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第六章
㊴緊張の無接触の初夜
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部屋に戻ると、部屋の片隅には鏡台が置いてあった。食事の間にサンバルが置いてくれたのだ。
アレスがメアリーに声をかける。
「見てごらん、引き出しの中にも化粧品がたくさん入っているよ」
「うわぁ、本当ですね。でも私なんかがこんなの使っていいのでしょうか…」
「もちろんだよ。君のために用意してあるんだから遠慮なく使ってくれよ」
「はい、ありがとうございます」
アレスが何やら思案気に話し始める。
「あのさ、一応、私たちは夫婦になったんだから、互いの呼び方を決めないか?」
「呼び方ですか?アレス様ではいけないのですか?」
「父上の前や、公の席ではその呼び方で構わない、だが、二人きりの時はもっとこう……違う呼び方があると思うのだ」
メアリーが困ったような表情で尋ねる。
「例えばどのような呼び方でしょうか?」
「そう、そうだな、アレス君、とか。レス君、とか。アー君、とか。何かあるだろう?親しみを込めた呼び方が」
メアリーは目を瞑って考える。
「そうですねぇ、レス君ではどうでしょうか?」
「なんだか君、喋り方が事務的っぽいよね?」
「はぁ、まあ、使用人でしたから……」
「あ、じゃあ、レス君と呼んでくれ。それから君のことは、二人だけの時は……そうだな、略してメリー でいいか」
「メ、メリー……ですか?」
メアリーはにっこり笑って返事をした。
「そうですね、いいですよ、レス君がそう 呼びたければ」
メアリーのように若い女の子に『レス君』と呼ばれたアレスの顔はものすごくほころんでいた。
その後、二人とも順番に入浴を済ませ、メアリーがベッドの上に乗ってカーテンを引き始めた。
ポカンとするアレス。べットの中央に、カーテンが縦に引かれていた。
(サンバルの仕業か……)
「サンバル様がわざわざ天井に取り付けてくれたのです」
「メリーは右側がいいか?左側がいいか?どっちがいい?」
「私はどちらでもいいです。レス君が決めてください」
(あ~、やはりいいな、レス君という呼び方は……)
「あ、じゃあ、私は右側にするよ」
「では私は左側ですね、それでは、レス君、お休みなさい」
「あぁ、お休み、メリー」
しばらくすると隣で眠るメアリーの寝息が聞こえてきた。
(メリーはもう寝ているのか、全く無邪気なものだ。ふふふ、これが経験の差か……)
アレスは、カーテンで間仕切りされているとはいえ、新妻が隣で眠っていることに、若干の興奮を覚え、なおかつ、マーガレットとの情事を思い出し、一晩中身悶えしながら朝まで起きていた。
❖
「ーー君」
「ース君」
「レス君」
「!、あ、あー、メアリー……」
「レス君、起きてください!朝ですよ?」
「え!」すぐに起きるアレス。窓の外はすっかり明るくなっていた。
「レス君、二人だけの時は、私はメリーですよ」
「あ、そうだった。おはよう、メリー」
「おはようございます。レス君」
どうやらアレスは、メアリーの可愛らしさに、心を鷲掴みされてしまったようだ。
アレスの顔はものすごくにやけていた。
アレスがメアリーに声をかける。
「見てごらん、引き出しの中にも化粧品がたくさん入っているよ」
「うわぁ、本当ですね。でも私なんかがこんなの使っていいのでしょうか…」
「もちろんだよ。君のために用意してあるんだから遠慮なく使ってくれよ」
「はい、ありがとうございます」
アレスが何やら思案気に話し始める。
「あのさ、一応、私たちは夫婦になったんだから、互いの呼び方を決めないか?」
「呼び方ですか?アレス様ではいけないのですか?」
「父上の前や、公の席ではその呼び方で構わない、だが、二人きりの時はもっとこう……違う呼び方があると思うのだ」
メアリーが困ったような表情で尋ねる。
「例えばどのような呼び方でしょうか?」
「そう、そうだな、アレス君、とか。レス君、とか。アー君、とか。何かあるだろう?親しみを込めた呼び方が」
メアリーは目を瞑って考える。
「そうですねぇ、レス君ではどうでしょうか?」
「なんだか君、喋り方が事務的っぽいよね?」
「はぁ、まあ、使用人でしたから……」
「あ、じゃあ、レス君と呼んでくれ。それから君のことは、二人だけの時は……そうだな、略してメリー でいいか」
「メ、メリー……ですか?」
メアリーはにっこり笑って返事をした。
「そうですね、いいですよ、レス君がそう 呼びたければ」
メアリーのように若い女の子に『レス君』と呼ばれたアレスの顔はものすごくほころんでいた。
その後、二人とも順番に入浴を済ませ、メアリーがベッドの上に乗ってカーテンを引き始めた。
ポカンとするアレス。べットの中央に、カーテンが縦に引かれていた。
(サンバルの仕業か……)
「サンバル様がわざわざ天井に取り付けてくれたのです」
「メリーは右側がいいか?左側がいいか?どっちがいい?」
「私はどちらでもいいです。レス君が決めてください」
(あ~、やはりいいな、レス君という呼び方は……)
「あ、じゃあ、私は右側にするよ」
「では私は左側ですね、それでは、レス君、お休みなさい」
「あぁ、お休み、メリー」
しばらくすると隣で眠るメアリーの寝息が聞こえてきた。
(メリーはもう寝ているのか、全く無邪気なものだ。ふふふ、これが経験の差か……)
アレスは、カーテンで間仕切りされているとはいえ、新妻が隣で眠っていることに、若干の興奮を覚え、なおかつ、マーガレットとの情事を思い出し、一晩中身悶えしながら朝まで起きていた。
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「ーー君」
「ース君」
「レス君」
「!、あ、あー、メアリー……」
「レス君、起きてください!朝ですよ?」
「え!」すぐに起きるアレス。窓の外はすっかり明るくなっていた。
「レス君、二人だけの時は、私はメリーですよ」
「あ、そうだった。おはよう、メリー」
「おはようございます。レス君」
どうやらアレスは、メアリーの可愛らしさに、心を鷲掴みされてしまったようだ。
アレスの顔はものすごくにやけていた。
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