転生したら召喚獣になったらしい

獅月@体調不良

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一章 聖獣への道のり編

06

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最後まで読む前に、少年は眠りに落ちていた
ほぼ何て言ってるか分からなかった為に自分で読んだのだが
知らない文字の筈なのに読めるのはきっと
この世界に来たからだろ

短い鼻先を使ってページを全て捲り終え
読み終わった頃には一つ溜め息が漏れた

『 子供向けに良いように書いてるだけだろうな……実際は、聖獣を得ようとしてる大人で溢れてそうだ 』

絵本だからこそ実際に起こった事とは思えないが、こう言う系統の昔話は本当にありそうだ
特にこの国、世界を知らないからこそなんとなく確信があった

勇者と呼ばれる為に聖獣を探すのか、捕まえるのかは分からないが
獣からしたら傍迷惑だと思う

『 ……いつしか、って言葉が気に入らないな 』

いつしか、その間にどれだけの者が死んだのか
どんな事が起こったのか、其が気になる俺は真面目な部分があるのだろうな
歴史でも勉強した意外のことまで後々調べて、遊ぶ時間削っていたのを思い出すと
この世界の歴史なんて気にしてたらどんなに時間があっても足りなさそうだ

『 俺は、どの位生きるのだろうか……三十年ぐらいがいいところか…… 』

この少年がいつか、人間だった俺より年上になった頃に俺は寿命を迎えるのだろう
犬や猫もそのぐらいの寿命だったと思い出せば、それもまたいい
どうせ人としても直ぐに死んだのだ

『 勇者になった少年が死ぬまで傍に居た聖獣は、それからどうしたのだろうか…… 』

少年が死ぬまでってことは聖獣もまた長生きしてる
普通の獣ではないからこそ、最後まで見れたのだろ
俺は新しく生きた先で出会ったこの少年を最後まで見届けれるだろうか……

『 まずは御前の名前を知らないとな……家族が呼ぶのを聞いとこう…… 』

ペットとして暮らすなら、飼い主の名前ぐらい知っていてもいいだろ
少年がいつか大人になって、俺が可愛いげのない容姿になっても傍にいてくれるかは分からないがな……

勇者の絵本を閉じ、少年の顔の横で丸くなり眠りに付く

今日は色々、移動したりして疲れたから眠ろう
そしてまた明日、少年の様子を見ながらこの世界を知っていこうと思った

夢の中で、草原を走り回るような夢を見ていた
なんせ、この身体は走れないからな

「 おはよう、ノワール!きょうはなにしようか 」

「 ノア、遠くに行ったらダメだからね 」

「 はーい!いこ、ノワール! 」

翌朝には直ぐに分かった
ノワ・ドゥ・ウィリアム
ウィリアム家の一人っ子であり長男だ
両親は国民と呼ばれ、
父親は外に稼ぎに出掛け、母親は家事専門をしてる
縫い物をしたり洗い物をしたりと、母親らしいことをしている
其が少しだけ羨ましく思い彼等を見た後に、先に外へと出たノアを追い掛ける
昨日より身体の使い方に馴染み、軽く走れるぐらいにはなった
丸っこいボディーは相変わらずだが

「 あの獣……本当、どこで拾ったのかしら 」

「 ……それについて少し調べてみるところさ 」

『( 拾った? )』

外へと出る前に聞こえてきた言葉に脚を止め、振り返る
俺の事を言われてるのは分かるが、両親の表情からして良くないのだろ

分かりはする、この家庭が獣を商人から買う事は想像できない
それに拾ったと言うことはノアが何処からか連れてきたって事になるだろ

飼うことは賛成していても、誰かのペットだったなら心配になるものだ
どの位、俺がこの家族の元にいるかは分からないが雰囲気からして最近だな……

「 ノワール!ほら、いくよー! 」

『 ガウッ!( 今、行く )』

獣である俺が考えても仕方無いか
ノアに呼ばれたら勝手に身体が動く感じもする

彼の元まで短い手足を動かし走れば、嬉しそうに俺を抱き抱えて遊びに行く

" 見つけた "

" 間違いなくそうだろ "

胸に感じる違和感と、鼻先が痒いような嫌な匂いに全身の毛が逆立つ気もする

「 ノワール、あれが羽毛馬だよー!のったり、うもうをふくとかにするんだよ 」

『( フェザースティード…… )』

町を案内してくれる中で、見掛けた
馬小屋には商人達が連れてきたような俺の知らない馬が並んで繋がれていた

パッと見た目は馬っぽいんだが、身体には名前通りのフワフワの羽毛と言うより綿に覆われている
一言で言えば、羊のデカいバージョンに見える
只、手足と顔が馬ってだけで身体のモコモコ加減は羊そのままじゃないか
獣には興味ないが、見たこと無いのはちょっと触りたくなる……

「 ちかづいてみる? 」

『 ガウッ!?( いいのか!? )』

男の好奇心は何歳になっても変わらないな

久々に新しい本が発売した時のようなキラキラな目を向けたと思う
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