一番、存在理由が知れて嬉しいのですよ。御腹の下がポカポカしますし 」

「 嗚呼、異物がある感覚は嫌いではない 」

御互いに腹下を撫でる様子を見てると、思う
二人とも二つ目の卵を抱えてるんだよな

こうやって見ると、異様な光景だと思うが
それが自分の兄だった人達が……と思うと尚更だ
俺はお姉さんでもお兄ちゃんでもなく、一番末っ子だなんて……

『 はぁー……そう簡単に言うなよ。俺にも好みってのが有るんだよ 』

好み、と二人とも呟いていればバタバタと足音が聞こえ三人で視線を玉座の裏側にある入り口へと向ける

「 母さん!ハクさんの、卵にヒビ!! 」

『 おぉ、やっとか! 』

ルビーの言葉と共に今行くと告げ、玉座から下りて俺とルビーは飛び、二人は走って着いてきた

やっぱり卵が割れる瞬間っていいよな、特にハクの子は逆子だったから心配してたんだ

卵が生まれて三週間目、やっとヒビが入った事に安堵しては卵のある部屋へと行き、テーブルの上に敷かれた毛布の上にある、真っ白な卵を見る

『 なんでネイビーも着いてきてんだ? 』

「 ……何となくだ 」

「 フフッ、二つ目ですもんね。まだまだ気になりますよ 」

「 わっ、わっ、ボクの弟だよ!けらいにする 」

『 家来にはするな…… 』

働き蜂は生まれた瞬間で分かると言うが、家来にはして欲しくない
出来れば弟として色々教えてほしいと告げれば、ルビーは俯き少しだけ残念そうにしては、其々を卵へと視線を向ける

既に内側から割っていたのだろ、ピキッと密かな音と共に飛ぶ殻に息を飲む

『 頑張れ…… 』

ヒヨヒヨと中から雛のような声が聞こえ、今回もルビーのような鳥だろうかと期待を持ちじっと見詰めていれば、割れる殻は止まった

『 ……えっ、大丈夫なのか? 』

「 問題ない。此処まで割ってるなら直ぐに生まれる 」

『 なら、いいんだが…… 』

「 卵って!?俺も見る!! 」

おや、アラン登場
騒ぎに聞き付けてやって来たアランはテーブルを挟んで俺達の前から見れば、卵を前方面から見る俺達に気付いたのか、中身の子は動こうとしない

「 ……シャイなんじゃ無い? 」

『 マジか……そんなのあるのか、なら、ちょっと雄達離れろ 』

えー、と言うブーイングのような表情を向けられたが、素直に三人は二歩後ろへと下がり、ルビーもテーブルの下に身体を下げ、目線だけ向ければ
俺は片手で殻を突っつく

『 ほら、出てこい……。母さんにその姿を見せてくれ 』

動かなかった卵は声に気付いたように、ヒヨヒヨと鳴き始めてまた卵を押し上げていく
上の部分が何度か動き、割れ目がハッキリと見えればお尻の方から姿は見えた

「「 !! 」」

『 ふぁ…… 』

割れた卵から出てきた真っ白な身体は濡れ、今回は早々にハクが乾かせば、魔物は身体をふらつきながら立とうとする
ヒヨヒヨと鳴く声と共に、懸命に四本足を子鹿のように震わせ、腰から生える白い羽を広げていく

「 こいつ……角がある……雄か? 」

「 私の子が魔王クラスになるのかも知れないなんて……嬉しいですね 」

そう、ルビーとは違った白い飾りのような羽を広げてバランスを取る魔物には、牛の角のような洞角が額と横側の三本生えて太さもある
まだタケノコの先端が生えた程度だが、それでも立派になりそうな角に期待はあるが、その見た目がなんといっても可愛い

『 ンンッ!可愛いなぁ~……フェニックスみたい 』

マズルが短い丸みを帯びた狐顔、けれど耳は鳥羽みたいで、尻尾は蛇のように長く先に羽根の飾りがついてる
あれだな、可愛い系のドラゴンみたいだと思っていればヒヨヒヨと鳴きながら、魔物は見上げてきた

