桜咲く社で

鳳仙花。

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第三章

第二十六話 迫る獣



 鳥居をくぐって現世へ戻ると、月読尊が言う通り同じ場所に戻ってきていた。変わらず凄惨な大地が広がった煙燻る土地ではあるが、見知った者の顔を見て薫子はホッと息をつく。突然現れた二人の姿に一瞬気を張り詰めた十六夜達だったが、茜鶴覇と薫子だと分かるなり二人の生還に強く驚愕し、喜んだ。
 何があったのかと訊ねられどこから説明しようか薫子は悩んだ。桜花と会った事も含めると、今ここで詳細を話して聞かせるより一旦社に戻ってからでも遅くはないと思ったからである。怪我人も多い上に、焼け野原にわざわざ滞在する理由はない。他に散らばった者たちの事も気がかりだ。
 ひとまず天照大御神と月読尊に助けてもらったのだと噛み砕いて説明し、後は社で話す事にした茜鶴覇と薫子。ふたりの説明を聞いて納得したその場の全員が腰を上げ、社へと向かおうとしていた。
 ピタリと動きを止めた圓月が、ある一点を見つめる。
「待て、あれは…」 
巨大な狐に跨った人影が遠くから迫ってきているのに気がついた。皆も圓月の視線を追って遥か遠くを見つめる。
(あのシルエットは)
必死に走ってくる狐の上に跨る男、それは重傷を負った火響だった。
 瀕死の火響を見て翼を広げ、青ざめた顔を隠すこともなく飛んでいった圓月。
「火響ーーッ」
「圓月様……ご無事で、したか」
圓月を見るなり火響は安堵の息を漏らしてぐらりと落下する。力無く地面に落下した火響はゴロゴロと転がりうつ伏せに伏せった。赤黒い血の染みが地面に広がる。
 狐はすぐに止まって引き返した。圓月も火響の側まで来るとすぐに抱き起こす。右目を潰され、左腕が無い火響は体中に裂傷を負い、既に虫の息同然だった。
「一体何があった」
「………」
荒い呼吸で圓月に右の拳を差し出す。圓月は血の気が失せた青白い彼の手に触れた。冷え切った震えるその右手は何かをギュッと握りしめている。
 その間に茜鶴覇達は圓月に追いつき火響の変わり果てた姿を見て息を呑んだ。
「蛇歌…!頼む…助けてくれ、頼む……!」
「わかってる」
蛇歌は治療をしようと駆け寄るが、神力の使いすぎが祟ったのか二歩目で膝をついてしまった。
「私がやる」
亜我津水が肩で息をする蛇歌を追い越して近寄ると、火響の側に座って治療を始める。細長く美しい手が彼の心臓部分に添えられ、優しい木漏れ日のような光が火響の体を包みこんだ。一瞬顔を歪めたが、すぐに和らいだ表情になる火響。
(やっぱりこの方は本当にすごい方なんだな)
薫子は真剣な面持ちの亜我津水を見つめながら思う。
 実はあやかしの治癒を神がするには相当の技術が無ければ不可能なのだと、薫子は戦いが始まる前そう史から教えられていた。
 神力と妖力は力の関係図で表すと真逆に位置し、反発し合う上に相性も悪く、互いに毒となってしまう。中央の山の結界に低級のあやかしが入ってこれない理由がまさにこれだ。下手に踏み入れば浄化の力が身体に巡り、己の妖力と混ざり合って消し飛ぶのである。ある程度自身の妖力を扱える者であれば平気なようだが、その辺のあやかしがやろうと思ってやれることではない。
 (たしか逆もまたしかりなんだっけ)
地獄のように邪気が大気に充満している場所でも同じ事が言える。邪気は妖力と同じく負の氣だ。前回薫子が攫われた時、皆なんともない顔をしていたがあれは茜鶴覇達だったから邪気に蝕まれなかっただけである。上級神の中でもあれだけ濃い邪気の中で己の力を最大限発揮できる者は、一体どれ程居るのだろうか。
 このようにお互い反発し合う力ゆえに当たり前と言えば当たり前なのだが、手を尽くした所で治癒とは真逆の事態を招きかねない。上級神の中でも神力を操る事に長け、更に適正が合う極一部の者だけが出来る文字通りの神業である。
 幸い、社関係者はそれに該当する神が多い。圓月は少しホッとした顔で火響に差し出された物を見つめた。
「これ、を。十六夜様に…」
十六夜は圓月の手の平を見ていたが、何か分かるや否や瞳孔を揺らした。
「それは、雀梅の組紐か」
「はい」
火響が頷くと、圓月は声を抑えて再び訊ねる。
「何があった」
「……俺を庇った雀梅様は、暴食の悪魔…ケルベロスに喰われ、戦死しました」
それを聞いた虎文は、圓月の手の平にある血の染みた組紐を見る。それは四神が付けている組紐で、雀梅が死ぬ直前に火響へ託した物だった。
「申し訳…ありませ…。おれは…俺は、彼女にただ守られてばかりで、役目も果たせず…敵前逃亡いたしました。貴男の顔に、泥を塗ってしまった…。申し訳ありません、主君。申し訳ありません」
「火響…」
咳き込み、涙ながらに謝罪を口にする火響。圓月はボロボロになってしまった彼の肩をギュッと強く抱きしめた。
 苦しげなその懺悔を聞いていた虎文は、静かに首を横に振る。
「…謝るな火響。お前だけでも無事で本当に良かったんだ。敵前逃亡は悪じゃない。全滅する前に素直に引いたのはお前の理性と、雀梅の冷静さで出した最善の選択だったんだろう。だからそんな、生きてて申し訳なさそうな顔をするな。他でもないお前が己の命を軽んじるな」
火響は悔しさからなのか、何も答えず奥歯をグッと噛み締めた。己の無力さに心が折れてしまいそうな火響。薫子は彼の気持ちは痛い程に分かってしまう。守られて何もできず、自分ではない誰かが代わりに傷付いていく。責任感の強い火響が一体どんな気持ちでこの組紐を持って帰ってきたのか、想像するに容易かった。
 
