転生したら召喚獣になったらしい

獅月@体調不良

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二章 宝物捜索 編

07

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目の前に置かれたぬいぐるみと聖獣の姿をしてるシロを交互に見て、少しだけ鼻先で匂いを嗅いで彼の匂いがするのを確認して咥えようと口を開けば、言葉を続けた

「 離れてる間に会話をしたくて考え、俺の神力を含ませて具現化した。それに話し掛ければいつでも俺の元に繋がる 」

『 へ、へぇ…… 』

魔力…とは言わず、゙神力゙に変わってるシロの力に興味はあるけど、本当に此れだけを届けに来たような雰囲気に動揺する

「 それじゃ、俺は余り…神殿から離れられないから戻る 」

『 え、シロ…本当の本当に…此れだけを伝えに? 』

背を向けて空へと軽く浮こうとした彼を止めて、顔を上げれば振り返った狼は金の瞳を細めた

「 当たり前だろう?それ以外に何がある? 」

『( シロは…俺が痛覚を戻ってるのを知らない?あ、シロ自身も痛覚を失ってるから怪我してるだけ…としか、認識が無いのか…。それなら誰が痛覚を…? )』

シロでは無いのだと分かれば、無意識にクララの方へと視線を向けるも、困惑してるような彼の雰囲気を見てから、もう一度狼を見上げる

『 んん、なんでもない。忙しいのに来てくれてありがとう!ぬいぐるみ、使わせて貰う 』

「 嗚呼…。またな 」

『 おう! 』

俺が痛覚が戻った事を言えば、心配症なシロは今以上に心配するだろうから、敢えて伝える事を止めた

緩く尻尾を振れば、狼は空へと走り出し途中で煙のようにスッと消えれば、その場は静まり返った

『( ぬいぐるみ、一旦影に入れてこう )』

見送った後にぬいぐるみの首元を咥えて、影の中に入れていれば、硬直してたクルーは問い掛けてきた

「 え、ちょっ…アルト。今の…聖獣なんだよ 」

「 そうだって!なんの説明もなしに、ぬいぐるみだけ届けに来たって… 」

『( そりゃ知りたいよな… )』

俺だってそれだけ!?って驚いたのに、他のクルーはもっと気になるだろうって思えば納得して、彼等へと視線を向ける

『 さっきのは雷神らいじん。お世話になってる凄く親しい神様。なんか…姿は少し前の聖獣の時のだったけど、普段はもっと神々しくって… 』

「「 雷神!!?? 」」

俺のそれ以降の説明を何一つ聞くことなく、単語だけを聞き届けた彼等は、其々に頭を抱えた

「 怒って雨を降らし続けたと言われてた、神様かよ! 」

「 本当に神って存在したのか…そりゃ、聖獣いるなら、いるわな… 」

『( あー……その辺りは伝説みたいに人間も知ってたのか )』

驚いてる理由が分かれば、少しだけ納得するも、クララは俺達から背を向けた

「 無自覚に生物の殆どを殺した神と御前は知り合いだったのか 」

『 ……!! 』

「 所詮、神や聖獣にとって人間は簡単に滅ぶ玩具程度だろうな 」

『( 事実だけども……その言い方は…あんまりだ )』

少しだけ仲良くなれたと思ったら、また距離が開く

クララは言うだけ言って船内へと戻れば、キャプテンの一言で、それまでのクルーの雰囲気は変わって、俺を冷たい視線で向けてきた

「 考えてみればそうだよな。雷神のせいで家族とか死んで 」

「 国や休む場所も奪われたのに… 」

「 沈んだ事にキレてたアルトは、そのやった本人と知り合いって、矛盾してるだろう 」

「 誰のせいで、沢山の人が死んだと思ってんだよ!! 」

『 !!! 』

積りに積もっていた怒りの矛先が見つかったように、彼等の言葉は俺だけに向けられた

