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二章 宝物捜索 編
02
しおりを挟む見てるだけで胃もたれしそうな量の、料理を一人でぺろっと食い終えたクララは、また街を歩き始めた
「 今日から此処に泊まる 」
『 え、船に戻んねぇの? 』
少し高級そうな宿に決めたクララに驚けば、彼は中へと入る前に、一歩足が止まるも直ぐに中へと入っていく
「 気晴らしってのも大事だろ 」
『 あ、そういう事… 』
宿代ぐらい節約に貢献しようと思い、影に入って姿を消せば、女将さんはやって来た
「 おやまぁ、ようこそいらっしゃいました。一名様ですか? 」
「 一名様……あぁ、そうだな 」
「 では、こちらにどうぞ 」
俺がいない事に察したクララは、理解したように話しを合わせてから、優しそうな女将に続いて、部屋の方に行く
「 此方をお使い下さい。専用の露天風呂等も御座います。お食事は朝と夜にお持ちしますね 」
「 嗚呼、分かった。五泊ほど宜しく頼む 」
「 畏まりました。ゆっくりお寛ぎ下さいませ 」
随分長めにこの島にいるんだなってぼんやりと思って、女将さんが部屋の説明を終える間際に前金を渡した後離れくのを見てから、影から姿を出す
「 態々お一人にしなくとも…。ワンランク下になったじゃねぇか 」
『 いいんだよ。俺は人間じゃないからな 』
そりゃ二人部屋の方が多少広いだろうけど、ここも十分な程に広々としてるから、良いと思う
少し歩いて、お風呂を確認したり、花が綺麗な中庭を覗いて話をする
『 クララの影の中で寝ればいいし、俺は別にどこでも… 』
海賊が泊まる部屋とは思えないぐらい綺麗で、落ち着きのある雰囲気
まるで゙ そう言った ゙専用の宿みたいだと内心思う
各部屋は離れてたし、それぞれの部屋に風呂まで付いてる
淡いオレンジ色の証明とか見て、何となく恥ずかしくなって口数が増えてしまうんだ
『 ホントいい部屋だわ 』
「 アルト 」
『 うっ……( その声は、反則だろ )』
いつもとは違う、色気のある声で名を呼ばれてちょっとだけ耳と尻尾は下がる
夕食を終えて直ぐに宿を探して、そのまま休むような雰囲気があったから察しがついてたけど、それが現実になると恥ずかしいものがある
振り返らない俺に、せっかちなクララは背後に立ち、中庭が見える窓を閉めては…
何故か、良い笑顔を向けてきた
「 理解出来ない訳ではないだろ?アルト、俺を失望させないでくれ 」
彼の手が、腰へとぶら下がっている剣に添えるなり、ひしひしと嫌な予感に全身の毛が逆立つ感覚がした
『 てっきり……あ、いや…本気なのかよ… 』
下心あるのはどちらか…
変な事を考えてしまった事に、謝りたい気分すらなりながら、こちらを向いてる彼を見上げては僅かに戦闘態勢へとなる
「 そう思っていたから、さっさと買い物を切り上げたんだ。別空間が作れれば…何処でも問題ないからな 」
『 ………… 』
猫の様に目を細めた彼により、部屋は一瞬で見覚えのある花々が咲き誇る草原へと変わった
調子狂うとはこの事だろ……
「 此処なら、好きなだけ向けて構わない。御前の中にある魔力が、俺の物と交換される程に時間をかけて、腹を膨らせてやるよ 」
『 は、なにそれ…すげぇ独占欲 』
フッと…主との繋がりを強制的に強くさせる為にファルクとも魔力を交換してたのを思い出す
けれど今回は、物理的と言っても…かなりのもの
お互いの力をぶつけ合い、尚且つ死物狂いで挑まなくてはならない
俺の魔力が尽きるのに合わせて、クララの持つ魔力が与えられるのだからな…
魔力量を増やすと言った意味は、これか…
「 御前は…俺の聖獣だろ?俺の魔力で満たされるといい 」
『( デルが独占欲強いって言ってた理由が分かる。クララは、マジで…メンヘラだわ )』
シロはヤンデレだと思う
最優先に好きな人への行動を移すから…
でも、クララは自分自身を第一に優先してるように見えるから、彼等の違いが少し可笑しく思えた
『( 魔人とは言えど聖獣より短命…。主である間、遊びに付き合ってやるのも…ペットの役目だろうな )』
まぁいいか…と、大したことが考えられない脳みそで納得してから、技を発動させた
『( 魔族って…どの本でも、悪役だけど…この人の場合は…良い様にも見えてしまうな )』
本人に言ったら怒られそうな事を思った
「 アルト……。俺を退屈させるなよ 」
『 …お望みなら幾らでも… 』
向けられた剣に、掛け走って技をぶつける
此処にいる間は休憩って事は無いらしい…
誰も知らないクララの秘密
それを知ってるだけで、何故か優越感に浸る
其れは言わば、俺の弱さだ
日は沈み、夕食の時間になるまで…
俺達は、何度も何度も攻撃を重ねた
そして、夕食を終えてからもまた…
クララが単純に眠くなって寝るまで続いたんだ
一日だけではなく、ここにいる間はずっと…
昼間だけ、他のクルーが問題を起こしてないか見たり、観光ついでに色々回っていたけど、そんな事で時間を潰すなら…
クララと戯れる時間に使いたいと思うようになるのは早かった
クララが名を呼ぶ度に、俺の中にある゙ 獣 ゙が大きく反応する
此の事に気付いたのは、
宿を出る当日になってからだ
『 ん………朝… 』
クララが寝落ちしたら、繋がりによって眠くなって俺自身も寝てしまうから…
いつの間にか朝になってるってことを、
ここ最近良く経験してる
差し込む朝日に眉を寄せてから視線を横へと動かせば、俺の方を向き横向きで寝てるクララの寝顔を眺めてから、起き上がる
『 ふぅ~。んー……よく寝た……あ? 』
フッと普段より低くなった声と違和感のある視線の高さ
そして、両手を見れば幼さが消えてるような角張った手の平に硬直した
『( ウソだろ……俺、成長してねぇ!!? )』
十七歳前後から二十代の中央辺りまで成長した事に困惑した
『( ランクは上がってない…なのに、はっ……!!ルイスの時と同じか! )』
子犬が少し大きくなるように、中級聖獣もまたそのランクの中での成長があるんだと察して、
ベッドから飛び出ては、部屋にある等身大の鏡の前へと立った
『 ……本当に、成長してる 』
「 ん……アルト、なんだ……? 」
その姿は、俺がライフから貰った特典の時より成長してる
成人男性そのものだった
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