 「……えっ」

 薫子は重く禍々しい気配が近付いてくるのを感じ、弾かれたように振り返る。森の少し先から黒く重い死の気配が漂っていた。ズシンズシンと、一歩ごとに地鳴りを轟かせて確実に近付いてくる巨大な何かは真っ直ぐこちらへと歩いて来ていた。
 「あれは…」
十六夜に支えられたまま風牙は目を細める。その巨大な何かはあらゆる物を取り込んでどんどん大きくなっているように見えた。
 「……ケルベロス、もうこんな場所まで」
火響は無理やり起き上がろうとしたが、力が入らず再び圓月の腕の中に倒れ込む。
「相手はわしがしよう。お主らは早く社へ」
十六夜が茜鶴覇に風牙を預け、皆から離れようとしたが火響は血相を変えて呼び止めた。
「待ってください」
「なんじゃ、どうした」
十六夜が問いかけると火響は浅い呼吸のまま叫ぶ。
「アレに妖力は愚か、神力すらも効きません!全てを食らい尽くしてしまいます。木も、水も、大地も何もかもを食らってあの化け物の養分となる」
「食う、だと?」
圓月はあり得ないと言いたげの顔で聞き返したが、火響が嘘を言うとは思えない。十六夜もそれは分かっているのか何かを考えていた。そうしている間にもあの化け物は一歩、また一歩と近づいてきていた。木々を薙ぎ倒しながら向かってくるケルベロス。あと少しで向こうの森を抜けそうだった。
 「物理も効果がありません、一対一は避けた方が良いかと」
「……わかった」
十六夜は素直に頷くと、岳詠穿と虎文に目配せする。
「今ここにいる者でまともに動けるのはお主らくらいじゃ。もうひと踏ん張りしてもらうぞ」
「御意に」
虎文はニッと笑ってすぐに了承した。岳詠穿も問題ないといいたげに槍を握り直す。
「亜我津水は火響と他の者達を任せる。ついでに圓月が飛び出して来んように見張っておれ。そいつも中々に重傷じゃ」
「はいはい、わかったから早く行ってきてちょうだい。今集中したいからアイツ来られるとかなりめんどくさいのよ」
「なんだよその厄介なガキ扱い…」
圓月は口を尖らせて反論したが、十六夜の言う通りあちこちに深い火傷や裂傷が見受けられる。本当ならもう動けなくなっていても良いくらいだ。
「ちょっと圓月!動かないで」
「うっ」
十六夜に反論しようと身動ぎしたせいか亜我津水がピシャリと言いつける。この様子なら圓月が飛び出して行くことはなさそうだ。
 「頼んだぞ」
十六夜は二人の様子を見て任せると、虎文と岳詠穿を連れてすぐに前線へと向かう。
 森を抜けて真っ直ぐにやってくるケルベロスは、周囲の邪気や生命力を奪って元の大きさのおよそ五倍程になっていた。三人は迫ってくる化け物を前に口を開いた。
 「…だがどうする。火響が言った通りならば少々厄介な相手だ」
岳詠穿は様子見で鋭く尖らせた岩を無数にケルベロスへ飛ばしてみた。しかし巨大な拳で薙ぎ払われた上に、何本かを掴み取ってバリボリと食い始めた。それすらも栄養としているらしく、また少し体躯が大きくなったように見える。
 その光景を見ていた虎文は首を傾げた。
「神力も力技も駄目なら封印するしかないでしょうね。まあ…悪魔を封印なんてできるかわかりませんけど」
「アレを封印するにはちと骨が折れそうじゃがな。何せ前例がない。この場に夢幻八華でも居れば話は別じゃろうが、今から呼んで居ては間に合わん」
十六夜は溜め息を吐いて化け物を見る。もうすぐそこまで来ていたケルベロスの邪気は重く、吸っているだけで目眩がしてくるようだった。こんな濃度の邪気を吸えば人間である薫子と史はまず無事ではない。何としてもここで留める必要があった。
 三人が戦闘態勢に入るのを遠目に見た薫子は、言い表せない不安が胸の中に駆け巡る。亜我津水が結界を張ってはくれたものの、火響の言っていることが事実ならそれも無意味だ。精々ケルベロスから放たれている死の邪気から身を守る程度である。
 茜鶴覇は前線に出ようとしたが、神殺しの毒によって狂わされた神力の乱れが未だに酷く、まともに戦えるかは分からない。下手に手を出せば足手まといとなるだろう。仕方なく護衛という形で後方に残った茜鶴覇は、ただ三人の後ろ姿を見守るしか無かった。

