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⑦リセットがセンフーを救う
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ゴロウは今日1日、王都の街をぶらぶらと歩き回ることにした。
昨日は吸血鬼が出て、王都見物どころじゃなかったからだ。
「ゴロウ!ゴロウじゃないか」
振り向くとセンフーがいた。
センフーは、
「暇なら、なにか食べに行かないか?奢るぜ」
センフーに連れて行かれた店は、前世で言うメイド喫茶のようだった。
黒のミニスカートで、半袖の胸元が少し開いた白い服を着ている。
頭には大きな付け耳が2つ、お尻にはしっぽがついていた。
20前後の女の子だ。
「センフー様、お帰りなさいませ」
鼻の下を伸ばしたセンフーが
「ただいま、カオリン!」
センフー「今日のお勧め定食2つ下さい」
「今日のお勧め定食2つですね?ありがとうございます。お飲み物はいかがされますか?」
「酒2つ」
慌ててゴロウが「俺は酒は入らないです。水でいいよ」
「ありがとうございます。少々お待ちください」
ウエイトレスはお辞儀をして戻って行った。
センフー「いいだろ?この店。店の女の子が可愛くて、丁寧で優しくてさ」
「そうだね」
ゴロウはちょっとドン引きしていた。
センフーが急に真面目な顔で、
「この前は助かったよ。改めて礼を言う。ありがとうな」
「いや、俺はなにも。俺は剣を取って闘った訳じゃじゃないし、助けたのはセンフーの仲間たちじゃないか」
「でもゴロウがいなけりゃ、あいつら来なかったぜ。ところでゴロウはなにしてるんだ?今」
「なにも…宿に泊まって仕事探しさ」
「なら俺たちとダンジョンに潜らねえか?」
「ダンジョン?無理。俺、なにもできないし」
「ゴロウのスキルは大したもんだぜ?」
「そうかなあ」
料理が運ばれて来た。
「お待たせしました。センフー様」
「あ、こいつゴロウ」
「お待たせしました、ゴロウ様」
「ありがとう」
「ごゆっくりお召しあがりくださいませ」
お辞儀をして戻っていった。
定食はご飯とお肉入りスープと野菜サラダ、魚の塩焼きと水。
ゴロウはスープを見て、リンダを思い出していた。
リンダは今頃、どうしているのかなあと……
「ゴロウ。お前昨日、吸血鬼の出たところにいただろう? 」
「ああ、うん」
「俺もいたんだ。ゴロウを見かけて声をかけようとしたら騒ぎが起こっただろ?」
「で、よそ見してゴロウを見たら、もう一目散で逆方向へ駆け出していた。お前、スキル使ったな?お前絶対に長生きすると思うぜ?」
「でも昨日は危なかったんだ。うちの宿に吸血鬼が侵入してきてさ。危ないところを、バコさんに助けてもらった」
「へー。バコのやつが?衛兵と一緒じゃなかったか?」
「うん。一緒だった。一緒に帰って行ったよ」
「あいつ……また小遣い稼ぎしているのか。あした奢ってもらおっと」
「はは……」
「あ!やばい。俺キュウに呼ばれていたんだ。行かなくちゃ、ゴロウはゆっくりと食べていけよ。お金は払っておくから安心しろ、じゃな」
「うん、ありがとう」
センフーが店を出ようと扉を開けた瞬間、センフーの背中から刀が飛び出してきた。
センフーがよろめいて、後ろ向きのまま後ずさり、俺の目の前で絶命した。
俺はすぐに『リセット』を発動した。
数分前に戻ったゴロウに目の前にはセンフーがいてゴロウに話しかけていた。
「キュウに呼ばれていたんだ!いかなくちゃ」
ゴロウが無意識でセンフーに声かける。
「待て!」ゴロウの言葉にギョッとするセンフー。ゴロウ続けて早口で喋る。
「待て!行くな!あの扉を開けた瞬間に、刀で一突き!殺されるぞ!」
センフーの顔が引きつっていた。
