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一章 聖獣への道のり編
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しおりを挟む「『 ふぁっ 』」
二人揃って欠伸が漏れる
ルイスは勉強と授業でこてんぱにされて
俺は夜中、ボロボロになるまで同じくアンドリューに鍛えられている
昼間も教師をして、夜中も俺の相手をする彼奴の体力が果てしなく底無しなのは此処に来て直ぐに分かった
相変わらずルイスは俺に名を付ける、方法までは辿り着けて無いが
剣術が楽しいのか、欠伸はするものの授業中はしっかり聞いて……
「 この方程式を特にはまず…… 」
「( やべっ、眠い )」
授業中に寝ることの無いルイスは既にうとうとしてるようで、俺はその様子を見て少しだけ心配になる
余り、人前では弱音を見せないルイスが眠るなんて相当疲れてるだろう
数学の授業を聞きながら、彼は眠りに落ちた
コロッと転がった鉛筆の音がクラスに響けば教師は言葉を止め、ルイスの方を気付いた
『( あ、怒られるパターンだ )』
そう気付いたときには、教師はやって来てルイスの隣に立った
「 ルイス君。起きなさい、授業中ですよ。ルイス君 」
最初は言葉だけだった教師も、何かに気付いたのか身体を揺さぶっても起きない様子に焦りを見せた
「 ルイス君!? 」
俺は自分の事を理解し過ぎて無いようだ
聖獣がどれだけの魔力を常に食らってるのか
其を幼い身体の少年には、どれだけの負担になってるのか
互いの事を理解出来ていなかった
騒ぎに聞きつけた男性職員に運ばれ
ルイスは保健室へとやって来た
保健と言っても手当てする場所とベットがあるだけで、彼の寝る部屋とは変わらない
眠ってるルイスを椅子に乗って見ていた俺は足音へと視線をやる
其処には理事長の姿があった
『( シリウス )』
他の教師は居ない中で彼だけ来たことに意味があるのだろう
迷うこと無く来た彼は、ルイスの寝顔を見ては俺の前にある他の椅子へと座った
「 やっぱり倒れたようですね 」
『( 知ってたのか? )』
「 えぇ、半分しか契約して無い聖獣は普段より多く魔力が取られることも……。一週間持っただけで凄い方ですよ 」
『( ルイス……俺のせいで、死ぬのか? )』
聖獣を呼んだから、魔力を制限して貰うことを知らない俺だからこそ
ルイスの身体に負担になったのか、それで彼は死ぬのかと、幾つもの質問が浮かぶ中で
シリウスは目線を俺へと戻し、睫毛を揺らした
「 このままでは…… 」
『( !!じゃ、どうしたらいいんだよ!? )』
ノアが早く亡くなったのを見た俺は、まだ幼いルイスが死ぬのは見たくない
近衛になる夢がある中で、どうしたら良いのかと問えば彼は自らの口元に指を当て
優しく答えた
「 名前を貰うだけでいいのです 」
『( っ…… )』
「 安心してください。いい方法があります 」
そう言って彼は胸元から古びた一冊の本を取り出した
図書館でルイスが見付かることの出来なかった、聖獣契約について書かれたのもだと把握できる
彼は俺に、必要なことだけ伝えれば
その場を立ち去った
まるでライフの様に、必要なことだけを言う様子だが
ライフは最後まで見てるだけだから、こんな手は貸さないだろうな
「 ん…… 」
夕暮れの、赤い太陽は保健室をオレンジ色に染める
綺麗だと夕日を見ていた俺は、聞こえてきた僅かな声に振り返れば、彼は目を擦り起きた様子
「 凄く寝た気がする……。可笑しいな、ちゃんと寝てんのに…… 」
俺が魔力を奪わなかったら此処まで、眠くはなって無かっただろう
申し訳無いと思いながら、シリウスに言われた通りの事をする
窓際に置かれた本、カーテンから感じる風と共に俺は本を捲った
「 えっ? 」
ルイスから見れば勝手にパラパラと捲られて見えるだろ
俺が上手くページまで捲ってるとは知らずに
「 こんなところに本が?なんだろ…… 」
ページを止めたところで、ルイスは身体を動かし
俺は少し避けて、ベットの方に上がれば
彼は本を掴み背表紙の文字を見てから開いてる場面を見た
「 此は聖獣召喚の呪文だ……。我、アダムとイブの息子であり、神々の落とし子……この身に宿る魔力と引き換えに、命尽きるまで共に居ると誓う、魂の繋がりを示すものを……今一度、繋がりを求める……。姿を見せてくれ…… 」
ルイスがゆっくりと呪文を唱え始めれば、ベッドの下に現れる魔法陣は画かれていく
彼は此に気付いてるのか知らないが、全てを唱えたときにそれは発動した
「 なっ!? 」
明るい光が保健室を包み込み、改めて呼ばれる感覚を感じた俺は胸を張り尾を一度揺らしては
硬直してるルイスへと視線を向けた
『 呼んだか、神々の落とし子よ。我は聖獣、御前が呼ぶのが我名。与えよ、この身を縛る言葉を…… 』
自然と発した言葉に、ルイスは目を丸くしてからそっと本を閉じ
俺の方へと片手を伸ばした
「 リアン 」
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