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一章 聖獣への道のり編
11話 そして捜索編に繋がるらしい
しおりを挟む人が立ち入ら無いような深い森の中
けれど、其処だけはまるで御祭りでも有るように、道を照らす赤色に近いオレンジ色の光は木々の間にある、骸骨の中に入っていて、幾つも紐が無いのに浮いている
足元に這いずる大百足、木に巻き付く大蛇、空を飛ぶ蝙蝠にも、全て魔法使いや魔女が居るようで
彼等は自分達の傍にいる使い魔や弟子を自慢し、其が一つの目的として来てるように見える
「 随分と西の国は荒れてるよう、でも大丈夫だわ。私の坊やが…… 」
「 ふふっ、それはどうかしら?私の下僕の方が使い勝手はいいのよ 」
神が聖獣を" 玩具 "と呼び可愛がるように、
魔女もまた使い魔を" 下僕 "と呼び可愛がっていた
其が彼等なりの愛しかたなのだろう
美しくも醜い姿をしてる彼等を他所に、フリーレンは目的があるように、脚を止める事無く進む
『( こうやって改めて見ると、魔女は黒い服が多いから余計に白い服のレンが目立つな )』
中には此方を見る者すら居る
こう言う人の集まりが死ぬ前から得意では無い為に、影へと入り姿を消したくなる
人の視線などいつどんな、姿をしていても感じたく無いものだが、気にも止めない主がいれば
自然と自信が付くのは飼われている獣の性
主の雰囲気やら感じ取れるから、俺もいつか、は無いけれど犬を飼う日が来るときは堂々とした態度をしようと思う
「 おやおや、これは死んだと思われた氷の魔法使いじゃないの。しぶとく生きてたの? 」
現れた人物に、声で分かったのかフリーレンは答える
「 お久し振りだね、赤狐の魔女。そう、中々死ねずにこの通り生きていんだ 」
『( 獣人……というより、目のやり場に困る…… )』
声を掛けて着たのは長く腰ほどある赤い髪をし、肩に大きな銀狐の顔から尻尾まである毛皮を掛け、顔の上に狐ような耳と尻尾があり吊り長の色っぽい目元と頬には赤い模様が有り、胸と脚をさらけ出し、黒い着物を着崩した様な魔女
赤い唇がその白い肌に良く似合うが、童貞だった俺には大きな胸の先が見えそうな程にさらけ出ては気になる
それに太股まで見える脚もまた、寒そうだと思ってしまうが、この森に気温はない
有るのは肌に感じる様々な魔力だけ
「 貴方も錬金術師と間違えられたらしいけど、其を聞きに来たのね? 」
「 ってことは。君も間違えられたのか? 」
「 ふふっ、私は追い払ってあげたわ 」
『( 胸でかっ…… )』
動く度に上下に柔らかく揺れる胸は、作り物の様には見えない
その凹凸のある身体を敢えて見せてる様な格好は目に悪いと、顔を背けていた俺にふっと彼女の興味はこちらへと向いた
「 まぁ、氷の魔法使い。これは貴方のペット?随分と可愛い坊や 」
『 っ!! 』
「 ナイトだ、魔女に慣れてないから手優しくしてやってくれ 」
カランと鳴る下駄の音、俺の目の前まで来れば長い赤い爪は頬をなぞり態とらしく胸を押し付けては下から覗き込んできた
狐の様な獣の目は、にんまりと笑みを画き
尻尾はふっさりと身体をなぞる
「 魔女を見るのは初めてなの? 」
『 ……は、はい 』
どうしてフリーレンは普通で居られるんだと思うが、此所で気にすれば雄として終わってると頭の中で円周率を数えることにした
大人の女性の色気に勝てないのは、無経験の元大学生ってことで許して欲しい
『( 3.141592…… )』
「 可愛いいじゃないの!この子、私に下さいな! 」
『 えっ!? 』
耳に触れてから腕へと抱き締め、嬉しそうに笑った魔女の言葉に円周率なんて簡単に消え去って、驚きの声と共に二人を見れば主は爽やかに笑った
「 渡したいのは山々だが、その子は聖獣。死ぬまで俺の下僕なんだ 」
「 えー、聖獣なの?聖獣召喚成功したのは褒めたいほどだわ。でも、今回の錬金術師の件も聖獣を狙ったものよ? 」
「 だから少し気になって。貴女の様子を見れば……前にいた下僕、何処に行ったんだ?あんなに溺愛してたんだ、捨てたとは思えないが 」
腕を掴んでいた魔女は、鋭い視線と冷たい言葉を告げた問いに、俺の元から離れればその肩にあった狐の毛皮に触れ目線を反らした
「 死んだわ。私を守るなんて図々しい事をして…… 」
「 矢張、追われた時にか 」
「 人と争わないのが掟なんて……気に入らないわ 」
俺は知らないが、フリーレンが彼女が飼っていた下僕を知ってるのだろう
確かに彼女の周りにはそういったものが居なかった
綺麗で力もありそうな彼女が負けた原因
魔法使いや魔女は、" 人と争わない "と言う掟が有るからと言う
フリーレンが塔から出なかったのも目を焼かれても、反撃しなかったのは其が少なからず有るからなのだろうか
やられてもやり返すのは、掟を破る事になるために考えるなんて、随分と魔法使いや魔女は肩身が狭いのだな
俺ならきっと、怒りに任せて食い殺していそうだ
「 ふふっ、可愛い坊や 」
『 ん? 』
「 咬まない事も、強さのひとつよ 」
まるで俺の考えを分かったかの様に、口輪へと触れ頬をなぞった彼女の言葉に
少しだけこの口輪のある意味に気付く
" 咬まない事も強さ "
力ではなく他の事で考えろと言ってるような事に、視線を主へと戻す
「 それじゃ、俺達は先に行く。また百年後 」
「 えぇ、また。氷の魔法使いとその聖獣くん 」
方手を振った彼女に軽く頭を下げてから、歩き出した傍へと戻る
「 あの人は、御前に良く似た下僕を飼っていたんだ。小さい頃に拾ったらしくてな、御前を欲したのもそのせいだろ 」
『 ……主と共に死ねないのは寂しいな 』
下僕であっても、聖獣と違いどちらかが生きてる限り生き続ける
あの魔女はその寂しさを一体何で埋めようとしてるのだろうか
それは俺には関係の無いことだと割り切っては前を向く
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