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しおりを挟む体育は散々だった
此処まで疲れた体育は3㎞マラソンぐらいの
久々だと思う
ノーブラと知った男子は、彼女が走る度に視線を向けたり
疲れた彼女にタオルを渡す争奪戦とか
もちろん、汚いからって女子が近付けなかったり
なのに俺は尽く出席番号順って事で相手をさせられるし、それに対して男子の嫉妬を向けられるのが嫌になる
「( やっと体育終わった )」
そそくさ逃げるように教室に戻って、女子が待つ前に着替えるのが男子だ
汗で濡れた体育服を脱ぎ捨てて、カッターシャツを羽織る
「 鬼嶽はいいよなー、出席番号同じだからって触り放題 」
「 勃起したんじゃねぇ? 」
シャツ着た程度で絡んでくる男子にいや嫌気がする
「 するわけない。興味ないし 」
「 またまた~男ならあんな美人ほっとかねぇって 」
「 俺なら一発は、なんて言わず彼女にしたくなるな! 」
彼女?えっ、食べきれないメロンパンを溜め息吐きながら食べるし
散々、案内したのに一言目にパンツは何色?とかデリカシーが無い下ネタぶっこんでくるし
それに、美人過ぎて一般人には見えないからそういう気にもならない
「 そういうの、本人に言えば?彼氏とか 」
「 絶対いるだろー。あんな色っぽい部分あるなら 」
「 そうそう、イケメンの年上彼氏とかいそうだよなー 」
彼氏、確かにいるんじゃないかな....
男にパンツ聞けるぐらいには慣れてるなら....
年上でイケメンの彼氏いるなら勝てない、なんて告げる男子に俺はズボンに手に取り脚をかけていく
「 あ、シルキーさん!此処は男子が.... 」
「「 えっ...... 」」
『 ...... 』
騒いでいた為に男子の着替えは確かに遅かった、だが普通なら待つ女子だから安心していたが、そんな事は一切無く
彼女は真顔で教室の扉を開いた
「「 きゃぁぁあ!!!?? 」」
『 五月蝿い 』
悲鳴は女子のではなく、男子の
まだズボンすら着てないやつも多いし、
中にはシャツを今から着るって連中もいる
声を上げて咄嗟に隠す男子に、俺は唖然となったまま動けなかった
「「 入ってくるのか!!!??? 」」
それもまた全員を一通り見た後に表情一つ変えず入ってきたんだ
流石に女子は顔を背けてるが、彼女はそのまま俺の方までやって来て此方を見るなり視線を下半身へと下げた
「 .... 」
咄嗟にズボンを上げた俺と、彼女は席に座り溜め息をついた
『 ショボッ.... 』
「「 グハッ!! 」」
此処にいる男子の殆どはハートに剣でも突き刺さった位に吐血する勢いで、心は折れた
ショボって....膨らみの大きさ?そりゃ勃起してないから....っていう理由にはならないかも知れないが
それは無いんじゃないか....
俺はどちらかと言えば鍛えてるし身長も体格だってある、なのにショボって....
「「 一時勃たねぇわ.... (鬼嶽がショボいなら俺達は芋虫だぜ....無理だ、勝てねぇ )」」
男子の心の声など知るわけもなく、俺は此だけは分かった
コイツを彼女にしたいという物好きがいたら、全力で冷めた目を向けてやるって決めた
恐らく、もうクラスメートは騒ぎはしないだろ
「 なんだ、まだ着替えてないのか?女子が困ってるから早くしろ 」
「「 先生、トイレで着替えてきてもいいっすか? 」」
「 は?馬鹿を言ってないで服を着ろ 」
堂々と着替えることが出来なくなったのは、きっと俺だけじゃない
さっさと制服に着替え終えて、少し遅れた5時限目の授業は終わった
あぁ、今日はいつもより疲れた
応援ありがとうございます!
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