 その時。

薫子は視界の端に火花のようなものが見えた気がした。アレはなんだと理解する前に一拍置いて、水平線の如く炎が横薙ぎに走る。化け物目掛けて迷うこと無く駆け抜けた炎が爆音と共に大炎上を起こした。熱波が結界を揺らし、飛ばされてきた砂が嵐のように舞う。
「これは…」
見覚えのある金色こんじきの炎に、十六夜と岳詠穿はハッと目を見開いた。
 ケルベロスはまた炎かと言いたげに深く吸い込む。炎すらも喰らい尽くしてしまう暴食の悪魔には痛くもかゆくも無い。
 筈だった。
「…!?」
食っても食っても減らず炎上し続ける火柱に、ケルベロスは徐々に体表が燃やされ始めていることに気がつく。
「何だ?この炎は」
「太陽の炎を喰うとは、随分と無礼で無謀で無知な者だ。喰えるものなら喰うてみるがいい」
ケルベロスの呟きにどこからか声が響いた。ゆったりとした威厳のある深い女の声。少しばかりの嘲笑を含んだ声音こわねは先程薫子が話していたあの天上の神の声である。
「お、前は」
登ってきた朝日の眩しい光から姿を現した天照大御神。背負う太陽と同じ金色の瞳がケルベロスの醜い姿を映した。
「太陽は全てを呑み込み無に還す。そなたのような獣畜生に取り込めはせぬのだ」
クスクスと嘲笑うと、天照大御神は指先を宙にかざす。
「愚かしい生き物よ。我の前に平伏し、その命を差し出せ」
ケルベロスは獣の直感から何かを感じ取ったらしく、咆哮と共に口から炎を噴き出す。
 だが炎が天照大御神に届く前に体が灰になって崩れ始めた。霧散する黒煙ごと太陽の炎は何も残さず燃やし尽くす。
 陽光を背に冷たい目を細める天照大御神は、暴食の悪魔が冥界へと消え去るのを見届け肩に掛かった髪を背へ払い除けた。
「天照大御神様…」
薫子が呆然と見ていると、天照大御神はこちらへ向かいながら口を開く。
「だから言っただろう、早急に戻ったほうが良いと」
やれやれと言わんばかりに肩をすくめた天照大御神は、ふと圓月の手に握られた組紐を見る。何か思うことがあるのか、天照大御神は音もなく圓月に近寄り、茜鶴覇を一瞥した。
「気まぐれで手を貸すのはこれが最後だ」
そいうと圓月の手から組紐を取り、ふう…と息を吹きかけた。その瞬間組紐から小さく炎が燃え始めやがて大きな炎となる。橙色の炎は徐々に姿を変えて巨大な鳥の姿に顕現すると、地面に足を付いて蹲った。
「鳥…?」
薫子が思わず呟くと、その鳥の羽根は段々と布へと形を変える。頭巾のような布になったそれは、もぞもぞと動き顔を上げた。
「………」
キョトンとした黒髪の少女は理解が追いつかず、周りを見渡す。
「十六夜様、虎文…?」
少女がそう呟いた瞬間、薫子は嬉しさと驚きが入り混じった感情でその場についしゃがみ込んでしまう。その少女はケルベロスに殺された筈の雀梅だった。
「薫子殿」
ギョッとした声色でアタフタする雀梅がやけに懐かしくて、薫子は思わず泣いてしまった。虎文はガシガシと雀梅の頭を押しつけるように撫でる。
「虎文、痛い。雀梅犬じゃない、やめろ」
