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第1章
第11話 コーラル
しおりを挟むドトルはレグラの胸でしばらく泣いていた。スッキリするまで泣いたあと、コーラルに「ありがとう」と感謝を述べた。
ドトルのその様子を見ているだけで、ドトルが非道な扱いを受けていたわけではないことは分かる。
「‥‥ドトル、みんな心配したんだよ?知らないお姉さんについてっちゃだめでしょ」
「‥うん。ごめんなさい‥。ドトルね、怖くて怖くて寂しくて、毎日すごく嫌な気持ちだったの。みんなはドトルのこと置いてけぼりにしてハピタ町に行っちゃうから、寂しかったの」
「‥‥そっか、ごめん‥‥」
レグラがドトルに謝ると、ドトルはすりすりとレグラに頬を擦り寄せた。俺とジークもドトルにそれぞれ謝罪をすると、ドトルは「もう大丈夫」と笑顔を見せてくれた。
ジークとレグラはコーラルに対する警戒をすっかり緩めていた。“プーレナイト”という名前のせいで俺だけが警戒したままだ。
だけどステータス画面やチート的な魔力によって、口に出していない筈の名前を認識出来るということはさすがに言えない。
「‥‥名前は?」
すっかり馴染んでいるコーラルに名を尋ねる。知っているけど、知らないふりをしなければならない。
「あ‥‥っと‥‥‥コーラルです」
少し躊躇ったものの、コーラルは自分の名を述べた。どうやら名前の全てを明らかにするつもりはないようだけど、俺たち4人も苗字はない。だからコーラルの名乗りはジーク達からすればどこも不自然じゃなかった。
「コーラル‥素敵な名前ね!コーラルはどこから来たの?どうしてここへ?」
レグラの表情は久しぶりにどことなく明るかった。俺だけが少し険しい表情を浮かべている。
「あ‥‥えっとね、私、家出してきたの。その、プーレナイトとの国境あたりの山奥に住んでたんだけど‥この間の炎で、ハピタ町の人たちが心配になって、見に来たの」
ぱちぱちと焚き火が音を立てる。
俺は腕を組み、顔を俯かせていた。他のみんなに対して違和感を与えないよう、表情を取り繕える自信がなかったからだ。
「そうなんだ‥ハピタのこと、心配してくれたんだね」
レグラはコーラルに対してすっかり心を開いているようだ。眉を下げるコーラルを見て、まるで自分たちの苦痛を受け止めてくれる理解者とでも思っているのかもしれない。だけどコーラルは間違いなく“プーレナイト帝国”に関連する人物の筈だ。
俺はもちろん、コーラルの心の声を覗き続けた。ただこの心の声というのは、心を覗きたい人物の顔をじっと見つめ続けなくてはいけない。
《‥可哀想な子達。まだ幼いのに全てを失って‥‥。この子たちにとって安全な場所が早く見つかればいいけど‥》
どうやらコーラルは心から俺たちを心配しているらしい。
一体、どういうつもりなんだろう。
コーラルを信用していいものか眉間に皺を寄せていた俺は、コーラルと目が合ったことで思わず肩が跳ねた。
「‥なにかあった?」
「‥‥別に」
プーレナイト皇族でありながら、本気でハピタの人々を想ってくれているのなら‥‥コーラルは本当に“家出”をしているのかもしれない。それならプーレナイト帝国との繋がりは、少なくとも現時点ではないのかもしれないな。
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続きが気になります❗
コーラルはなぜここに?国から逃げてる?追い出された?
リージェのこの先はどうなるの?!
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ありがとうございます😊