君の小説が読みたい

玄武聡一郎

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1巻

1-3

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   *


 よくよく思い返してみれば、カロンさんは僕の体に「あと」を残すのが好きな人だった。
 肌を吸って赤いキスマークを残したり、背中を軽く引っかいたり、鼻を甘噛みしたり、ふざけて僕の爪にマニキュアを塗ったり。
 僕が少しでも反抗しようものなら「しっ。静かにして」だの「ダメ、動かないで」だの、あのきれいな顔を近づけて、悪戯いたずらを思いついた子供みたいな無邪気な表情で言うものだから、最近ではすっかりされるがままになっていた。
 会社で小指を噛んできたのも、きっとその延長で、久々にじゃれつきたかったのだろう。

「カロンさんでしょ、それ」

 同日、仕事終わり。
 会って早々、一ノ瀬さんは僕の小指の絆創膏に目を止めて、すかさず指摘した。僕の周りにいる女性は、勘が鋭い人が多いな。

「すごいな。なんで分かったの?」
「女性はそういうのに敏感だからね」
「ああ、カロンさんも同じようなこと言ってたよ。昨日もらったハンドクリームつけてたら『今日、女の子に会いに行くの?』って」
「ふーん。で、なんて言ったの?」

 よいしょ、と一ノ瀬さんはベンチに腰掛けた。
 今日は彼女に連れられて、駅近くのバッティングセンターに来ていた。
 かこん、ごつんと、小気味良い音とそうでない音が、勝手気ままに散らばっている。
 どうやらこの時間は利用者が多いらしく、バッターボックスは満席、ベンチにも僕たちの前に待っている人がいた。

「従妹が来てるって言っておいた。もし会うことがあったら、そういう設定でよろしく」
「なんで誤魔化したの?」
「なんでって……。六日後に死ぬ僕をタイムリープして救いに来てくれた女の子がいるので今日は帰ります、とでも言えばよかったのか? そんなの、頭の具合を心配されるだけだろ」
「私の設定を身内にした理由は?」
「他に思いつかなかったから」
「来週なら会えるって言った理由は?」
「なんでもかんでも拒否したら、それこそ怪しまれると思ったんだよ」

 兄妹というのはリスクが高すぎるし、かといって赤の他人のために僕が時間を割くのは信ぴょう性に欠ける。だからこその、従妹という折衷案せっちゅうあん
 来週会う約束だって、何も下心があって頷いたわけじゃない。もしカロンさんが僕を殺すつもりなのだとしたら、あからさまに彼女を避けるのはリスクが大きいだろう。
 僕としてはこれが最適解だと思ったのだけれど。

「まあ、そういうことにしといてあげる」

 彼女はどこか不満そうに言った。

「含みのある言い方だね」
「べっつにー。翔也君はカロンさんのことが大好きなんだなって思っただけですー」
「なんでそうなるんだよ……」

 僕とカロンさんの関係については、既に一ノ瀬さんに話してある。彼女は一言「うわぁ……ただれてる……」とだけつぶやいていたけど、それ以上の言及はなかった。

「昨日も言っただろ。僕とカロンさんはドライな関係なんだ。必要以上の情はないし、相手のプライベートについても深追いしない。彼女にはもしかしたら、僕以外にも同じような関係の男性がいるのかもしれないけど、僕にはそれをとやかく言う権利はないし、カロンさんだって同じように考えているはずだ。都合のいい関係、楽な関係。他でもないカロンさんがそう言ってるんだから、疑いようもないだろ」

 僕より少し年上くらいの男性がバッターボックスから出てきて、僕たちの番が回ってきた。男性は汗に濡れたワイシャツをぱたぱたと扇ぎながらも、どこかすっきりとした顔つきをしていた。会社帰り、ここで毎日ストレスを発散して、明日への活力としているのだろうか。
 一ノ瀬さんは僕の言葉には応えず、右肩をぐるぐると回しながら立ち上がった。

「よっし、今日も一本かっ飛ばしますか! 私、先でいい?」

 特に乗り気じゃなかった僕は、右の手のひらを上にして、バッターボックスを指した。
 一ノ瀬さんの入れた百円玉が三枚、かしゃこんと音を立てながら緑色の機械に吸い込まれていく。
 数秒後、ピッチャーの映像が映った電子モニターから、こぶし大の野球ボールが放たれた。結構速い。ここの球速の設定は九十~百十まで選べたはずだけど、多分一番速いんじゃないだろうか。
 数瞬後、投げ込まれたボールは、そのまままっすぐバックネットに吸い込まれた。一ノ瀬さんはバットを振ることすらしない。
 なんだ、意気込んで連れてきた割に、そんなに得意なわけではないのか。とはいえ、今日の彼女はパンプスにタイトスカート。体を動かすには少々不向きな服装だし、仕方ないか。
 雰囲気を味わいたかっただけだったのかな――なんて僕の考えは、直後に小気味良く響いたインパクト音にかき消された。

