転生したら召喚獣になったらしい

獅月@体調不良

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一章 聖獣への道のり編

10話 暇潰し相手らしい

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聖獣である俺の一日、寝る、起きる、寝る、寝る、寝る…………

ずっと寝てるのは魔力を消費させない為でもあり、シロから送られてくる魔力を僅かに受けとりながら自分の腹にある子へと注ぐのも同時に行われるから 
動かないってのも悪くはない 

フリーレンも気になってる様子はなく、俺を呼ぶ時は夜に一緒に寝る時ぐらい
構うことなど無いのは、バトラーとフリーレンが御互いに余り干渉しないからでも有るのだろう

其は薄々気付いていた

シルキー妖精だから家事はするし、料理も作るのだがそれ以外にフリーレンに話し掛けることはない
大体、声が届かない相手に話し掛けるほどバトラーは口達者の様には見えない

またフリーレンも、一人の時間が好きなように一日中好きなことをしてるからこそ
二人の間には無言の空気が流れる

唯一、俺を撫でたりたまに話し掛けるフリーレンに受け答えするだけで
バトラーはいつも部屋の掃除をしたりと、リビングに居ることは少なかった

『 クワァ~ 』

寝ていれば時間は過ぎる、その感覚に慣れてるから気にならなくなってくるものの 
寝過ぎて大きな欠伸が漏れ、硬くなった筋肉を解す様に背伸びをしていればフリーレンが居ないことに気付く

『 あれ? 』 

さっきまで此所で点字に変えた本を指でなぞって見てたはずだと、思い起き上がり辺りを見ていればバトラーは直ぐ近くに姿を見せる

『 バトラー、レンは? 』 

もう幽霊のように当然と現れるのは気にならなくなった
俺を見下げた彼へと問い掛ければ、答えた

「 二階で寝てます。犬、暇そうですね? 」

『 そっか……ん、暇じゃない。寝てることで魔力を溜めてるだ 』

「 そうですか、折角買い出しに行こうと思いましたが必要ないですね 」

ぴこりと動いた耳に、今なんて?とばかりに目線を戻しさっさと立ち上がった俺は尻尾を振っていた

『 お出掛けいく!! 』

「( 本当に聖獣ですか? )」

何か疑われてるような気がするも、動けるならいいと気にしてはない
バトラーはロングコートを羽織り、家を出ては俺はその横を歩き着いていく 

『 敷地内から出てもいいのか? 』

「 辺りを知らない貴方一人で出すのは気になりますが、私やフリーレン様と一緒なら構いませんよ 」 

『 えっ、それを先に言えよ…… 』

「 目が見えなくなったあの人を、歩かせることが出来るならどうぞ? 」 

『 ……無理です 』

結構意地悪だ、俺が出来るわけが無いと敷地から外へと出て振り返れば何もなかったように其処には建物が無くなった

魔法で見えなくしてると聞いたから、外から見たら見えないのだろう
確かに俺が外に出てうろうろして、帰って来れるかと聞かれたら無理そうだ

『( 聖獣召喚でもしてくれたら戻れるけどな…… )』 

どんな場所でも直ぐに移動できる、召喚魔法なら平気だと思うが
あの、のんびりとしたフリーレンが、帰って来ないだけで魔法を使うようには見えない 

きっとこのバトラーもざまぁみろとばかりに放置するだろうな
横を歩く彼の横顔を見れば
下目を向き視線が重なればふいっと顔を背け前を向く

『 そう言えばレンに言わなくていいのか? 』

「 点字へと変えた置き手紙を残しましたが、居ないからとあの人が探すことは無いです 」

『 あ、やっぱり…… 』

うん、そんな気はしてたと内心落ち込むも
それだけ俺達が人にバレない事を知ってるのだろう

『 そう言えば、なんでレンは捕まったんだ? 』

「 ……余り私から言うのは好ましく有りませんが、御教えします 」
 
強そうで、逃げれそうな彼の事を聞けばバトラーは少しだけ顔色が暗くなった
森を歩きながら告げる彼は、永い年月にあった日の事を思い出すように答えた

「 元薬などを売っていたフリーレン様は、町へ薬を売りに出掛けたのですが、熱を出している町娘の手当てを氷を使ってるときに他の者に見られたらしく。錬金術師と間違えられて…… 」

『 えっ、錬金術師? 』

「 えぇ、少し前からとある錬金術師が生きた人を誘拐しては魔獣と合成し、キマイラを造っては人々に危害を与えてるのですよ 」

バトラーの言った言葉に、俺の脚は止まった

其はもうずっと前なのに、何故その錬金術師が生きてるのか俺には分からないからだ
身体の血の気が引くと同時にきっとファルクを殺した錬金術師に間違えられた、フリーレンが捕まったことに胸への煮えたぎる怒りを覚えた

「 其が前々から魔法使いの間でも問題で、フリーレン様は抵抗もせず捕まって……ってナイ……!! 」

『 そう……あの目が見えないのも全部その錬金術師が原因か……』

怒りは時に抑えられない程に、感情のコントロールを失う

思い出すだけで苛つく錬金術師の顔を今も覚えている

『 あぁ、あいつ……喰い殺す 』

辺り一体が凍結し、氷に包まれた事に気にもせず冷気を放つ俺にふっと背中に感じるものに目を見開く

「 ナイト、落ち着くんだ 」

『 !! 』

フリーレンの声に目を見開いた時には、俺は自分のした事に気が付いた

何故、寝て起きたときに辺りが凍っていたのか

それは彼のせいじゃない、俺が主が変わりすぎて不安定だったからそうなったと知ったときには自分の行いに息は詰まる

「 いい子だ、そのまま寝ておしまい 」

『 っ…… 』

耳に届く睡眠を促す声は、あの時、フリーレンが歌っていた声だった

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