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第二章
⑨キャサリンの手の平の上
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朝食時、デビンが伯爵に話しかける。
「父上、今日は一日お暇を頂いてよろしいでしょうか?」
「ん?どこかへ行くのか?デビン」
妻のキャサリンが鋭い眼差しでデビンを見つめた。
「はい、学生時代の友人のコールに会いに行こうと思います」
妻のキャサリンがすぐに口を挟む。「あなた、コール様に会うというのは口実で、本当は女性の誰かと会うんじゃないでしょうね?」
「安心してくれ、コールに会うんだ。それで父上、外出の許可をお願いできますか?」
「あー構わんよ。君はよく働いてくれている。たまにはゆっくり学生時代の友人と、昔話にでも花を咲かせてくるといい」
「ありがとうございます、父上」
その時、まさかのキャサリンの一言がデビンを奈落に落とす。
「コール様のことなら私もよく存じています。あなた、私も連れて行ってください、コール様のところに」
「しかし、彼は今は平民になっている。貴族が2人も伺っては彼が気落ちするんじゃないかな」
伯爵が口を挟む。
「そういうものかもしれんな。デビンは我が伯爵家に婿として入ることができた。だがコールくんは婿入りすることができずに、平民に落ちたというわけか……キャサリン、たまには夫に暇をあげた方がいいんじゃないのか?婿殿が愛人を作ってからじゃ遅いんだぞ?」
なんてことを言ってくれるんだ父上、と心の中で叫びながらキャサリンの顔見ないようにした。
だが意外にもキャサリンはすんなりと身を引いた。
「分かりましたわ、旦那様。たまにはごゆっくりなさってきてください」
「あ、ああ」
妻の真意は分からなかったが、とにかくこのまま外出してしまおう、そうデビンは思った。
デビンは朝食後、いそいそと出かける支度を始め、伯爵家の馬車には乗らずに歩いて屋敷を出た。
通りに出ると流しの馬車がないか目を配りながら歩いていたがしばらく歩いたところで一台の馬車が後ろから走ってきた。
デビンはすぐに右手を上げて馬車を止めた。御者がデビンに尋ねる。
「どちらまで行かれるんですか?」
「王都の外れの住宅街だ」
「相席になりますがよろしいですか」
「あーかまわない」
御者が馬車のドアを開けてくれて、デビンが勢いよく乗り込んだ。
そして心臓が止まるかと思うほどの恐怖を感じた。
「あらあなた、王都の外れの住宅街に行くのですか?奇遇ですわね。私も行き先は同じです」
すまし顔で話しかけてくる、妻キャサリンを見つめて思わず返事を返してしまった。
「ああ、そうか。それなら一緒に行こう……」
(これはもう、絶対にコールの家までついてくるな……)
「父上、今日は一日お暇を頂いてよろしいでしょうか?」
「ん?どこかへ行くのか?デビン」
妻のキャサリンが鋭い眼差しでデビンを見つめた。
「はい、学生時代の友人のコールに会いに行こうと思います」
妻のキャサリンがすぐに口を挟む。「あなた、コール様に会うというのは口実で、本当は女性の誰かと会うんじゃないでしょうね?」
「安心してくれ、コールに会うんだ。それで父上、外出の許可をお願いできますか?」
「あー構わんよ。君はよく働いてくれている。たまにはゆっくり学生時代の友人と、昔話にでも花を咲かせてくるといい」
「ありがとうございます、父上」
その時、まさかのキャサリンの一言がデビンを奈落に落とす。
「コール様のことなら私もよく存じています。あなた、私も連れて行ってください、コール様のところに」
「しかし、彼は今は平民になっている。貴族が2人も伺っては彼が気落ちするんじゃないかな」
伯爵が口を挟む。
「そういうものかもしれんな。デビンは我が伯爵家に婿として入ることができた。だがコールくんは婿入りすることができずに、平民に落ちたというわけか……キャサリン、たまには夫に暇をあげた方がいいんじゃないのか?婿殿が愛人を作ってからじゃ遅いんだぞ?」
なんてことを言ってくれるんだ父上、と心の中で叫びながらキャサリンの顔見ないようにした。
だが意外にもキャサリンはすんなりと身を引いた。
「分かりましたわ、旦那様。たまにはごゆっくりなさってきてください」
「あ、ああ」
妻の真意は分からなかったが、とにかくこのまま外出してしまおう、そうデビンは思った。
デビンは朝食後、いそいそと出かける支度を始め、伯爵家の馬車には乗らずに歩いて屋敷を出た。
通りに出ると流しの馬車がないか目を配りながら歩いていたがしばらく歩いたところで一台の馬車が後ろから走ってきた。
デビンはすぐに右手を上げて馬車を止めた。御者がデビンに尋ねる。
「どちらまで行かれるんですか?」
「王都の外れの住宅街だ」
「相席になりますがよろしいですか」
「あーかまわない」
御者が馬車のドアを開けてくれて、デビンが勢いよく乗り込んだ。
そして心臓が止まるかと思うほどの恐怖を感じた。
「あらあなた、王都の外れの住宅街に行くのですか?奇遇ですわね。私も行き先は同じです」
すまし顔で話しかけてくる、妻キャサリンを見つめて思わず返事を返してしまった。
「ああ、そうか。それなら一緒に行こう……」
(これはもう、絶対にコールの家までついてくるな……)
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