「ほいさ!」「よいしょぃ!」「あらよっとー!」

 きん、かきんと、さっきまでとは打って変わって、一ノ瀬さんのバットから快音が響き続ける。
 しっかりとふんばった下半身、しなやかに回る腰、そして鋭くひるがえる手首。一連の動作がパズルのピースのようにぴたりぴたりとつながって、美しいスイングを作り出していた。
 彼女のバットの軌道きどうに少し遅れて、ポニーテールが柔らかな半円を描く。

「あの子、お兄さんの彼女?」

 さっきバッターボックスから出てきた男性が、スポーツ飲料水片手に話しかけてきた。

「いえ、違います」
「はは、照れるのは可愛いけど、嘘をつくと傷つくのは彼女の方だぞ?」

 男性は品のいい紺色のネクタイを器用に片手でほどきながら、僕に話しかけ続ける。

「彼女さん、すごいね」
「きれいなフォームですよね」

 訂正するのが面倒くさくなって、適当に相槌あいづちを打った。
 どうせもう会うこともない人だし、勘違いされたって構わないだろう。

「ふっふっふ。バッティングの見方がまだまだ青いなあ。あれはね、フォームはもちろんだけど……何より目がいいんだよ」
「目、ですか」
「ああ。彼女さんが今やってるのは、このバッティングセンターで一番難しい、ランダムって設定だ。投げられる球の速度が毎回違うんだ。それを全部完璧にミートしてる。尋常じゃなく目がいいね。間違いない」
「へえ……」

 遠目にぼんやりと見ているだけでは分からなかったが、言われてみれば、確かに球速が違うような気がする。
 バッティングセンターに来たことがない僕には知りようもないけれど、きっとあれを全て遠くまでかっ飛ばしている彼女は、相当な腕前なのだろう。

「いいねえ、ああいう健康的な彼女。見たところ、スタイルも悪くない。くぅー! うらやましいなあ、このっこのぉっ!」

 背中を叩かれながら、なんでこの人はこんなにも親しげに語りかけてくるのだろうと、疑問に思った。
 ちらりと顔を盗み見る。清潔感の漂う顔だ。鋭いながらも憎めない笑みをたたえる目元と、すっと通った鼻筋。薄い唇に、驚くほどに白い歯。
 軽妙な語り口にどこか既視感を覚えて、自分の会社の営業マンに、誰か似た人間がいたかもしれないと思った。

「っと、彼女さん。終わったみたいだね。俺はこの辺で失礼するよ。急に話しかけて悪かったね。嫌だっただろう?」
「いえ、少しびっくりしただけで」
「はは、それならいい」

 僕の左腕をぽんぽんと優しく叩きながら、男性は、ベンチに座った僕に目線を合わせるようにかがんだ。

「俺、カイトって言うんだ。君は?」

 あまりにも自然に、流れるように差し出された左手に、思わず反射的に手を出してしまった。

「あ……」

 そして握手をしてしまったからには、自分も名乗らなくてはならない気になる。観念して僕は自分の苗字を口にした。

「……桐谷です」
「桐谷君だね、りょーかい。ここにはよく来るのかい?」

 ここのバッティングセンターにはよく来るのだと言っていた一ノ瀬さんの言葉を思い出して、僕は頷いた。

「彼女はよく来るみたいですね。近くに住んでるそうなので」
「そうか! なら、君にもまた会えそうだね! 彼女さんによろしく!」

 名前はまた次の機会に教えてくれよなー、と言って去っていくカイトさんに、僕は曖昧な笑みを浮かべることしかできなかった。

「誰? 今の人」

 入れ替わるようにバッターボックスから出てきた一ノ瀬さんが、ポニーテールを解きながら僕に聞いた。ゴム紐で束ねられていた髪が一瞬大きく広がって、少し大人びて見えた。

「知らない。一ノ瀬さんのバッティングのこと、ほめてたよ。目がいいって」
「へー……」

 一ノ瀬さんはわずかに目を細めて、カイトさんが消えていった扉に目を向けた。

「これまでのループでは会ったことなかったの?」
「うん、初めて見た。何が起点なんだろう……。この日、この時間にバッティングセンターに来たことは前にもあるけど、会ったことないし……。あのバッターボックスに入ったのはこれまでに二回……ああでも、球筋覚えてなかったから全然打てなかったっけ……。まさかそれが原因?」

