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一章 聖獣への道のり編
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しおりを挟むダンッ!!
「 御前さぁ、もう少し力を抜いてやれよ 」
『 何故だ?切り辛いだろ 』
「 そうだけど…… 」
昔とは言えないが、高校の家庭科の授業で
鶏を丸々捌いてローストチキンを作る時があった
湯をいれ羽根を毟るのからあったのだが
他の生徒が抵抗するなかで、俺は食べる為に仕方無いと、平然とこなしていれば
首を落としたところであの友達に言われた
首筋の骨があるからこそ力をいれて首を落とし、重い音を立てた程度
それにどこが悪いのかと気になった
もう死んではいるが落ちた首から繋がっていた、頭は俺を見てるように鶏の目と合った気がする
『 食べるためだろ?それに教師がいってたろ。1から調理するのも、その仕事をしてる人がいるって事を知るためだ。御前は頭のない肉ばかりに慣れたな 』
「 頭のない肉って……もっと言い方有るだろ 」
『 ないな 』
結局、全員が最後まで作り終えたが
途中で吐く者や泣き始める生徒がいるなかで
俺だけは何も思わなかった
その辺りの感情が鈍いのか、それとも人はそうやって料理して食べるってことを自覚してるのかは分からないが
教師に褒められるほど、俺は完璧に捌き終わりローストチキンにしたんだ
食べる為に生き物を殺す、それについては何も思わないのだが
ニュースで見る、気晴らしとか内蔵を見たかった程度の理由で動物虐待をする者達の思考は何一つ理解は出来ない
だから俺は動物が嫌いなんだ
人の為に生きてるのに、抵抗もできず殺される
それにどんな思いがあるのか分からない
分かろうとはしなかった
『( なるほど、怖いな…… )』
昔、聞いた音と同じ音を聞いたから
俺の思考は一瞬、そっちへと飛んだじゃないか
恐らく俺の視界に見えるのは自分の身体だった胴体
そこから広がる赤い液体は、点々と視線の端まで続いてる
ピクリピクリと密かに痙攣してる胴体を押さえつけていた兵士の手は震えていた
「 再生する様子はないか? 」
「 只の子犬ようです…… 」
ゆっくりと立ち上がった兵士
俺は虚ろに見える胴体が動かなくなっていく様子を見ていた
耳に聞こえてくるのは、ノアの泣く声
「 ノワール……。イヤだよ……しんじゃ…… 」
「 つまらん。このゴミとその者達も……殺しておけ。命令だ 」
「「 !! 」」
この王子は自分の都合の悪いことは全て口封じするのか
詰まらないのはどちらだ、嫌そうな顔を一瞬向けた兵士が剣を振り上げ動かした瞬間に
夫婦は其々に愛を囁いた
「 ノア、貴方……愛してるわ 」
「 俺もだよ……愛してる 」
無惨に人を殺すのか、随分とつまらない世界だ
涙を流し微笑んだ両親の首は地面へと落ち
飛び散る血にノアの悲鳴に、俺の胴体は僅かに動く
けれどこの状況をどうすればいいのか分からない
俺はまだ生きてるみたいだが、声を発することも
神経と肉体が離れてるから、胴体を動かす指令が送れない
『( あぁ、俺は見てるだけなのか…… )』
一緒に外に行こう、そう笑った
ついさっきまでのノアの表情は恐怖と絶望で濡れぐじゃぐじゃになっていた
鼻水なのか涙なのか分からないまま
ノアは声を失った
「 直ぐに両親の元に連れていく。すまない…… 」
「 っ…はっ…… 」
僅かに告げた、兵士の謝罪
幼い身体には似合わない剣が身体を貫き
ノアの身体は地面へと倒れた
広がる赤い血に、俺の視界は薄れ、それと同時に意識は遠退いて行く
「 これは……! 」
「 まさか……そんな!! 」
俺は冷たいのが嫌いなのだ
だから、早く暖かい場所に行きたいと願えば
頭と身体の下に突然と光る魔方陣が現れた
焦る兵士と、騒ぎを聞いてか脚を止めて振り返ったモブ王子は状況を判断したのか
青ざめた顔で駆け寄ってきた
「 待って!!そんな、知らなかったんだ!!許して欲しい!! 」
『( 許す?許すわけないだろ……御前はもっと、苦しめばいい……誰よりも……"ずっと永く"、苦しめ…… )』
魔方陣の下へと沈むような感覚と、俺の身体を包み込むような優しい両手に意識は遠退いた
聖獣を殺せばどうなるか、そんなの俺以外の奴等は知っていたのだろ
呪われると呟き、膝から崩れ落ちたモブ王子の顔はいい物だった
俺はこの、淡い光を知っている
けれどそれは直ぐに無くなり心地のいい草花の香りが鼻を掠めた
「 随分と、早いお帰りだ。氷牙 」
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