『 ふふっ、御前はそうだな……パール。宜しくな、俺の可愛い、我が子 』

「 ヒヨッ! 」

「 パール!ボクは、お兄ちゃんだよ! 」

「 私が父親ですよ。フフッ、可愛いですね 」

銀色のパール色の瞳を大きく開き、其々に顔を見てちょっと驚いたのか身を縮める様子はなんといっても可愛い

「 ……魔物って、こんな風に生まれるんだ……卵から狐みたいなのが生まれるなんて……ちょっとびっくり 」

「 ボクも、こう生まれたんだよ! 」

「 ルビーは分かるよ?殆ど鳥だし 」

「 えぇ…… 」

感心するようなアランの言葉に、俺はパールを撫でてから立ち上がり、笑みを向ける

『 そうだろ?卵から産まれるんだ。どんな姿なのかは分からないのがまたいいよな 』

「 そうだね、俺の子はどんな子かな…… 」 

アランは自らの腹に触れ呟けば、ルビーはハッと我に返り働き蜂としての本質を思い出す

「 あ!ボク、パールに肉団子持ってくる!作ってたんだ~! 」

「 えぇ、頼みますね 」

「 はーい!しっかり御世話するから任せて! 」

急いで離れたルビーを見てから、其々でまたパールへと視線を落とせば臆病で人見知りがありそうな子は、殻の中へと戻ろうとする

『 隠れなくてもいいって、誰も御前を食ったりしないから 』

「 ヒヨッ…… 」

身体をそっと掴み両手でだけば、案外小さくて手の平にすっぽり収まり、手の中で身体を丸める姿は可愛い

『 不思議だよな……卵はデカいのに、産まれてきたらその半分もない 』

「 殻で身を守ってますからね……でも、こんな小さく生まれるならもう少し卵も小さいほうが、嬉しいんですがね…… 」 

「 嗚呼、尻の穴が裂けるかと思うから……小さく生まれてきて欲しいものだ 」

「 待って……尻から、こんな、ダチョウの卵が出てくるの? 」

「「 嗚呼/はい 」」

それは経験者しか分からないことに俺は話についていけないが、アランは卵を見た後に尻の孔に違和感あるのか眉を寄せた
そりゃそうだ、こんなダチョウの卵が尻の孔から出てくるなんて思えば俺も嫌だ

経験者二人は、そんなアランの肩に触れる

「 そう心配するな、デカい便を出す感覚だ 」

「 えぇ、頑固で硬い大きな便です。出した後はスッキリしますので 」

「 もっとやだ……ルイ~…… 」

『 まぁ、その時は俺も付き添ってやるから…… 』

「 絶対だよ!産むとき絶対だからね! 」

二人から離れて背後から抱き締めてくるアランに、羽を押し付けないようにしてるのが分かるが、二人の視線は痛い
片手でパールを抱き、その頭を撫でていれば彼の馬の尻尾は揺れ動く

「 確かにルイ様が居てくださると産みやすいですね 」

「 流石、女王蜂……苛つかないよう必死に力を入れるから踏ん張れる 」 

『 そっちかよ 』

ネイビー、もっと良いことを言ってくれ!
なんだよ、ちょっと期待したのに寂しいと思えば彼等は其々に笑いあった

「 パール、ご飯持ってきたよ! 」

「『 デカい 』」

後に、ルビーが持ってきた肉団子は生まれたばかりのパールにはでかすぎる程に大きな固まりだった為に、ハクはやり方を教えながら両手で抱える肉団子を手の平のおにぎりサイズへと変えていくが
その手をどうするのか気になったが、考えないようにした……

だって、巨大な虫の肉片を唾液と共に丸めた肉団子を手で毟るように取っては丸めてんだから、手を洗うのか……
いや、洗わねぇな……と納得すればパールを、世話に張り切るルビーとハクに任せて移動した

『 はぁ~あ、それにしてもパコりたい 』

「 俺は御腹の子がいるし……ネイビーは? 」

「 俺はもう拒否してるからな、他に雄が…… 」

「「 …………絶対却下 」」

『 ん? 』

二人は一人の雄を思い出したらしいが、同じタイミングで声を揃えた

そんなに嫌な雄なのだろうか?

『 この城に他に雄って居たっけ? 』

「 ……認めない 」

「 うん、認めたくない 」

『 ん?? 』

ついこの間まで無性別だった、と呟いた彼等は其々に首を振った 

そこまで嫌で認めない相手はヤらないのだが……
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