 ぶつぶつと考え事をする一ノ瀬さんの独り言は結構大きくて、内容が丸聞こえだった。
 あの男性のことも確かに少し気になるが、それよりも僕が驚いているのは――

「一ノ瀬さんって、記憶力がいいんだね」
「え?」
「これまで何回もループしてるのに、今日、この時間にバッターボックスに入ったことを全部覚えてるみたいだからさ」

 それだけではない。何回目のループの時に、どんな出来事が起こったのか。一ノ瀬さんは全て覚えているようだった。
 昨日からの彼女との会話を思い出しながら僕が言うと、一ノ瀬さんは、

「ああ。私、超記憶能力持ってるから。そういえば説明してなかったね」

 なんでもないことのようにさらっと言った。
 超……記憶能力? それってすごい能力なんじゃないのか?
 困惑する僕をしり目に、彼女は説明を始めた。

「超記憶能力……正式名称は『HSAM』。highly superior autobiographical memoryの略称で、高い自伝的記憶能力って意味なの。聞いたことある?」

 首を横に振る。いや話には聞いたことがあったけれど、そんなのドラマや漫画の世界での話だと思っていたし、正式名称なんて知るはずもない。

「一目見たら全部覚えられる、ってやつだっけ?」
「それは瞬間記憶能力、いわゆるカメラアイだね。混同されがちだけど、HSAMとはちょっと違うんだよ」

 なんていうのかなあ、と彼女は小さなあごに右手を添えながら続ける。

「瞬間記憶能力は、映像を一瞬で覚えられるの。文字情報を記憶するんじゃなくて、映像を記憶する能力に優れてるらしいね。スクリーンショットを撮って保存するフォルダがある、って考えたらいいのかな。で、HSAMはそうじゃなくて、自分に関する内容を記憶する能力に優れてるの。何月何日に何があったとか、その時食べたものとか、話した内容とかを、全部覚えてる。日記を保存するフォルダを想像してくれたら分かりやすいかも」

 二つの能力の違いは、写真を記憶するか、日記を記憶するかの違い。
 そして彼女は後者。自分が無意識につけている日記を記憶する能力にけている、ということらしい。

「例えば瞬間記憶能力の持ち主は、全く意味のない数字の羅列られつ、円周率とかフィボナッチ数列とかを一瞬で覚えられるんだよね。だけど私のはそうじゃなくて、自分に関連した内容しか覚えられない」
「十分すごいと思うけど……」

 僕が言うと、彼女は「そうでもないよ」と肩をすくめる。

「まあ、世界的に見ても珍しい能力なのは確かだね。本当かどうか知らないけど、研究上の記録では五十人くらいしか見つかってないって聞いたことあるし。ニューヨーク生まれのジル・プライスって人とかが有名みたいだけど……ちょっと問題もあってね」

 一拍置いて、一ノ瀬さんは続ける。

「多くの人が強迫神経症を併発してるらしいんだ」
「強迫神経症?」
「簡単に言うと、意味のない行為を、何かにき立てられるみたいに繰り返してしまうんだよ。お札を発行年ごとに仕分けたり、子供の頃の玩具を手放せなくて、ずっとコレクションしてたり」

 曰く、HSAMの人たちは、そういう行動を伴うことが多く、どこか少し人とずれていたという記録が残っているそうだ。

「一ノ瀬さんも、そういう傾向があるの?」

 僕の質問に、一ノ瀬さんはすぐには答えなかった。しばらくして、彼女はポケットからスマホを取り出しながら、逆に僕に問いかけた。

「翔也君はどうして私が、タイムリープなんて奇妙な現象に巻き込まれてると思う?」

 言われてみれば確かに気にはなるけれど……。僕は黙って首を横に振った。

「私はね、と思ってるんだ」
「HSAMだから……?」
「要するに、私が時をさかのぼってるんじゃなくて、世界が同じ時の流れの上で回っていることを、みんながすっかり忘れてしまっているだけなんじゃないかってこと」
「それは――」

 例えば今。
 この一週間を繰り返すエラーのようなものが、世界で発生していたと仮定すると。
 僕たちは時間が巻き戻ると同時に、一週間分の記憶も失うから、世界がループしていることに気付くことすらできない。
 だけど一ノ瀬さんは、自分を中心とした世界を記憶する能力に優れている。普通なら失う記憶を、超記憶能力によって留めておくことができる。
 だから、彼女だけはこの異変に気付いているのだと。
 そういうこと、なのだろうか。

「私はね、あらゆる出来事をメモしてるんだ。もちろん、私の記憶の中にも同じものが残ってるんだけど……百三回目のループからかな、書き起こさないと不安になってきちゃって」

 彼女が見せてくれたメモアプリの画面には、ぎっしりと今日あったことが書かれていた。
 六時三十八分に目が覚めたこと。
 洗面所に向かい、歯を磨いたこと。
 歯ブラシの向きは、昨晩と同じで鏡台の方向を向いていたこと。
 歯を磨き始めると、いつもと同じようにゴミ収集車がアナウンス音を流しながら家の横に駐車したこと。
 あらゆる事柄が、事細かに、ある種――。書き連ねられていた。
 このメモは、次のループの時には消えてしまうはずなのに、彼女はそれでも記録を残す。
 そしてこの行為は傍から見れば、

