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一章 聖獣への道のり編
03
しおりを挟むごめんね、とばかりに耳を下げ焦って背中を擦っていたネロに、もう二度と俺に飯を持って来るなとキツく告げた
「 …… 」
彼は一つ頷き、其まで僅かでも振っていた尻尾は垂れ下がり全身から落ち込みました感のある、雰囲気を漂わせていた
まるで俺が苛めたような様子に、言葉は詰まる
『 わ、悪い。言い過ぎた。でも……聖獣は食べなくて良いから、遠慮する 』
「 !! 」
ぱぁぁっと表情は明るくなり頷いた反応に少しだけ安心する
ネロは自分だけ食事を始め、それを見てから辺りへと視線を向ける
『( 其にしても、ネロを含めて人型の使い魔も多いんだな )』
食事をする魔女、立って話をしている彼等を見れば互いに話すことなく只、黙って傍に居たり動くことの無い使い魔を見ると
彼等の意志が何処に有るのか気にはなる
聖獣であり、感性が強い俺とは比べ物にならない程に彼等の意思が読めない
狐の魔女は、飼っていた使い魔を溺愛してたと聞いたのだが、その愛情表現はきっと俺がこれまで出逢った主とは違うのだろうな
「 へぇ、あの街ってそんなに発展したんだ? 」
「 そう!すげーデカい城とか建ててさぁー 」
二人がテーブルに座り食事をしながら話す傍から離れ、地面に直接胡座をかき座ってる俺達
この距離感を感じれば、フリーレンが撫でること以外をしなかった事が分かる気がした
『( ルイスが目指していた魔法使い……か…… )』
ルイスは結局、近衛になったがあの孤児院は魔法使いを目指そうとしてた場所
あの時期より時代が進み、魔法使いが減ったらしいがそれでも、フリーレンの姿は彼が望んだも
胸に感じる冷たさに、少しだけ視線は落ちる
「 !!……! 」
『 ん?何が言いたいんだよ? 』
落ち込んだ俺に気付いてか、ネロは両手を不規則に動かしジェスチャーをする
口を開き話そうとしてるのだろうが、その声は"音"となるものすら聴こえない
流石に言葉が通じない奴とは会話が出来ないと眉を寄せ、ジェスチャーするのを見る
『 ん?ご飯を食べろ?違うか、あの二人は……恋人じゃない?えっ、あー、いや、そんな事を気にしてる訳じゃないんだ 』
二人を指差し、其々に狐を作ったような手は指先を合わせて顔を擦り寄せてるのを見ると
恋人同士に例えたのだと分かった
そして二人の方を見て首を振る事に納得するが、考えてるのはそうじゃない
「 ?? 」
なら、なんだろうってばかりに傾げたネロに、その胸元へと指を当て告げる
『 使い魔の思いが気になってな、俺は聖獣だから呼ばれてくるが、御前達は違うだろ?だからだ 』
" 下僕 "と蔑まれ、笑われてるのに何故傍にいるのか気になれば
彼はシャルルの方を見てから、俺へと視線を戻し只一つ、口元を上げ笑顔を向ける
『 !!なんか、負けた気分…… 』
主をどう思うか、それは向けられた笑顔で察しれる
部外者が考えるよりずっと、仲がいいのだろうな
一通り俺の質問が終わったところで、次はネロの番とばかりに手を伸ばし、口輪へと触れ首を傾げた
やっぱり目が一つ有りそうな程に良く分かってると内心、苦笑いが漏れれば答える
『 情緒不安定だからそのストッパー。ガブッと咬まないように 』
「 ?? 」
咬むの?って感じであの狐の形をした指の部分の、口当たりを開いたり閉じたりしたネロに視線を僅かに逸らす
『 咬むよ、其に全てを氷らせる 』
地面にある草を毟り、土に穴が空くことさえ気にせず抜いては放置を繰り返していれば
ネロは急に動き、俺の肩へと触れ掴んだ
『 ん?っ……! 』
次の瞬間には、地面へと背中から倒れ
押し倒されたと分かった時には彼は暗闇へと混じる、その包帯がある目元へもかかる前髪を揺らした
『 ネ……ロ……? 』
「 !! 」
血を吐き出したネロの血が頬へと掛かり、彼の身体を貫いた虫のような鎌は引き抜くことなく横へと振った
「 ネロ!!? 」
倒れたネロの身体は赤く染まり、徐々に血で地面は染まっていく
その光景を知っている……
シャルルの声が遠くに響く中で、目の前の大きな虫は、荒く鎌を引き抜き血の付いた部分を舐めた
「 あらら、流石に他のが居るときは殺り辛いなー。避けられちゃった 」
『 っ…… 』
一瞬で魔女達の戦闘体勢になるのが見えるなかで、黒いローブを着た少年は前に会った声と変わらないまま笑った
「 久しぶり、ロルフ。僕の美しいオモチャを壊したんだから……次は醜い君がなってよ 」
忘れるはずがない、なのに身体は思った以上に動けなくて
横たわったネロが必死に起き上がろうとしてるのが見てるのに
身体に付いた血は、失った主達を思い出し身は震える
「 あれれ、もしかしてトラウマになっちゃってる?まぁーそれも仕方無いか。彼の魂には、僕がマーキングしてたからさ……何度も先回りして殺すの、楽しかったよ 」
「 ナイト!! 」
フリーレンの前に現れた小鳥で気付けば良かった
あの日、ファルクを刺した時に魂に刻まれた魔法があったことを……
最初から彼は、俺だけを捕られる為にこんな沢山の魔法使いや魔女も殺し
何度も、何度も……主を殺してたなんて……
「 ほら、僕の元においでよ 」
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