「俺が死ぬ未来を、見たんだな?」
「ああ」
「恩に着る」
そう言って裏口から逃げて行った。
店の入口で刀を抜き、突き刺す構えを取る男がいた。
店の屋根の上から、その男を狙うセンフーがいた。
そして静かに刀を鞘から抜くと、屋根から飛び降りた。
「「「うぎゃ!」」」
その男の肩口から脇腹にかけて刀が貫かれていた。
絶命した男の側にはセンフーが立っていた。
刀を引き抜いてからその男の顔を見た。
「やっぱりか。反社組のモクゾウ……弟の敵討ちってか」
そこへ扉を少しづつ開けてゴロウが出てきた。
「センフーお前、逃げないで逆に返り討ちにしたのか」
この騒ぎですぐに衛兵が集まって来た。
「お前がやったのか」
衛兵がセンフーに尋ねる。
「賞金首のモクゾウだよ」
センフーが言った。
もう一人の衛兵が確認した。
「間違いありません。反社組のモクゾウです」
「そうか、御苦労だったな。あんたは賞金稼ぎかい?」
「俺は冒険者のセンフー。蒼き光のセンフーだ」
「そうか、あんたがセンフーさんか。賞金が出てるから明日、王城の衛兵詰め所まで来てくれるか?」
「わかった、後は頼む」
センフーがゴロウに近づいてきた。
「俺達のチームに入れ!いや、入ってくれ、ゴロウ」
ゴロウはそんなことよりも、食事代をセンフーが払っていないことに気づいていた。
払わないで、裏口から出て行ったことを思いだすんだ、センフーと心で叫んでいたゴロウだった。
「キュウたちにも話してみるよ。絶対に一緒に冒険者をやろうな。じゃな」
ゴロウの心の叫びは届かず、センフーは帰って行った。
その時、後ろから声がかかる。
カオリンだった。
「ゴロウ様。お食事代センフー様と合わせて銀貨4枚になります」
セ、センフーの分もか……仕方なくゴロウは銀貨4枚を渡した。
「ありがとうございました。ゴロウ様。またのお越しをお待ちしております」
ニッコリと微笑むカオリンがいた。
ゴロウは宿泊代と同じ料金をあっという間に失った。
昨日は吸血鬼が出て、王都見物どころじゃなかったからだ。
「ゴロウ!ゴロウじゃないか」
振り向くとセンフーがいた。
センフーは、
「暇なら、なにか食べに行かないか?奢るぜ」
センフーに連れて行かれた店は、前世で言うメイド喫茶のようだった。
黒のミニスカートで、半袖の胸元が少し開いた白い服を着ている。
頭には大きな付け耳が2つ、お尻にはしっぽがついていた。
20前後の女の子だ。
「センフー様、お帰りなさいませ」
鼻の下を伸ばしたセンフーが
「ただいま、カオリン!」
センフー「今日のお勧め定食2つ下さい」
「今日のお勧め定食2つですね?ありがとうございます。お飲み物はいかがされますか?」
「酒2つ」
慌ててゴロウが「俺は酒は入らないです。水でいいよ」
「ありがとうございます。少々お待ちください」
ウエイトレスはお辞儀をして戻って行った。
センフー「いいだろ?この店。店の女の子が可愛くて、丁寧で優しくてさ」
「そうだね」
ゴロウはちょっとドン引きしていた。
センフーが急に真面目な顔で、
「この前は助かったよ。改めて礼を言う。ありがとうな」
「いや、俺はなにも。俺は剣を取って闘った訳じゃじゃないし、助けたのはセンフーの仲間たちじゃないか」
「でもゴロウがいなけりゃ、あいつら来なかったぜ。ところでゴロウはなにしてるんだ?今」
「なにも…宿に泊まって仕事探しさ」
「なら俺たちとダンジョンに潜らねえか?」
「ダンジョン?無理。俺、なにもできないし」
「ゴロウのスキルは大したもんだぜ?」
「そうかなあ」
料理が運ばれて来た。
「お待たせしました。センフー様」
「あ、こいつゴロウ」
「お待たせしました、ゴロウ様」
「ありがとう」
「ごゆっくりお召しあがりくださいませ」