「うるせぇ心配掛けた罰だ。このくらい我慢しろ」
涙目の虎文の表情にその場の全員が安堵で頬を緩める。
 「元々その組紐にはそなたらの神力が込められていた。本来こういった命を輪廻から引き戻す行為は世の理に反するが……まあ、此度の働きも鑑みての判断だ。それに、こちらとしても色々と喜ばしい事もあったのでな」
その視線は茜鶴覇と薫子へと向いている。意味深な彼女の発言に茜鶴覇は眉を顰めた。
「とはいえ我が直接手を貸すのは今回限りだ。次はない」
釘を差すように言う天照大御神に十六夜は肩をすくめる。
「随分機嫌が良いのぉ、天照大御神」
「つまらん時間が長かったのでな。暫くは愉快なそなたらを見て暇つぶしをする予定だ。精々愉しませてくれ」
「それはまた良い趣味じゃの」
皮肉に皮肉で返した十六夜に天照大御神は少し笑った。
「そなたが守護神の権能を手放した時はもっと扱いづらい小童だったが、幾分か丸くなったな十六夜」
「あ~あ~五月蝿いのぉ~」
両手で耳を閉じて聞かない態度を示す十六夜。
「……そなたの成長も我らの娯楽の一部だ。励む事だ」
天照大御神はそう言うなり少し笑って朝日と共に消えた。
 雀梅は呆然としていたが、火響の怪我を見てハッとする。
「火響。雀梅、わかるか?」
「……そんな短時間で、ボケたりしません。分かりますよ…」
「そうか、わかった」
雀梅は亜我津水と視線を交わす。治癒を続けていた亜我津水はそっと身を引いた。
 代わりに雀梅は火響の傍らに座ると印を結び、橙色の炎を宙に数個漂わせた。そしてフワフワと揺れながら火響の胸や腕、瞳に入り込み、とろりとした粘着性の炎が傷を覆って細胞から再生させていく。
「傷が……治っていく」
圓月は嬉しそうに呟いた。雀梅を見るとドヤ顔で圓月を見ている。
「こんなもんじゃない、雀梅の力舐めるな」
そう言った瞬間、急に食われた筈の腕に骨が現れ、筋繊維、神経、皮、血液、その全てが元通りになった。潰れた眼球も元に戻り、傷ついた内臓も修復している。
「雀梅言った。何かあっても全快させてやる。もう二度と、目の前で死なせたりない」
ふんと鼻息を吐き出した雀梅。回復した火響は驚いた顔で無くした左腕を握って、開いてと繰り返した。
「動かない所あるか」
「いえ、ありません…。ありがとうございます」
「雀梅、今回活躍無かった。今から雀梅が活躍する番」
やる気に満ち溢れた顔で炎をたくさん出すと、全員の身体に溶かしていく。温かい炎が体の芯から温め、大小関係なく傷を癒していった。
 「…四方に散った者たちを社に召集させよ。事の顛末を話さねばならぬ」
茜鶴覇はそういうと爪雷を見る。
「お前も来い、爪雷」
「……分かってる、今更逃げも隠れもしねぇよ」
爪雷は素直に頷いた。
(きっとまだ思うことはあるんだろう)
でも爪雷なりに考えて行動し、全力でやった結果だ。どう転んでも彼は受け入れるしかない。

 それがたとえどんな未来だとしても。
    
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