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一章 聖獣への道のり編
05
しおりを挟むルイスの居る、此所 フォーサイス王国の
王様とお妃には娘が三人居る
その中でもルイスより少し若いアメリア王女は
二人の姉妹より歳が離れてるのは聞いことがある
妖精を持ってる話も聞いてなく、大人しい印象のある王女だったのだが
何故、城から出ないはずの彼女が此所に居るのか俺には理解できず
ルイスに報告する前に直接本人に聞いていた
『 何故、隣の国にアメリア王女、只一人が行くんだ? 』
「 ……狼さん、喋れるの? 」
まぁ、聖獣を知らないならそんな反応になるなって思った俺は一旦、問うのを止めて答える方を優先した
『 喋れるの妖精だからだ。俺は、リアン。近衛隊に所属してる奴の妖精だ 』
「 まぁ、妖精なのね!リアン、触ってもいい? 」
聖獣なんてややこしい事は言えずに、取り敢えず妖精ってことにすれば案外すんなりと受け入れて貰え
彼女は手を伸ばし首元へと触れた
「 柔らかい…… 」
ふわふわと撫でる手は怯えてる様子もなく
無邪気に笑っては腕を回し抱き締めてきた
「 私、お嫁に行くの…… 」
『 あぁ……。知らない奴? 』
「 そう 」
彼女の言葉で全てを理解した
王家に三人の娘は多いからこそ、一番下の子をお嫁に連れていくのか
そうする事で此れから行く国と仲良くなれるってわけか
国の為に結婚する彼女を危ない方法で連れていくしか選択肢は無かったのか
「 リアン、私が国に行くまで一緒にいてくれる? 」
『 まぁ、守れと言われてるから居るさ 』
「 そっか、ありがとう 」
まだ未成年の子をお嫁にするといい始めた、他国の王子がどの様な奴かは分からない
だが、そうやって生き物を優しく触れる子なら
相手もノアを殺した王子のような奴でないことを願う
「 この一帯を抜けた先に、村がある。そこで休むぞ 」
「「 はっ!! 」」
外で聞こえたアンドリューの声に
移動し続けた、近衛はやっと休めるとばかりに安堵していた
俺は、アメリアが少しでも気が休めればいいと傍にいて
彼女が撫でるまま好きにさせていた
こんな時のアニマルセラピー効果って大きいと思う
「 嘘だろ…… 」
「 なんだ? 」
「 何があったんだ…… 」
『( ん? )』
馬車が止まった音と共に、近衛がざわつく声に
外へと出た
すぐにルイスの乗るコカトリスの足元に立てば、目の前に広がる光景に眉が寄る
「 此は、喰い殺されたのか…… 」
村には近衛が見張りとして数人居たはずだが、見るも無惨に辺りは血痕が残り
誰一人、生存者は居ないように見える
「 リアン、生存者を探せ 」
『 分かった 』
「 アンドリュー隊長! 」
俺に命令を出してから、ルイスはアンドリューの元へと行った
何かを話すのだろうが俺の役目は生存者を探すこと
こんな時に獣の鼻と、脚は使えると思う
『 銀狼ってこんな獣臭いのか…… 』
争った形跡もある、狼の足跡は俺より一回りは大きい
こんな狼とは遭遇したく無いなと思いながら村中を走り回る
『 生存者…居なさそう……。ん? 』
ふっと何処から聞こえてきた、僅かな声に
俺の耳はピクリと動いた
血、獣、武器の匂い、交じり合い嗅覚が麻痺しそうなところで、声のする方へと行く
『 この中か?救助活動は苦手なんだがな 』
声のするのは壊れた民家の中から
崩れ落ち、中に誰か居そうだとは思えないが
入り口を探し、顔を突っ込み入っていく
『 んー!せまっ、俺がでかくなったのか…。嬉しいような、嬉しくないような…… 』
尻が入り口で引っ掛かる事に暴れ
爪で引っ掻き、中へと押し入れば
俯せになれる程度の隙間はある
『 これは…… 』
リビングのような場所に辿り着き
目の前に大きな柱が落ちてきて潰されたような女性の亡骸
聖獣になって死を見ることに抵抗は無くなったが余り良いものではない
そして、彼女が守るように持っているのは揺り籠
『 悪いな……子供、預かるよ 』
腕を退かせ、揺り籠の中を見れば
弱っている赤子の姿があった
布の端同士を咥えて、ぶら下げるように咥えれば後は来た道をそっと戻るだけ
何とか尻は入るより簡単に抜け、赤子も無事そうなのを見て安堵すれば
離れた場所から聞こえてきた遠吠えに目を見開く
「( リアン、急いで戻って来てくれ!!馬車がシルバーウルフに襲われた!! )」
『 ルイス!! 』
まだこの辺りは縄張りだったのかと、焦るルイスの声を聞き赤子を落とさないように気を付けて走り戻る
獣の声やコカトリスのパニックになってる声
それに剣を使う音が近づく
4
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