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パンツ四枚目 Vパンツ?

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昨夜にスマホの事で、彼女の父親から買い換えてやると言われた後
律儀に時間特定され、今日来るときに拾われた

スマホは大丈夫、なんて言ったが正直高校生のバイト代では直ぐには間に合いそうに無かったからよかった

それに、昨日は運よく敦士あつしが帰って来てなかったみたいで俺は机にメモ書きを残して来た

“ 水没したからスマホを買い換えてくる、連絡取れなくてごめん “って

メモを見れば心配もしないだろし

もし昨夜に帰ってきてたら心配しまくってたと思うから丁度いい
案外、兄貴らしい部分がたくさん有るからな....

『 輝夜かぐやってパンツ履くかな? 』

「 犬にパンツ履かせようとしないの。あったとしてもエチケット程度のオムツだからね 」

御店に来て最初にスマホは彼女と共にやり変えた
防水付きの最新ので、選んだ理由は彼女の父親が一番新しいので、と言ったからスタッフがオススメしたもの
何気無く彼女と同じ機種であり、今度は色違いなんだよね....
何となく気恥ずかしいと思うのは内緒だ

その後に、彼女の父親はやることを終えたと彼女にカードを渡してから何処かへ行った

彼女の選んだり買うものが長くなる事を知ってたのだろ、押し付けられたて逃げられた、と思った時には既に遅かった

『 じゃ、服! 』

「 服も夏だしいらない。其にすぐ大きくなると思うし 」

ペットショップコーナーで既に1時間は物を選んでいる、俺は彼女がカゴに入れていくものを端から元の陳列棚に戻してる役割だ

『 その度に買えば.... 』

「 必要ありません 」

『 ...... 』

そんなとても残念そうな顔を向けなくても、犬には毛が生えてるし寒い時期以外はいらないだろ

「 ハァー....夜なら反射がついたのを着せたり、海に行くならライフジャケットとかあった方がいいけど。まだ仔犬だし、必要なのは
もう少し後だろうね 」

『 じゃ、着せる日は来る!? 』

「 ....うん、その時に買おうね。今は猫用位の軽めの首輪と名前プレート。あとはケージとクッション、エサ箱とかかな 」

『 他に色々必要なのか.... 』

なんで飼い始める彼女より、ペットを飼ったことがない俺が知ってるのかと言えば
その辺の犬用のコーナーに無料の雑誌みたいな“ 犬のきもち “なんて書かれたものがあったからだ
中を見ながら必要な物を告げれば、彼女はパンツ(オムツ)やら服を諦めて他の物を選び始めた

『 水入れもエサ箱もこの星柄良さそう!あ、首輪も夜空カラーがある 』

「 いいんじゃないかな?仔犬だし、小さい頃は鈴がついてても  」

きっと直ぐに使わなくなる首輪だろうけど、うろうろする時期も早く来そうだし

昨日、家に帰ってからPCでシェパードの成長速度について見ててよかったと思う

『 ケージとか....大きいのだよなぁ 』

「 まぁ、無難に大型犬用だろうね 」

結構、色々と必要なんだと改めて思う
カートに色々を積んでからグルッとペットショップの周りを見てから、二人で犬コーナーへと脚を向けた

『 シェパードいないなぁ、柴犬ならいるけど.... 』

「 トイプードルの生後2ヶ月でこの位ならやっぱり拾った子はでかくなるんだね.... 」

小さな生後2ヶ月前後の仔犬は、拾った子より目もハッキリ開いてるし動きも活発だ

それでも何処と無く輝夜が2ヶ月頃になったのを想像すると小さいだろう

二人して話していれば、仔犬の販売する付近に立っていた店員は此方へとやって来た

「 いらっしゃいませ、家族で御選びになられているんですか?良ければ触りますか? 」

「『 家族? 』」

家族?いや、家族ではないと顔を見合わせてから言えば店員は焦ったように苦笑いを浮かべた

「 えっ、違いました?すみません。似てらっしゃたので....仲睦まじく買い物もしてたので.... 」

『 家族ではないが、会計お願いします 』

「 あ、はい。畏まりました 」

俺が断る前に彼女は会計を済ませるために、レジへと向かった
家族に見えるのか?確かに年齢は同じだから、兄弟には思われるかもしれない
だが家族って....

「 髪色が似てるからだろ。それ以外に理由はない 」

「 あ、なるほど 」

カートいっぱいに買った犬用品
俺は乗せきらなかった重いケージの入った箱を持ちながら、彼女の父親と合流すれば、先程言われた言葉を聞てみた

俺達を見てから即答で答えたあと、荷物を車に積みながら此方を見る彼は言葉を継ぎ足す

「 後は雰囲気か。まぁ、どちらにせよ兄弟はねぇな。俺はリリー以外ヤってねぇし 」

「 ...... 」

リリー、きっと彼女の母親の名前なんだろ
そうキッパリと言うなら一途なんだなって思うけど、そう言えば父親の話は聞いたけど母親はどういう方なのかな?

『 よし!帰ろう!輝夜が待ってる 』

「 嗚呼、そうだな 」

彼女の方から話すのを待つことにした
下手に検索して、困らせたくは無いからな
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