おんせんめぐり!

黒飛清兎

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19話 雪

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「…………へくちっ。」


  僕はくしゃみをした。

  身体中がチクチクと痛む。

  とても寒い。

  周りを見ようとするが、何も見えない。

  先程までは周りが見えたのにと、僕は混乱したが、すぐにどうして見えていないのか気がつく。

  …………あぁ、起きたのか。

  僕が周りを確認しようとしたとの時、体を暖かいものが包み込んだ。


「あ、やっと起きた、おはよぉー。」

「……おはよう、サナ。」

「ごめんねー、バスタオルとかが汚れてきてたから洗ってたんだよねー。厚着させてたから大丈夫だと思ったんだけど、やっぱり寒いよね。」


  そう言ってサナは僕を丁寧にバスタオルで包む。

  その後、その上から更に暖かいものを被せてくれた。

  それのお陰で僕は寒さを感じることはなくなった。


「ねぇ、僕どのくらい寝てたの? 僕が寝る前はまだもう少し暖かかったと思うんだけど…………。」


  僕が寝る前までは体が痛くなるほどの寒さは無かった。

  僕が寝ている間に一気に冷え込んだのか、それとも寒い場所に移動したのか…………。

  どちらにせよかなりの時間が経っていたことは確かだ。


「んー、どのくらいって言っても…………季節が秋から冬に変わるくらいまでかなー?」

「…………秋から冬か。」


  きっととてつもない時間が流れているという事だろう。

  なんだかとんでもない寝坊をしてしまったような気分だ。

  僕は周りをチラッと見渡した。

  僕はゴツゴツした物に囲まれた場所に寝転がっており、地面には何かが敷いてある。

  そして、外のような場所には大量のふわふわしたものがあった。

  なんだかとても触り心地が良さそうだ。

  それに、あれを集めれば少し暖かそうだ。


「ねぇ、サナ、あの外にあるフワフワのやつって何なの? 暖かそうだけど…………。」

「んー? あぁ、だね。」

「雪?」

「そーそー…………ふふ、触ってみる?」


  サナは珍しく笑いながらその雪を取りに行った。

  サナが笑っているのは基本的にはイタズラをしてる時位だから、絶対なにかやる気だ。

  僕は身構えながらサナのことを待った。

  しかし、予想とは違い、サナは素直に雪を持ってきてくれた。

  …………なーんだ、心配して損したよ。

  ルカは僕に雪を差し出してきた。

  僕はそれをバスタオルの間からちょこっとだけ出した手で触れてみた。


「ひゃぅっ!? な、何これ、冷たい!?」

「ふふふ、引っかかったねー。」


  サナは僕の反応を見て意地悪そうに笑った。

  うぅ、やっぱりだ、サナが笑うなんておかしいと思ってたんだ…………。

  サナが渡してくれた雪は信じられない程冷たく、触った瞬間、僕は手をバスタオルの中に引っ込めてしまった。


「もー、何なの?」

「雪はね、一見フワフワして暖かそうに見えるかもしれないけど、実はすっごく冷たいんだよねー。」

「むー、やられたー!」


  僕がしてやられた事に怒っていると、サナは僕の頭をポンポンと撫でてくれた。


「ごめんごめん、ほんと、メグは可愛いねー。」

「ほ、褒めても何も出ないよ! …………ま、まぁ、今回のイタズラは許してあげる!」

「ふふふ、ありがとー。」


  サナに撫でられるのはなんとも気持ちの良いものなので、今回はそれに免じて許してあげることにした。


「そういえばさ、今僕達ってどこにいるの? さっきまではやせいせいぶつ? に追っかけられていて…………って、そうだ!」


  僕は寝起きすぐでそのことに気がついていなかった。

  僕が寝る前、僕達はやせいせいぶつ? に追いかけられて逃げていたんだった。

  あの時は邪魔する事になると思って何も聞かなかったけれど、やっぱり気になるものは気になる。

  やせいせいぶつとは何なのか、ここは何処なのか、そして、僕の身に何があったのか。

  僕は矢継ぎ早にサナに問うた。


「ちょっと待ってよー、順番に説明するからねー。」


  焦って質問した僕を落ち着かせ、サナは細かく説明してくれた。

  まず、やせいせいぶつとは何なのかという事だ。

  その前にあったやせいせいぶつは気持ち悪かったけれど、そこまで大きくなかったし、動きも遅かった。

  到底僕達を倒しうる力は無いように感じたが、どうやら僕達を追いかけてきていたやせいせいぶつはこの前僕達があったやせいせいぶつとは同じものではあるが、少し違う存在らしい。

  どうやら僕達を追いかけてきたやせいせいぶつはやせいせいぶつの中でもかなり大きく育ったもので、その前に僕達が会ったやせいせいぶつに羽が生えて、その上大きさが何百倍にも大きくなったものらしい。

  そこまで大きくなると、食事の為に他のやせいせいぶつ、機械、僕達のような人間など、ありとあらゆるを襲って食べてしまうらしい。

  そんな恐ろしい話に僕は身震いした。

  そんな大きさの化け物に追いかけられたなんて考えれば誰だって怖くなってしまうだろう。

  ただ、みんなはそのやせいせいぶつから何とか逃げ出して、そこから遥か彼方にあるここまで逃げて来たらしい。

  そこで、今僕達はどこにいるのかという話だ。

  サナは驚きの答えを教えてくれた。


「僕達が今どこに居るのかって話なんだけど…………それが、分かんないんだよね。」

「…………え?」
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