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一章 聖獣への道のり編
05
しおりを挟むルイスを探していれば
彼が居る場所を見つけた
机が並んだ教室であり、既に他のクラスメートもまた其処にいた
ルイスに何か笑うんじゃないのか、言うのではないのかと警戒しつつ、彼の足元まで来れば
教壇に立っている別の教師は、授業を進めていた
案外、授業中は静かなんだなと思い
俺の出番は無さそうだなと分かれば足元で眠りに付く
神の庭にいた頃より、睡眠が短く感じるし長くも思える
それだけあの空間は時間がないから、長いとか短いとも思えない
それに比べて人間界の此処はちょっと寝てただけで既に一日の授業は終わりを告げた
『( ふぁっ、帰るのか? )』
「 じゃな!失敗野郎! 」
「 運がいいやつ!! 」
虐めなのかそうではないのか、分からないような言葉に
ルイスは少しだけ顔を下げ紙を入れた鞄を持てば教室を出ていく
「 俺は失敗してない……聖獣を召喚して、はっ!聖獣!! 」
『( ん?走るのか? )』
走って大丈夫なのか?と疑問になるも、
何かを思い出したかの様に走り出したルイスに俺もまた後を追い掛ける
体調を心配してたが、どうやら平気そうだな
ルイスの後を追い掛けるのが容易いぐらいには、俺の足も其なりに速くなったらしい
子犬とは言えどちょっとは走れるようになる、あのやんちゃ盛りの時と同じ位か
丸っこいボディーを揺らして、走れば
ルイスは大きな扉を開き中へと入った
『( わー、図書館ってやつか? )』
ずらっと本棚が並ぶ部屋は
何万冊って有りそうな位の本の数がある
此処からお目当ての本を探すなんて苦戦しそうだなと、大学生だった俺が思うのにルイスは鞄を机に置き、直ぐに本を探し始めた
『( 真面目ってことか……。いい子だ )』
ノアもまたとてもいい子だった
その面影が残る、黒髪で茶色の瞳をしたルイスを本を選び見てる間、俺は近くで眠っていた
「 んー。聖獣についての本は見つかったけど、見えるようになる魔法とか方法が分からないな…… 」
聖獣とは、そう昔の本でも探したのだろう
俺がうっすらと目を開けて見れば
彼の机の周りにはいくつもの本がある
「 はぁ、俺があんなことを言ったから嫌われて見えないとか…… 」
『( 嫌ってはないさ、此処にいる )』
どうやって俺がいることを教えるか
それとも、教えない方がいいのか
悩みながらも彼を見上げていれば、鼻に付く料理の匂いに気付く
「 お部屋もいいけど、食堂に来ないと晩御飯ないわよ? 」
「 あ、すみません…… 」
やって来たのは綺麗な女の人で
片手にはトレーを持っていた
料理の乗ったそれを、本を寄せてからルイスの前へと置けば、何処と無くルイスの態度が小さくなるのが分かる
目も合わせてないのを見ると、俺の口角は上がっていた
『( ほほーん?これは、年上のお姉さん好きってやつですな? )』
「 いいのよ、何か気になることがあるの? 」
「 えっと、大丈夫です……直ぐに、分かると思うので 」
「 ふふっ、そっか 」
獣の姿になって、何がいいのか
そう思うことはあったのだが、そうやってパートナーの色恋事を近くで見て傍観できるなら面白いじゃないか
自分の恋愛が疎いからこそ、他人の恋愛は気になるものだ
スタイルもいい、長い栗毛の髪に同じ目の色
優しいと言うより綺麗な顔立ちのおねえさん!って雰囲気だが、ルイスはこういう人がタイプなのか……ふふっ、面食いな
「 それじゃ、食べたら食堂に運んでてね?此処は夜までは付けとくわ 」
「 ありがとうございます! 」
「 調べもの頑張ってね。未来の近衛さん 」
『( わー、色気ムンムン…… )』
帰り際に投げキッスを送って去った、お姉さん
あの様子からして男の扱いには慣れてそうだなと経験で分かる
大学で、一人で過ごしてる男ほど声を掛けては
異性の人脈が異常に多いパターンだ
だが、此のぐらいの思春期の少年にはあのぐらいのお姉さんが丁度いいのだろう
「 ふぁっ、マリアさん綺麗すぎ…… 」
『( やっぱり効果的だ )』
分かりやすく机に撃沈した、ルイスだが
一時してから、ちゃんとトレーに乗ったご飯を食べてから本を読み漁っていた
その日は、彼が思うような内容は調べられなかったのだろう
疲れきってベッドに入った
「 もう無理だ、頭パンクする…… 」
靴を脱いでなかった為に、外そうと前肢を掛けようとするもベッドが高くて届かない
『( 俺は世話も焼けないのか…… )』
何のためのパートナーなんだと思えば、
ふっと、暗い部屋に差し込む月明かりが見えた
外へと視線をやればもうこんな時間なのかと思うほどに夜中だ
『( 神の庭にある月より小さいな…… )』
今頃、シロは何をしてるだろうか
きっと寝床でずっと寝てそうなイメージが有るために気にしないように目を伏せ
もう一度、眠ってるルイスへと視線をやれば固まった
『 視線……。高くないか? 』
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