転生したら召喚獣になったらしい

獅月@体調不良

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二章 宝物捜索 編

7話 神様は孤独らしい

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もう場所を間違えたり、迷子になるわけが無いぐらい何度も、何度も帰っていた場所だから分かる

けれど…洞窟はあっても、その中に一緒に過ごしたはずの家も、シロの存在も無かった

『 シロ?…シロ?シ、ロ……? 』

あちこち見ても、あるのはゴツゴツした岩壁と、偶に落ちてくる滴だけ
嫌な予感に、胃の底から嫌のものが上がってきそうなぐらい不安感によって気持ち悪くなってきた

『 シロの嘘つき、ずっと一緒に居るって言ったじゃん!!なんで、いないんだよ……。なんで…… 』

此処にいないならシロはもう神の庭ディヴァインガーデンにいないと思った

元々此処は、ライフの聖獣であり、召喚獣の為に造られた空間だ
それが、最高神になったシロには不必要というか、いなくてもいい場所になる

この空間で、自然治癒しなくても十分な力はあるだろうし
もう、召喚されない存在なら怪我する事も無いと思う
只、最高神であるだけ……みたいなのをファルから聞いたから、シロが居ることを期待したのが間違いだったんだ

『 っ……でも、でもさ……。俺がシエルの元から帰ってきたってことは…シエルは死んだって事なんだから、慰める為に居てくれてもいいじゃんか…… 』

いつものシロなら、帰ってきたらペロペロ舐めてきて、慰めるだけ慰めた後に襲って来そうなぐらいなのに……
どこに行くのか置き手紙もなくて、姿が無いなんて寂しすぎるし、逆に腹立つ

『 うぅ……俺は自立しろってか?分かってるけど…… 』

天命を全うするまでシエルの側にいて、沢山の事を見てきたのに平気なわけあるか

それに、シロだってずっと側にいる……とか言って居なくなるなんて…
俺の気持ちもちょっとは考えて欲しい

『 シロのおたんこなす!バカチンがぁ!!うぁぁぁあ!! 』

八つ当たりの如く、勢いをつけて洞窟の一番奥へと突っ込んでいき、そのまま体当たりをするように向かった

『 うわぁぁあん!! 』

目を閉じたままぶつかっていても、いつまでも想像していた痛みは襲ってこなくて
その代わり、足元がやけにひんやりしてツルツル素材のことに疑問になり、目を見開く

『 え……ふぁ!? 』

足元を見れば真っ白な大理石のような床があり、驚いて片手を上げて辺りを見渡せばアラビアの宮殿のような場所へと変わってることに唖然となる

『 なにごと!? 』

後ろを向けば洞窟は無くて、前には白い柱が並びどこまでも続くように見える
左右には別の道もあるから、頭が混乱しそうだから、
一旦、後ろへと下がってみた

『 へ………? 』

さっきまでの宮殿は無くなり、洞窟へと戻っていた

『 どういうこと? 』

手を伸ばして壁へと触れれば、肉球は中へと埋まっていく

『 っ~~!? 』

ゾワッとした感覚に手を引っ込めて、尻尾が腹へと丸くなる本能のまま、その場でお座りをして考えた

『 ここの空間が歪んでる?いや、他の場所に繋がってるって事?つまり…… 』

あのさっきの宮殿は、もしかしたら!と思い
立ち上がって壁へと向かっていく

直ぐに洞窟では無くなって、後ろを振り向けば僅かにぼんやりとした空間が違う雰囲気があり、下がっていた二本の尻尾は上がり走り出す

『 此処、シロの新しい家とかじゃないか!? 』

俺が帰ってきてもいいように、空間を繋げていた、なんて言われても納得できると思い走りながら名を呼ぶ

『 シーーローーー!! 』

宮殿の中をかけ走っていいのかは分からないが、人がいる気配も匂いもしないから、好きなだけかけ走って探すことにした

『 わー……雲の上って感じ…… 』

建物の端から外を見れば、綿菓子のような雲があり、この宮殿はそんな雲の上に建てられていた

白と金色のコントラストがシロらしいと思うぐらいの綺麗な宮殿を、隅々まで走ったり、扉を開けて行く

『 風呂三箇目だ!いらねぇだろ!? 』

風呂の形や広さは違っても必要の無いものが多い気がするし、逆に置いてるものすら少ないように見える

建物はあっても、生活感がゼロっていうやつだ

『 シロどこだよ!?シローーーー!! 』

其れにしてもシロが見つからないし、寝室らしきものや、玉座の間みたいなのもない
なにも無い部屋や、無駄に広い廊下、魚のいない、池の上に花が咲いてた中庭とかはあっても、そういったものが見当たらない

それに、なんだが同じ場所をグルグル周ってるようにも見えてきた

『 いや……もしかして…この城、動いてる!? 』

ハッとして振り返れば、まるでパズルのように廊下の大理石は動き、柱の位置も変わっていく事に気付いた

そして、俺がさっきから呟いてる内容を思い出し声を上げてみた

『 俺、寝室と広いお風呂が近くて、廊下が一本道のほうがいいなぁ~。此処は嫌だ 』

そう言った瞬間、宮殿は左右に動き始め、足元が波打つように動いた

余りにも急に動くからギュッと目を閉じて踏んばってしまう 

『 っ……びっくりした…… 』

やっと動いてるのが止まり、薄っすらと瞼を持ち上げて左右を見れば、幾つもあった廊下は無くなり
一直線上に伸びた廊下の左右に部屋が移動していた

これの意味が分かり、そのまま真っ直ぐと走っていく

途中で風呂のような匂いもして、目の前にある白く装飾が施された大きな扉へと体当たりする間もなく開けば、
広い寝室のような部屋と、ベッドカーテンがされた中に大きな影がある事に尾を振り飛び込む

『 シロ、みーつけた!! 』

ぼふっ!と盛大にベッドのスプリングが弾み、フカフカのベッドよりもモフモフと毛の中へと顔を埋める

はち切れんばかりに左右に振っていれば、彼はゆっくりと動き、頭上へと鼻先を向けた

「 おかえり、コウガ。すまない…模様替えに手間取っていた 」

『 ほんと、居なくなるし意味わからなくて驚いたんだからな!でも、でも、許してやる! 』

バカでかい巨狼フェンリルは装飾品を揺らし、黄金色をした枷についた鎖を動かし、俺の身体へと鼻先を当てる

「 あぁ…ありがとう……。こんな神々から与えられたクソみたいな城だが、気に入ってくれりゃいい 」

『 最高神がクソとか言っちゃだめと思う 』

見た目は派手だが…口調が変わらない様子にホッとした

成長したはずなのに鼻先程度しかない俺はちょっと大きさに戸惑うけど、シロは気にしないように口角を上げていた

見える牙がな……デカイんだよ……

「 まぁ、模様替えは俺が出来るから問題なかったが 」

『 もしかして…こっちに来てからずっと模様替えしてたとか? 』

「 嗚呼、そうだが? 」

『 ………でしょうねぇ 』

相変わらずの時間の流れに深い溜息が出た

いや、それでもきっとシロにとっては長く部屋の配置を決めてたんだろうな……

俺の一言で場所が決まるあたり、シロらしいけどさ



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