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一章 聖獣への道のり編
07
しおりを挟むファルクの様に誰もが喜ぶかと思ったがそうはいかなかった
彼は、早々に頭に怒鳴られ魔獣が捕らえれそうな大きな檻の中へと押し込められた
「 はぁー、まぁだろうな 」
溜め息を吐く様子を見て、影から姿を見せた俺は隣へと伏せになれば、彼は手を伸ばし額から首後ろの毛並みの流れに合わせ数回撫でてきた
その触り方は懐かしく思う程に荒くなっていた心を落ち着かせてくれる
「 ごめんな、この盗賊団さ。魔法を毛嫌いしてるから 」
『 そんな気はした 』
「 俺は別に悪いと思わねぇんだけど。頭は特にな…… 」
ファルクがこの場所に入れられ、反省しろと告げられたのはほんの数分前
「 聖獣召喚だと……!? 」
「 そう!前回の国で盗んだ本の中に魔方陣のやり方があって、試してみたら~、聖獣が!それもウルフの…… 」
「 ふざけるな!! 」
この子!とばかりに自慢気に撫でるファルクに頭の女は怒鳴り付け、彼の胸ぐらへと掴んだ
『( ファルクを離せ!! )』
「 なっ!? 」
「 グアッ!! 」
掴まれた事で自然と" 守る "意識が働いた俺は、女へと飛び掛かれば、彼女のパートナーであるハンターウルフが向かってきた事で、反射的にその首へと噛み付き、地面へと倒したのだ
『 グルルル…… 』
「 頭のウルフが一撃で!? 」
「 そんな、あんな小柄なのに…… 」
キャンッ!!と悲鳴を上げたウルフの首からは赤く染まり、其を見て動揺する彼等を唸り睨んでる俺に、頭はゆっくりと手を離した
「 私が殴ろうとしたからか、聖獣、レナを離せ。噛み殺せば御前の主を殺すぞ 」
『 ガルルル…… 』
「 っ! 」
脅しは通用しないと尚更、牙を突き立てた俺にハンターウルフの毛並みは赤色が濃くなり
口から泡を吹き血を流し始めた事で、ファルクは焦って俺の首へと抱き着いたのだ
「 ロルフ止めろ!!レナは俺達の家族なんだ!! 」
" 止めろ "その言葉を聞いた俺はゆっくりと口を離せば、ぎゅっと抱き着き毛並みへと顔を埋めたファルクは身体を離し土下座した
「 頭、すみませんでした!! 」
「 直ぐにレナの手当てを。ファルク、反省しろ。檻にぶちこんでいろ 」
「 ファルク、来い 」
『 グルルル 』
「「 っ…… 」」
レナを抱き抱えて急いで手当てに向かう者と、ファルクを掴まえようとする者を蹴散らす様に唸る俺に、彼は優しく告げた
「 ロルフ、いいんだ。落ち着いてくれ 」
『( ……分かった )』
此所に居る者達に姿を見せるのは良くないと察して、姿を消した俺は、そのままファルクが檻に連れていかれるのを見ていた
腹が煮えるように気に入らない感覚にイラつくも、こうして撫でられることで落ち着く
「 昔は魔法とか妖精が当たり前らしいが、俺達は魔法を反対してる者達でもある……。良くある、魔法を手にした王が。自分の力を見せるために村を焼き払ったんだ。此所に居る連中は、そうやって家族やら住む場所を失って集まってんだ 」
眉を下げて笑った、ファルクの言葉に俺は疑問に思った
『 じゃ、何故。魔法で聖獣を呼んだ? 』
「 んーごめん。俺、ウルフがいないんだ。だから、どんな方法でも欲しかった…… 」
顔を上げた俺に、彼は手を離し片膝を抱き抱えてはそれ以外の言葉を言わなかった
欲しいが為に聖獣召喚をして、お望みの狼の姿をした聖獣がやって来た
だから喜んだのは良いものの、頭の様子を見て不味いことをしたと自覚したのだろう
『 それでも俺は…… 』
「 ん? 」
『 呼ばれたことを嬉しく思う…… 』
「 そっか、ありがとうな 」
俺は、呼ばれることで意味のある聖獣だ
少しだけシロの事が気になるが
人間界での生活は瞬きをする様に早く終わる
なら、この問題が終わってからでもシロを探すのは遅くないと思った
『( 少し、見て回るか )』
どんな場所なのか、ファルクが眠りについたのを見計らって外へと出た
月明かりを見ればすっかり夜になり
見張りをするのはウルフとそのパートナーである男だ
何から身を守ってるのか分からないが、辺りを見渡せば此所が廃墟の中にある休憩場なのだろう
所々に壊れた建造物がある
戦争の跡地に見える場所にテントを張り、寝床にしてるのか
『( 馬が居る様子はないな、コカトリスもいないか…… )』
移動手段は、人が乗れる程のシルバーウルフ達だろうか
俺も一人ぐらいは乗せれるが、彼等のように二人乗せようと思うなら身体の大きさが足りない
ウルフの数は三十頭ほど、人間もまた四十五人ほどか
テントの中を覗けば幼い子供の姿はなく
皆、ファルクぐらいか、其より年上ぐらい
最年少は十三歳ぐらいの少年はいるも、彼は小柄のウルフを枕に眠っている
こうやって見て回ると、ウルフはパートナーだと分かる
『( そう言えば、あのハンターウルフであるレナはどこだ? )』
謝りに行くか、と考え探しに行く
3
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