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第一章
③マリーの告白
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ヘレンがメイドのマリーに憑依して丸一日が経つ。メイドの仕事は傍から見ていたのと違って大変だった。
見るのとやるのとではやっぱり違うわねと……。
ヘレンは毒殺犯を探すためにマリーの体を借りていたのに、いつしかメイドの仕事を覚えるのに必死になっていた。そんな時、休憩中に自分が服毒した時の話が出て来る。
「でも、ヘレン様の苦しみ方はすごかったわね」とルイーズが言った。
マリー(ヘレン)がルイーズの話に耳を傾ける。ルイーズが話を続けた。
「あの日はいつものようにトムス様とヘレン様のお二人だけのお食事だったんだけど」
「何事もなくお二人は楽しくお食事をされていたわ。」
「食後にはヘレン様はワインを飲んでらしたわ」
「でもね、突然ヘレン様が口を手で抑えたと思ったら吐血して」
「それからテーブルにうつ伏せになって動かなくなったの」
「いやもう、あっと言う間の出来事で、私もトムス様もあっけに取られて……すぐに動けなかったわ」
ルイーズがマリー(ヘレン)に声をかけた。「マリーもそうでしょう?ヘレン様の側にいたあなたがすぐに動けなかったんだから」
そこへメイド長のアリサが現れた。
「ほら、あなたたち、仕事しなさい」
「はーい」
「マリー」アリサが呼んだ。
「はい、何でしょうか?」
「そろそろヘレン様のおむつを取り替えてあげてくれる?」
「はい」
マリー(ヘレン)はヘレンの寝ている部屋へ向かった。
静まり返ったこの部屋で、一人意識をなくしている自分の体を、濡れタオルで拭いていておむつを取り替える。
マリー(ヘレン)の目から涙がこぼれた。
「今夜、マリーに尋ねなくちゃ」
マリーは潜在意識の中のあの小さな部屋にいるはず。
マリー(ヘレン)はおでこを中差し指でトントンとつつきながら呟いた。「マリー、聞こえてる?」
❖
深夜、ヘレンはマリーの潜在意識の中に入っていた。奥の方に明かりが漏れている部屋がある。あそこにマリーがいる。
ヘレンは滑るように廊下を進むとドアを開けた。椅子に座っていたマリーが振り向いた。
「ヘレン様」マリーは椅子から立ち上がると、すぐに土下座をして謝った。「お許し下さいヘレン様」
マリーはヘレンが尋ねもしないのに、自分から話し始めた。
「私はあの日、ヘレン様が服毒された時の給仕でした」
「私がヘレン様の係で、ルイーズがトムス様の係でした」
「でも少しの間だけ、交代してと頼まれたんです」
ヘレンが怪訝な顔をして聞いた。
「誰に頼まれたの?」
「ローズ様です」
「ローズが?まさか……」
「はい、ローズ様がお姉様をびっくりさせたいから交代してほしいと私に頼んだのです」
「ローズがあの場所にいただなんて……にわかに信じられないわ」
「本当なんです。ローズ様はずっと部屋の外の通路で待機していました」
「ヘレン様とトムス様の食事が終わって……トムス様がヘレン様にワインを飲もうって言われて……」
「変ね、トムスは私がワインを飲まないのを知っているはずなのに」
「トムス様はヘレン様に、こう言ったんです」
「君にも飲めそうなワインを見つけたんだよって、飲んでみないかって」
「それで私が飲んでみると、返事をしたのね?」
「はい。でもヘレン様は気乗りしないご様子でした。ヘレン様が渋々飲むとお答えした瞬間、トムス様が私に……」
「マリー、部屋の外に用意をしてあるから持って来てくれないかって」
「だから私は部屋の外へ行きました。そこには私がいました」
「……」ヘレンがマリーを見つめてもう一度聞いた。
「誰がいたですって?」
「私です」
「……」
「私そっくりのローズ様がいました」
「ローズ様は私と入れ替わりに、ワゴンにワインとワイングラスを乗せて部屋に入って行きました」
「しばらくして部屋の中から叫び声が聞こえてきたんです。私はどうしようかと迷っていたんですが ……」
「するとその時、ローズ様が叫びながら出て来たんです。『誰か!誰か来て!』って。そしてローズ様は私の顔を見ると、私に……」
「『ヘレンお姉様が倒れたからみんなを呼んで来てちょうだい!早く!』」
「私は言われた通りみんなを呼びに行きました」
「戻って来るとちょうどトムス様がヘレン様を抱えられて、こちらへ向かって来るところでした」
「気がつくと、いつの間にかローズ様はいませんでした」
「翌日 、ヘレン様のお見舞いに来られたローズ様に呼ばれて私に言いました」
「『昨日、私はここにはいなかった。ワインを持って行ったのはあなたよ。わかったわね、マリー』って」
「口止めをされたのね?」
「はい」
泣きじゃくるマリー。
「ごめんなさい、ヘレン様~!」
ヘレンはマリーを優しく抱きしめると「もう少しあなたの体を貸してね?」
ヘレンはマリーの潜在意識から抜け出すとゆっくりと目を開けた。
(マリーの言っていることが真実なら夫のトムスと妹のローズはグルになる)
(あー……。少し思い出して来たわ。私が毒を飲まされた前の晩、トムスは私を激しく求めて来た)
(そして、寝ているときに呟いた言葉も覚えているわ)
(トムスは確かにこう言った。『すまない、ヘレン』と……)
(知っていたからあの時、すでに私が毒を飲まされると知っていたから、だからトムスはあの日、激しく抱いたのね)
(もう二度と私を抱けないのを知っていたから……)