『( 俺が…シロを泣かせたから雨が降り始めた…と知れば…彼等はもっと怒るんだろうな )』

謝っても、死んだ人は帰ってこないから視線を甲板へと落とせば、彼等の暴言は続く

「 なんとか言えよ!! 」

「 御前が国を滅ぼしたのも同然だろ! 」

『 !!俺が……( 皆の…… )』

頭に過るこれ迄出会った主やその友人達の顔が、溺れて死んでいく様子に変わった事に目を見開いて、密かに耳は後ろへと下がる

『( 俺が…みんなを、殺し…… )』

シロと喧嘩さえしなければ………

そう思っていれば、目の前で服が揺れた

「 止めましょう。今の貴方達は惨めですよ 」

「「 デルさん!? 」」

『 デル…… 』

俺を庇うように前に立ったデルに、少しだけ驚いていればクルーは口を開く

「 そんな人殺しの聖獣の肩を持つことないっすよ!! 」

「 そうだぜ!そいつは俺等の故郷も、何もかも沈めた雷神と同類なんだ! 」

『( デルが…文句いわれる必要もないんだ… )』

事実だからこそ、俺を庇う必要は無いと思えば、彼はおっとりした口調ではなくハッキリと声を張った

「 だから、なんだと言うのです!? 」

「「 !! 」」

船長の次…とも言える立場であるデルの声に、彼等は言葉を閉じた

「 今更、当たり散らしたところで死者は蘇りませんし、国が元通りになる訳でも無いでしょう!貴方達はいい年した海賊なのに、寄ってたかって抵抗しない聖獣相手に、
文句しか言えないんですか!?それが胸を張れる漆黒の死神団セイブル•デァ•トートですか!? 」

「「 っ………! 」」

「 貴方達のやってる事は、口先だけのプライドしかない盗賊や品の無い海賊と同等ですよ! 」

デルの言葉に、彼等は其々に顔を合わせ、視線を足元へと落とした

俺に言われても国を元通りにすることも、死者を蘇らせることも出来ないのは事実

だからこそ…デルの言った事は正しいけど、
守られるだけじゃ、違う気がして…ぐっと心を強く持って少し彼の横へと移動する 

『 確かに…俺が、雷神と喧嘩して彼を怒らせたのは事実。でも…そのせいで人間界に雨が降り始めたのは知らなかったんだ。雷神はまだ神になって間もないし、俺も何処までの影響力が出るのか知らなかった…。知らなかったで
済むことじゃないと分かってるからこそ…本当に、申し訳ないと思ってる…。世界をこんなめちゃくちゃにして…ごめんなさい 』

俺に出来る事は謝るだけだった

彼等が其れで納得するか分からないけど、本当に心から申し訳ないと思ってると伝える為に、聖獣は主以外には頭を下げないのに、彼等へと深く頭を下げる

「 アルト…… 」

この姿を見て、彼等が何を思ったのかは分からないけど…

俺は少しだけ、ちゃんと言えたことにスッキリしてた

「 聖獣と人間では生きる時間も立場も違うのです。貴方達は神様と同等に気高い存在。…謝らなくていいんですよ 」

片膝を立て、俺の背中にそっと触れて目線を合わせたデルの面影が、よく知る人物と重なって見えた

『 フリーレン……あ、いや……。ありがとう…俺が不出来なばかりに… 』

「 フフ…これから立派になればいいのです。ほら、私の部屋に行きましょう。地図をお教えしますよ 」

『 あ、うん…ありがとう 』

デルはやっぱり、何処となくフリーレンに似てる

でも、彼には血縁関係がいないと思うから少しだけ不思議に思い、
黙ってしまったクルーを背にトボトボと船内へと歩いていく

『( 俺が…沢山の人を殺したのは事実なんだ…… )』

氷のようだった心は、チクリと痛みが走る

これが、痛覚なんだと改めて変わってしまった身体に思う

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