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二章 宝物捜索 編
12
しおりを挟む氷耐性が付いたことで、シロは嬉しそうに分厚いコートを着たような服装から
普段と変わらない軍服へとなっていた
それだけ寒さが感じなくなったのか、ある意味感覚麻痺ってやつじゃないかと思うのだが
あの後に、シロに落雷を当てて貰っても俺は平気になった
そして、もう一つラッキーなのは……
『 吠えろ!雷鳴狼!! 』
そう、シロの魔法である雷属性の魔法を使えるようになったことだ
なにこの、飛び級した感覚!
散々、地属性の魔法を練習してた俺には雷が使えるようになったのは嬉しい
まぁ、俺も使えるって事はシロもまた使えるんだが……
「 凍りつけ、氷牙狼 」
御互いに雷の狼と、氷の狼をつくらせればそれ等は走り出し、魔法がぶつかり合う
大きな雪煙を上げ魔法が効果無いほどに消え去れば、息を吐く
『 俺の魔法!!ちょっとアレンジしてるし 』
「 悪いな、氷の使いやすさを実感してる 」
全魔法が使えるようになった最強のフェンリル相手に、俺はどうすればいいんだ
あれか、無属性でも習得するか?無理だろ、無属性は生涯にその一つしか持てないらしい
寧ろ、ファルが負けてるの見たから勝ち目がない
『 うぅ……いいよ!俺は地属性を練習するから! 』
「 嗚呼、そうだな。その前に…… 」
『 ん? 』
何か他に有るのだろうかと、地属性の魔法を一生懸命に出そうとしていたら、彼は続きを答えた
「 進化も落ち着いたなら、シエルに会えよ?心配してたぞ 」
『 あっ、会う!!ありがとう! 』
忘れてた訳じゃない
まだ会えるとは思わなかったから、此所に止まっていただけなんだ
落ち着いたら会えるんだと知り、尻尾を揺らす俺に彼は眉を下げた
「 いや、いいんだが。外の気温が無理と思えば戻って来い。その繰り返しだ 」
『 おう!外の気温になれるよ 』
大変だな、みたいな顔を向けられるがこれも属性が特化されたせいでもある
それなら克服するのも、自分の身体なんだから出来るだろ
なんせ雷に打たれたレベルに痛かったあれを、クリアしたのだから不可能な事はきっと無い
流石異世界、気合いと根性で何とかなるなんて
いや、根性なんて持ち合わせてないけどな
早速、言われた通りにファルの空間から人間界へと顔を覗かせた
この進化した姿も見せたいから、そのままのフェンリルの姿をして影から出れば、気付いたシエルは振り返る
「 おっ!ルーナ!! 」
『 シエル…… 』
外の世界は思った以上に暑くは無かった
これもソレイユの" 雷耐性 "が付いたことで
同時に" 熱耐性 "を習得してたらしく、熱さには平気なよう
俺を見るなり安堵の表情を浮かべて抱き締めてきたシエルに頬を擦り寄せる
「 心配したんだからな!もう、大丈夫? 」
『 嗚呼、大丈夫…。心配かけてごめん 』
首元の飾り毛に顔を埋めた彼は、顔を上げ俺と視線が会えばニカッと笑顔を向けた
その表情に自然と二本の尾は揺れる
やっぱり主の笑顔を見るのはなんとも嬉しいものがある
「 んん。ソレイユから聞いたよ。進化おめでとう。もっと綺麗になったね 」
『 そうか……?ありがとう 』
自分では綺麗になったという自覚は無いのだが、ソレイユにもシエルにも言われたならそうなんだろ
綺麗なフェンリルなんだなって納得していれば、彼は俺の背中にあるマントを見てから気付いたのか、ポンっと手を叩いた
「 あ!そう言えば、おじさんから靴が届いてたよ。履きに行こ! 」
『 おじさん?あぁ!行く! 』
おじさん?とは誰だろって一瞬、頭の中で考えるも
靴と言われたことに思い出した
あの靴屋さんのおじさん!!
それが分かり、シエルと共に廊下を走っていく
そう言えば、俺が雪山に居たせいで収穫祭は何事もなく終わってたんだな……
ちょっとだけハロウィンっぽい体験をしたかったと内心残念に思いながら、部屋へと戻る
「 これこれ、でも履けるかな? 」
『 大丈夫だと思う、履くよ 』
シンプルな赤い箱に入った靴は、白色であり俺の好きというか履き慣れた革靴だが、レーザーブーツに見えるほどに脹ら脛まである
氷の装飾がされた其れを、人型を得てから受け取れば成長した俺を見てシエルの眉は下がる
きっと大丈夫な自信があるから、その辺の椅子に座り
元履いていた紐靴を脱ぎ、持っていた脹ら脛側がファスナータイプのベルト付きレザーブーツを履こうと爪先を入れれば、突然と光が靴と足の回りに現れ、勝手に靴を履かせてくれた
『 ほら…履けた! 』
光が無くなれば、立ち上がり前よりずっと履き心地のいい其れに笑みが溢れれば、シエルは軽く手を叩く
「 おぉ!!ルーナへのプレゼントってちゃんと認識されたんだ!似合うよ!! 」
白いレーザーブーツに合わせるように、ズボンの色は青い線の入る白に変わり、軽装だった格好は
何処かの騎士っぽい魔法使いのように硬い生地のロングコートを着て、腰に現れたクロスしてるベルトや青い柄の入る格好はカッコ良さも兼ね備えていた
黒手袋へと視線を落とし、腰へと当てればシエルの嬉しそうな笑顔を見ると、改めて進化したんだと実感する
『 どう?俺って、格好いいだろ? 』
「 うん!!綺麗だね!! 」
『 ……う、うん 』
あれ、騎士っぽい魔法使いって格好いい分類じゃ無いのか
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