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しおりを挟むバスケ部の部活が有るために、移動する俺は女子達が彼女を誘ってるのを聞いた
けれど、それを断るように彼女は一人帰っていく
無理に遊びに付き合わない辺り、人に流されないタイプなんだと思う
相変わらず、無表情に近い無愛想だがな
「 よう、鬼嶽のクラスに美少女が転校してきって噂だが、マジで可愛いか? 」
「 隣のクラスなんだけど、スゲー可愛いかったです! 」
男子の美少女や美人についての噂は早いと思う
特に肉体系でまさに、肉食系の先輩方はそう言う話が好きだ
手を出す、なんて卑劣な態度はしないのは知ってるが、敢えてその問いにこたえないのは
俺は彼女が可愛いとか思えなくなったからだ
「( パンツ聞いてくるし、ショボって言うし....メロンパン....残りどうしたのだろうか )」
鞄に入れてたのは知ってるが、残りは食うのだろうか
そんなどうでもいい事を考えてはバスケ部の連中の話を聞く
「 でも、シルキーさんどっかで見たことあるんだよな.... 」
「 見覚えがある、なんて聞いたなぁ....イマイチピンっと来なかったらしいが 」
「 AVとかエロ本に出てたり 」
「 ふはっ、高校生なんだからそれはねぇだろ 」
そう言えばクラスメートの女子も見覚えがある、なんて言ってたな
どこで見たんだろ?なんて小さな声で考えていたらしい
この情報は男子ではなく女子の方が知ってるということは、そういう方面なのだろ
いったい何処で?
「 ........ 」
二時間の部活終わりに、何気無く下着の事を言われたのが気にかかり
新しいのでも買いに男性コーナーの下着売り場へと来れば、此方に気付かないで下着を見てるシルキー・オリビアの姿があるじゃないか
「( えっ、男性用の売り場だよ?なんでいるの、此処に.... )」
制服じゃないのを見ると一度着替えてから買い物に来たのは分かる
だが、女性売り場の下着とは離れた男性用の此処にいるのが疑問になって仕方ない
『 わぁー、この柄格好いいな。こっちは可愛い 』
パンツ選んでるんだけど....
誰かのプレゼント?それなら話は分かる
でも下着をプレゼントするなんて、それも自分の好みを渡すなんて相当仲のいい恋人なんだろ
相手はどんな人だろ?年上か?イケメンか?
そんな事を考えていたら、彼女の名前が聞こえる声に咄嗟に身を隠した
「 シルキー、またこんなところにいたのか.... 」
『 あ、見てみて!どっちがいい?自分的にはこっちのスライムとコラボのが.... 』
教室にいるときや、俺と話すときと違った声のトーン
こんなにも明るい子なのか、それとも好きな人の前だけ明るくなるような子なのか
少し、何故か胸にかかる靄に違和感を覚えてそっと視線を向けた
「( 年上....それに、イケメンだ.... )」
綺麗な黒髪に、スラッとした細身だが肩幅や身長は大人の男性らしくある
20代にも見えるその横顔は、呆れながらも彼女を優しげな瞳を向けている
「 どっちでもいい、俺が買う 」
『 えっー、自分が買うのに 』
「 御前は買いすぎなんだ 」
『 あっ、待って!じゃ、こっちも! 』
パンツを奪ってレジへと行くその姿
彼女は奪われた両手を誤魔化すように男の腕へと掴まって楽しそうにしていた
「 やっぱり彼氏持ちだから、身体とか下着に慣れてるんだろうね.... 」
それなら理解できる、下手にこっちが気にすること無いじゃないか
そう思うのに....吐き気がする
「 お客様? 」
「 !!あ、これ下さい 」
「 はい?畏まりました 」
考えすぎてパンツ握り締めてたせいで買う予定が無かったカラーのパンツを買ってしまった
それも隠れてた場所がコラボのパンツが置いてある場所だからこそ、無地の俺が初めてキャラクターパンツを自分で買った
「( それも....ネズミーに登場するのキャラなんて....これは、ネズミーの犬か )」
黄色い犬のボクサーブリーフ
鬼のパンツは黄色、なんて言うがまさかこれを買うなんて
まだモノクロのゼブラ柄とかの方がマシなんじゃ無いかって思う
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