転生したら召喚獣になったらしい

獅月@体調不良

文字の大きさ
97 / 276
一章 聖獣への道のり編

07

しおりを挟む
~ シロ 視点 ~


回復後に暇潰しに眠っていれば、感じる愛しい番の魔力に目を覚まし
出迎えてやろうと起き上がり、洞窟の外へと行けばその光景に固まった

満月が現れた月の光に照らされた、愛しい番は
変わらない綺麗な顔立ちと銀髪の髪を揺らし人の姿を得たまま、その片手には幼い少年の手を取り戻ってきたのだ

「 子供……産んだのか? 」

『 ちげぇよ!! 』

考えても見ろ、メスが急に子供を連れて帰ったオスの反応を
自分の子供かと思うだろ、それにメスと似た銀髪をして黒いメッシュが入ってるとは言えど幼い面影は似てる
いや、似てるように見えるだけかも知れねぇが……
即否定されたなら次に考えるのは誰の子かってことだ

「 浮気か? 」 

『 冗談でもぶっ殺す 』

「 ……その餓鬼、誰の子だ 」

誰の子でもない、と告げたコウガは俺の許可を得る前に洞窟の中へと少年を連れて入ってきた
文句を言う前に、部屋の中に上がらせソファーに座るなり少年を膝の上に乗せた彼に俺の思考はついていけてない
寝起きってのもあるがいったい何処で拾ってきた餓鬼なのかと彼等の前に移動ししゃがみこめば少年を見る

ぎゅっと腹にしがみつく様子と、頭にある丸い耳、そして太い尾を見れば狼には見えない

「 俺は狼と犬以外の子供は好かないんだが…… 」

『 どんな拘りだ、この子は聖獣だ。やっとこっちに帰ってこれたんだ 』 

「 帰って?あぁ、囚われてた系の聖獣か 」 

神の庭にいるなら聖獣なのは間違いないが
獣の成り上がりには見えない、なら産まれながらの聖獣だからこそ小さくとも人型になれるのか
しゃがんでいた俺は立ち上がり、睨むように目線を下げれば、少年は怯え耳を下げてはコウガの胸元に顔を埋めた

「 ぱぱ、このひと……こわい 」

「 ぱぱ?御前って言う奴は、俺がいながら人間界でメスでも作ったのか!!? 」 

『 なわけあるか!! 』

容赦なく下顎を殴られた俺は、床へと倒れた

力も強くなって、と思うが聖獣が他の者をパパと呼ぶなんて滅多にない
話がついていけないと床に倒れたまま考えていた俺に、コウガは溜め息を吐き、そして人間界であったことを話してきた

「 ほぅ、キマイラにするために錬金術師は召喚師と聖獣を合成したのか…… 」

拾った子猫が、実はその錬金術師が落としたキマイラだったと言う話を聞いたが
恐らく、その錬金術師は敢えてコイツがいう商人の手に渡したのでは無いかと思う 

国が栄えて、そして他にも聖獣を持つ召喚師の存在を知るならキマイラを造るために捕まえようとでもしたのだろ
それに気付いてないのは、コウガと彼等の元にいた近衛隊達だろうが
まぁ、今はもう関係のない推測なのだがな

『 俺は主にとどめを刺した……っ、守れなかった 』

「 ……泣くな。御前は良く頑張っただろ 」

王とリリアの争いの後からこっちへと戻ってきた俺は知らないが、ファルクとロルフが頑張ってるのは推測が付く
ホロホロと涙を流し、泣いてるコウガの頬に触れ目元の涙を掬うように舐めれば、彼は片目を閉じた

『 ん……。次会ったら、ちゃんと守る…… 』  

「 あぁ、その意気で十分だ。俺なんて途中からリリアを殺す気でいたからな 」

『 ……シロの、主を殺してごめん 』

「 いや、あの時はあれが正解だから構わない 」

そう落ち込むなと彼の横に座り、頭に触れ肩へと引き寄せるように抱けば
すり寄るコウガは軽く頷き、その髪へと鼻先を当てていた俺は、視線に気付き
目線を下げればじっと見ている少年の姿があった

「 ぱぱ、おれにも、ちゅーして 」

『 んー?いいぜ、沢山チューしてやろ 』

キャッキャッと喜ぶ少年に俺は、この愛の巣に現れた邪魔な餓鬼だと言う認識はついた

この馬鹿は気付いてないだろうが、この少年……

「( 御前よりランク高いぞ。人型になれてるのだからな! )」

『 可愛い、ルーク 』

「 みゃぅ~ 」

「( あ、この餓鬼……確信犯だ )」

猫なで声を出しては、俺を見てニヤリと笑ったように見える本名は知らんが、ルークと渾名が付いてる聖獣に俺のイチャイチャ時間を邪魔され始め、腹が立つ

「 コウガ 」

『 んー? 』 

それからは……ルークの目を盗みお風呂入ろうと擦り寄れば、あの巨体は俺達の間へと割り入ってくる

「 ぱぱ!おれも、おふろはいる! 」

『 おっ、いいぞ?なら川に行くか~! 』

「 チッ…… 」

それに、寝てるときに襲おうとしてもあの巨体はコウガの身体を抱き締めてるんだ

「( 隣は俺の居場所なんだが…… )」 

一緒に寝ることも出来ない、風呂も入れない、
それに愛の営みすら出来ないことに俺の苛立ちはピークになる

この餓鬼、一人で生きていけるだろうが!!