お辞儀をして戻っていった。
定食はご飯とお肉入りスープと野菜サラダ、魚の塩焼きと水。
ゴロウはスープを見て、リンダを思い出していた。
リンダは今頃、どうしているのかなあと……
「ゴロウ。お前昨日、吸血鬼の出たところにいただろう? 」
「ああ、うん」
「俺もいたんだ。ゴロウを見かけて声をかけようとしたら騒ぎが起こっただろ?」
「で、よそ見してゴロウを見たら、もう一目散で逆方向へ駆け出していた。お前、スキル使ったな?お前絶対に長生きすると思うぜ?」
「でも昨日は危なかったんだ。うちの宿に吸血鬼が侵入してきてさ。危ないところを、バコさんに助けてもらった」
「へー。バコのやつが?衛兵と一緒じゃなかったか?」
「うん。一緒だった。一緒に帰って行ったよ」
「あいつ……また小遣い稼ぎしているのか。あした奢ってもらおっと」
「はは……」
「あ!やばい。俺キュウに呼ばれていたんだ。行かなくちゃ、ゴロウはゆっくりと食べていけよ。お金は払っておくから安心しろ、じゃな」
「うん、ありがとう」
センフーが店を出ようと扉を開けた瞬間、センフーの背中から刀が飛び出してきた。
センフーがよろめいて、後ろ向きのまま後ずさり、俺の目の前で絶命した。
俺はすぐに『リセット』を発動した。
数分前に戻ったゴロウに目の前にはセンフーがいてゴロウに話しかけていた。
「キュウに呼ばれていたんだ!いかなくちゃ」
ゴロウが無意識でセンフーに声かける。
「待て!」ゴロウの言葉にギョッとするセンフー。ゴロウ続けて早口で喋る。
「待て!行くな!あの扉を開けた瞬間に、刀で一突き!殺されるぞ!」
センフーの顔が引きつっていた。
「俺が死ぬ未来を、見たんだな?」
「ああ」
「恩に着る」
そう言って裏口から逃げて行った。
店の入口で刀を抜き、突き刺す構えを取る男がいた。
店の屋根の上から、その男を狙うセンフーがいた。
そして静かに刀を鞘から抜くと、屋根から飛び降りた。
「「「うぎゃ!」」」
その男の肩口から脇腹にかけて刀が貫かれていた。
絶命した男の側にはセンフーが立っていた。
刀を引き抜いてからその男の顔を見た。
「やっぱりか。反社組のモクゾウ……弟の敵討ちってか」
そこへ扉を少しづつ開けてゴロウが出てきた。
「センフーお前、逃げないで逆に返り討ちにしたのか」
この騒ぎですぐに衛兵が集まって来た。
「お前がやったのか」
衛兵がセンフーに尋ねる。
「賞金首のモクゾウだよ」
センフーが言った。
もう一人の衛兵が確認した。
「間違いありません。反社組のモクゾウです」
「そうか、御苦労だったな。あんたは賞金稼ぎかい?」
「俺は冒険者のセンフー。蒼き光のセンフーだ」
「そうか、あんたがセンフーさんか。賞金が出てるから明日、王城の衛兵詰め所まで来てくれるか?」
「わかった、後は頼む」
センフーがゴロウに近づいてきた。
「俺達のチームに入れ!いや、入ってくれ、ゴロウ」
ゴロウはそんなことよりも、食事代をセンフーが払っていないことに気づいていた。
払わないで、裏口から出て行ったことを思いだすんだ、センフーと心で叫んでいたゴロウだった。
「キュウたちにも話してみるよ。絶対に一緒に冒険者をやろうな。じゃな」
ゴロウの心の叫びは届かず、センフーは帰って行った。
その時、後ろから声がかかる。
カオリンだった。
「ゴロウ様。お食事代センフー様と合わせて銀貨4枚になります」
セ、センフーの分もか……仕方なくゴロウは銀貨4枚を渡した。
「ありがとうございました。ゴロウ様。またのお越しをお待ちしております」
ニッコリと微笑むカオリンがいた。
ゴロウは宿泊代と同じ料金をあっという間に失った。
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