(あー……私は激しく求められて愛されていると勘違いをしていた)
(うふふふふふふふふ……)
「私が納得のいくまで説明をしてもうらうわ、トムス」
見るのとやるのとではやっぱり違うわねと……。
ヘレンは毒殺犯を探すためにマリーの体を借りていたのに、いつしかメイドの仕事を覚えるのに必死になっていた。そんな時、休憩中に自分が服毒した時の話が出て来る。
「でも、ヘレン様の苦しみ方はすごかったわね」とルイーズが言った。
マリー(ヘレン)がルイーズの話に耳を傾ける。ルイーズが話を続けた。
「あの日はいつものようにトムス様とヘレン様のお二人だけのお食事だったんだけど」
「何事もなくお二人は楽しくお食事をされていたわ。」
「食後にはヘレン様はワインを飲んでらしたわ」
「でもね、突然ヘレン様が口を手で抑えたと思ったら吐血して」
「それからテーブルにうつ伏せになって動かなくなったの」
「いやもう、あっと言う間の出来事で、私もトムス様もあっけに取られて……すぐに動けなかったわ」
ルイーズがマリー(ヘレン)に声をかけた。「マリーもそうでしょう?ヘレン様の側にいたあなたがすぐに動けなかったんだから」
そこへメイド長のアリサが現れた。
「ほら、あなたたち、仕事しなさい」
「はーい」
「マリー」アリサが呼んだ。
「はい、何でしょうか?」
「そろそろヘレン様のおむつを取り替えてあげてくれる?」
「はい」
マリー(ヘレン)はヘレンの寝ている部屋へ向かった。
静まり返ったこの部屋で、一人意識をなくしている自分の体を、濡れタオルで拭いていておむつを取り替える。
マリー(ヘレン)の目から涙がこぼれた。
「今夜、マリーに尋ねなくちゃ」
マリーは潜在意識の中のあの小さな部屋にいるはず。
マリー(ヘレン)はおでこを中差し指でトントンとつつきながら呟いた。「マリー、聞こえてる?」
❖
深夜、ヘレンはマリーの潜在意識の中に入っていた。奥の方に明かりが漏れている部屋がある。あそこにマリーがいる。
ヘレンは滑るように廊下を進むとドアを開けた。椅子に座っていたマリーが振り向いた。
「ヘレン様」マリーは椅子から立ち上がると、すぐに土下座をして謝った。「お許し下さいヘレン様」
マリーはヘレンが尋ねもしないのに、自分から話し始めた。
「私はあの日、ヘレン様が服毒された時の給仕でした」
「私がヘレン様の係で、ルイーズがトムス様の係でした」
「でも少しの間だけ、交代してと頼まれたんです」
ヘレンが怪訝な顔をして聞いた。
「誰に頼まれたの?」
「ローズ様です」
「ローズが?まさか……」
「はい、ローズ様がお姉様をびっくりさせたいから交代してほしいと私に頼んだのです」
「ローズがあの場所にいただなんて……にわかに信じられないわ」
「本当なんです。ローズ様はずっと部屋の外の通路で待機していました」
「ヘレン様とトムス様の食事が終わって……トムス様がヘレン様にワインを飲もうって言われて……」
「変ね、トムスは私がワインを飲まないのを知っているはずなのに」
「トムス様はヘレン様に、こう言ったんです」
「君にも飲めそうなワインを見つけたんだよって、飲んでみないかって」
「それで私が飲んでみると、返事をしたのね?」
「はい。でもヘレン様は気乗りしないご様子でした。ヘレン様が渋々飲むとお答えした瞬間、トムス様が私に……」
「マリー、部屋の外に用意をしてあるから持って来てくれないかって」
「だから私は部屋の外へ行きました。そこには私がいました」
「……」ヘレンがマリーを見つめてもう一度聞いた。
「誰がいたですって?」
「私です」
「……」
「私そっくりのローズ様がいました」
「ローズ様は私と入れ替わりに、ワゴンにワインとワイングラスを乗せて部屋に入って行きました」
「しばらくして部屋の中から叫び声が聞こえてきたんです。私はどうしようかと迷っていたんですが ……」
「するとその時、ローズ様が叫びながら出て来たんです。『誰か!誰か来て!』って。そしてローズ様は私の顔を見ると、私に……」
「『ヘレンお姉様が倒れたからみんなを呼んで来てちょうだい!早く!』」
「私は言われた通りみんなを呼びに行きました」
「戻って来るとちょうどトムス様がヘレン様を抱えられて、こちらへ向かって来るところでした」
「気がつくと、いつの間にかローズ様はいませんでした」
「翌日 、ヘレン様のお見舞いに来られたローズ様に呼ばれて私に言いました」
「『昨日、私はここにはいなかった。ワインを持って行ったのはあなたよ。わかったわね、マリー』って」
「口止めをされたのね?」
「はい」
泣きじゃくるマリー。
「ごめんなさい、ヘレン様~!」
ヘレンはマリーを優しく抱きしめると「もう少しあなたの体を貸してね?」
ヘレンはマリーの潜在意識から抜け出すとゆっくりと目を開けた。
(マリーの言っていることが真実なら夫のトムスと妹のローズはグルになる)
(あー……。少し思い出して来たわ。私が毒を飲まされた前の晩、トムスは私を激しく求めて来た)
(そして、寝ているときに呟いた言葉も覚えているわ)
(トムスは確かにこう言った。『すまない、ヘレン』と……)
(知っていたからあの時、すでに私が毒を飲まされると知っていたから、だからトムスはあの日、激しく抱いたのね)
(もう二度と私を抱けないのを知っていたから……)
(あー……私は激しく求められて愛されていると勘違いをしていた)
(うふふふふふふふふ……)
「私が納得のいくまで説明をしてもうらうわ、トムス」
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