「 表に出ろ、クソガキ!! 」

『 ちょっ、急にキレてなんだよ!? 』

「 なになにー?あそぶのー? 」

洞窟の外へと出したところで、俺は本来の姿へと変われば、クソガキもまた笑ってから聖獣の姿を得る

「『 えっ…… 』」

それは、四体聖獣とは別にある 
ライフが人間界に贈る、ギフトみたいなもの

つまり、人間界では" 神獣 "と呼ばれる姿をしていた

『 白虎!? 』 

「 あそぼ、ママ!! 」

「 俺がママなのは認めんぞ!! 」

神々しい外見は、恐れられる俺とはまた違う迫力があった

この餓鬼には、見た目問わず勝てそうに無いんだが
俺のイチャイチャな時間は諦めろって言うのか?

認めんぞ!!

しおりを挟む
感想 64

あなたにおすすめの小説

愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない

了承
BL
卒業パーティー。 皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。 青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。 皇子が目を向けた、その瞬間——。 「この瞬間だと思った。」 すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。   IFストーリーあり 誤字あれば報告お願いします!

氷の婚約者様に破談を申し出たら号泣された

楽矢
BL
目が覚めると、レースの牢獄のような天蓋付きベッドの上だった。 何も覚えていない出来損ない下級貴族ミラ。無能だクズだと冷酷な罵詈雑言を浴びせてくる氷の騎士セティアス。 記憶喪失から始まる、2人のファンタジー貴族ラブコメディ。 ---------- ※注) かっこいい攻はいません。 タイトル通りそのうち号泣しますのでご注意! 貴族描写は緩い目で雰囲気だけお読みいただけると幸いです。 ハッピーエンドです。 激重感情をこじらせた攻→受な関係がお好きな同志の方、どうぞよろしくお願いします! 全16話 完結済み/現在毎日更新予定 他サイトにも同作品を投稿しています。 様子を見ながらそのうち統合するかもしれません。 初めての一次創作でまだよく分かっておらず、何かおかしなことをしでかしていたら申し訳ないです!

身代わりにされた少年は、冷徹騎士に溺愛される

秋津むぎ
BL
第13回BL大賞奨励賞頂きました! 最終17位でした!応援ありがとうございます! あらすじ 魔力がなく、義母達に疎まれながらも必死に生きる少年アシェ。 ある日、義兄が騎士団長ヴァルドの徽章を盗んだ罪をアシェに押し付け、身代わりにされてしまう。 死を覚悟した彼の姿を見て、冷徹な騎士ヴァルドは――? 傷ついた少年と騎士の、温かい溺愛物語。

異世界で8歳児になった僕は半獣さん達と仲良くスローライフを目ざします

み馬下諒
BL
志望校に合格した春、桜の樹の下で意識を失った主人公・斗馬 亮介(とうま りょうすけ)は、気がついたとき、異世界で8歳児の姿にもどっていた。 わけもわからず放心していると、いきなり巨大な黒蛇に襲われるが、水の精霊〈ミュオン・リヒテル・リノアース〉と、半獣属の大熊〈ハイロ〉があらわれて……!? これは、異世界へ転移した8歳児が、しゃべる動物たちとスローライフ?を目ざす、ファンタジーBLです。 おとなサイド(半獣×精霊)のカプありにつき、R15にしておきました。 ※ 造語、出産描写あり。前置き長め。第21話に登場人物紹介を載せました。 ★お試し読みは第1部(第22〜27話あたり)がオススメです。物語の傾向がわかりやすいかと思います★ ★第11回BL小説大賞エントリー作品★最終結果2773作品中/414位★応援ありがとうございました★

公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜

上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。 体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。 両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。 せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない? しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……? どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに? 偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも? ……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない?? ――― 病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。 ※別名義で連載していた作品になります。 (名義を統合しこちらに移動することになりました)

悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?

  *  ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。 悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう! せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー? ユィリと皆の動画をつくりました! インスタ @yuruyu0 絵も動画もあがります。ほぼ毎日更新 Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新 プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー! ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまいネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください! 表紙や動画はAIを使用していますが、文章にはAIを一切使用しておりません。 名前が  *   ゆるゆ  になりました。 これからもどうぞよろしくお願い致します! 表紙にはAIを使用していますが、文章にはAIを一切使用しておりません。 校正も自力です(笑)

【柳原学園】いやいや、俺は『俺様生徒会長』だから

西園 斎
BL
家の都合で『俺様』を演じてる生徒会長が、生徒会やら風紀やら教師やらから好かれるお話。 演技俺様会長総受け(愛され)/後固定CP *10年以上前の作品を、やや加筆修正していきます

転生したようだけど?流れに身を任せていたら悪役令息?として断罪されていた――分からないまま生きる。

星乃シキ
BL
発作の後に目覚めたら、公爵家嫡男の身体だった。 前世の記憶だけを抱えたまま生きるレイは、ある夜、男の聖女への嫌がらせの罪で断罪される。 だが図書室の記録が冤罪を覆す。 そしてレイは知る。 聖女ディーンの本当の名はアキラ。 同じ日本から来た存在だった。 帰りたい聖女と、この身体で生きるレイ。 秘密を共有した二人は、友達になる。 人との関わりを避けてきたレイの人間関係が、少しずつ動き始める。

処理中です...