「このバッティングセンターの球の出方についても書いてあるよ。ランダムの設定の時、最初に百十キロのボールが出た後は、大体九十キロのボールが出てくるの。ランダムとはいえ、プログラムにかたよりがあるんだろうね。数百回も試せば、傾向も分かっちゃうんだ」
「だからさっき、全部打てたのか」
「そういうこと」

 自分がタイムリープを経験しているのは、HSAMを持つからなのだと彼女は言った。
 もちろん、真偽は定かではない。そんな荒唐無稽こうとうむけいな、SFみたいな現象が実際に起こっているとは、僕には思えない。
 だけど彼女にとって、これは希望なのだろう。
 世界的に希少なHSAMを持った多くの人が、強迫神経症を発症していたと記録されているけれど、もしかしたらそれは本質をとらえてはいなくて。
 実は彼らは全員、タイムリープに巻き込まれていたのかもしれない。
 彼女がタイムリープを抜け出すためにメモを取っているのと同じように、何かの手がかりを探そうと必死になって起こした行動を、周囲の人間が強迫神経症を発症したと、勝手に勘違いしただけなのかもしれない。

「うん、そうだね」

 一ノ瀬さんは、僕の考えを読んだかのように頷き、微笑んだ。静かな彼女の瞳に促されるように、僕は続きの言葉を口にする。

「もしそれが本当なら……彼らは既に、過去の記録になっているわけだから……。タイムリープから抜け出したことになる」
「大正解。あはは、馬鹿げた空想だなって思った?」
「……」

 どう言葉をかけるのが正解なのか、分からなかった。
 本当にそう思ってるの? と聞くのは、あまりに残酷な気がしたし、きっとなんとかなるよ、とか、一緒に頑張ろう、なんて言うのは、あまりにも無責任で薄っぺらい言葉だと思った。
 だから僕は、ただ黙ってバッターボックスに入った。昼ご飯一回分の金額が、緑色の機械に吸い込まれていく。
 バットを握って、モニターに映ったピッチャーの姿をにらみつける。画素があらすぎて、いつ投げてくるのかを視認することすら難しかった。
 やがてにぶい音が鳴って、白球が投げ込まれる。
 全力で振った金属バットは、ボールにかすりもしないで宙を切った。
 なんだこれ、めちゃくちゃ難しいじゃないか……。

「翔也君、頑張ってー!」

 バックネットの向こう側から、一ノ瀬さんの声がする。
 振り向く余裕はないけれど、彼女の口角が上がっているだろうことは、声音だけでなんとなく分かった。
 何度も何度も空を切り。
 結局この日、僕のバットが白球を捉えることはなかった。


   *


 夜、電話がかかってきた。
 キーボードの上に走らせていた指を止めて、脇に置いていたスマホを持ちあげる。
 画面に表示された人物の名前を見て、少し考えてから、通話ボタンを押した。

「なんだよ才人」
「ご挨拶だな。全然メッセに返事ないから、わざわざかけたんだろ」

 ああ、そういえば昨日の夜から返してなかったなと、才人の言葉を聞いて思い出す。

「ごめんごめん、ちょっと忙しくてさ」
「なんだよ、まだ怒ってるのかと思った」
「僕はそんなに根に持つタイプじゃないよ」
「それもそうか」

 で。と才人が続ける。

「昨日の電話、なんだったんだよ?」

 昨日の、というのは「僕が小説を書いていることを誰かに言ったか?」と聞いたことだろう。
 言い訳を考えてなかったので、正直に答える。

「そのまんまだよ。あのことを知ってる人がいたから、お前が言ったのかと思って聞いただけ」
「へえ。それ、誰?」
「僕の従妹」
「俺が言ったわけなくね?」

 それもそうだと、僕は適当にごまかす。

「分かんないよ。お前、交友関係広いから。ついに僕の従妹にまで手を出したのかと思って」
「いやいや、お前に従妹がいるなんてそもそも知らないし」

 いないんだから当然だな。

「言ってなかったっけ?」
「聞いてねえ……けど、そんな話したことなかったし、当たり前か」

 勝手に納得してくれたようなので、僕はそれ以上深く説明しなかった。
 才人とは大学時代からの友人だ。付き合いはもう五年近くになる。
 入学当初から仲が良かったわけではない。学部は違うし、サークルやクラブが一緒だったわけでも、ましてや同じバイト先に勤務していたわけでもない。
 ただ、キャンパス内の同じ場所で昼飯を食べていた、それだけの仲だ。


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