ゆうしゃ からは にげられない!

フセ オオゾラ

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ゆうしゃ からは にげられない!

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 あと、何回こんなことを続ければいいのか。
最初は崇高な使命だと息巻いていた事柄も、今や苦痛を感じる単調な作業でしかない。

 これが終わればまた面倒な政治的なやり取りが始まるだろう。
貴族の娘に生まれた時はある程度操作できてよかったが、今回は市井の生まれ。

「面倒だな……今度はなんて言って逃げようかしら」

 魔王の胸に刺した剣を抜き、その命を刈り取ったのを見届けながら、女勇者は呟いた。

「もう、1000年。それとも……まだ、1000年なの……?」

 女勇者は左手の親指の爪を噛む。もういつ頃からか覚えてない程昔からある、考えごとや苛立ちを覚えた時に出る癖だった。

 魔王が死んだことで、淀んだ瘴気が浄化され、美しい光の奔流が立ち昇る。いっそ幻想的と言える美しい光景は勇者の心を晴らすことはなかった。

◆◇◆◇◆◇

side魔王

あー、また敗けた。何度戦っても勇者という存在は強いな。

 倒されるのは別にいいんだが、折角自我もあるのだし、たまには勝ってみたいと思う。
1000年より前は人間相手に結構勝ったりもしてたんだけどなー。
 そん時は限界が来るまで余命を適当に過ごしたりもしたんだが、ここ最近は必ず勇者と名乗る女が魔王おれ魔王を討ちにくる。

毎回違う勇者が来ているが、どの勇者もきまって滅法腕が立つ。
そして毎回、優れた魔法式が組み込まれた剣と盾、軽装鎧を身に纏う女性で、幼かったり、思わず手を出したくなるような美女だったりもしたが、剣技と魔法は恐ろしい程似ている。同じ流派なんだろうな。
勇者の残した剣が流派になっているとか、確かそんなような記述が〈星の記憶〉アカシックレコードにあった気がする。

 次の復活の際までに、また<星の記憶>から知識を得ておくか。次は勝ちたいしな!

 ま、勝っても負けても俺にとっては所詮暇つぶし。例え倒されてもなんだかんだ言って楽しいのだが、そこまでの時間と結果がなー。
 今回は復活してから3年と少しだっけか。対応早すぎんよ!オマケに対峙して名乗りを聞いて戦い初めてから、4手で討たれるという、歴代でもワーストの敗北記録!どんな訓練したらあんな的確にこっちの技を潰して攻撃できんだよ!
 必殺攻撃かと思った魔法の攻撃もただの見せ札で、止めはたゆまぬ鍛錬の程が見える、鋭い普通の突きだったしな!

 ずっと負け続けて悔しいって気持ちはあるし、何とかしたいなー。

 というか、いくらなんでも負けすぎじゃないだろうか。
 ここ最近は手の内読まれてんじゃないかってくらいこちらの手が読まれている。4手で敗けたのもそう。そもそも、それ以前の動きに関しても……。
 魔物に大した理性はないし、魔物の存在理由が人間とほぼ相容れない存在だから、手を組んで裏切られたってことはないんだが……。さらに人語を理解する程の理性を持つのも俺一人っていうね!

 勇者のこっちを狩りにくる動きは洗練されて来ていて、この前なんて折角集めて訓練した魔物軍団を、完成と同時に叩き潰されたのだ。前からこちらの動きを知っていなければわからないような動きで、どうやって察知したのか知りたいくらいだった。

 他にも気になる点はある。
 剣技や魔法が似ているのは、伝統ある勇者の技であるから、似ているという可能性はある。
 だが、個人の癖まで似ている、なんてことあるか?

 奴は俺に止めを刺したあと、左手の爪を噛んでいた。あれ。前にも見たんだよな。
 前回も確か俺に止めを刺して、気が緩んでいる時だったか。

…………まさかな。

 勇者は人間が女神から祝福を受けてなる、というのは、近しい存在だから把握しているが、まさか祝福を受けている人間は一人で、
そいつが延々転生させられてる、なんてことあるのか……?

 ちょっと気になる。そうだとすれば毎回完膚なきまでに負ける理由もわかる。そりゃ、1000年近くやってりゃ手口もわかるわな。
俺はわかっててもちょっと勝ててないけど……(泣)
 同じ相手と思ってなかったから、適当にやってた部分もあるしな。対策立てるためにも、聞きだしてみるか。

◆◇◆◇◆◇

side勇者

「よく来たな、勇者よ」

 いつもと同じ挨拶。普段ならこれに応えるような形で名乗りを上げて、戦いを始めるのがパターンなのだが、私は違和感を覚え、そうはしなかった。
 今回の魔王の出で立ちは、若い人間のような姿だった。前回と違って、黒一色の趣味の悪い鎧の類は一切着ておらず、防御術式もないただの服を着ている。仕立ての良い服を着ているが、戦闘には役に立たないだろう。
 そこまで認識したところで、私は素早く辺りを確認した。魔王がそんな姿で現れたことは今まで一度もない。何かの罠に違いない。そう思って盾を前面に構え、剣をいつでも抜けるようにするが、何もない。
 
(そう感じるだけ? だとしたら、どれほど巧妙に……)

 かつてないほどに覚えた危機感に、ほんのわずかに身が強張る。魔王はそんな私を見て、わずかに口角をあげた。

「そう緊張することはないだろう。お前は俺よりも圧倒的強者。何も恐れることはあるまい?」
「…………」

 私は魔王の意図が分からず、押し黙って警戒を強くする。私からいったい何を引き出そうとしている? 仕掛けるとすればどんな罠? いくつかの候補が上がっては消える。

「ふむ。いつもなら、名乗りくらいは返してくれるのだがな」
「なっ……」

 私は、息を呑んだ。今、魔王はなんていった? いつも。まさか。この魔王は、いつも私が倒している魔王だとでもいうの?

「おお、その反応! やはりお前は……勇者なのだな!」
「…………いや、確かに勇者ですけど」
「あ、ちがっ、ええ、あー。勇者は総称か。個体名、個体名。そう、昔は確か……」

 嬉しそうな顔を一転、うんうん悩み始めた魔王に、一瞬毒気が抜かれる。いやいや何考えているんだ私。これも魔王の何らかの策だ。そんな風に考えていたが、次の言葉で何もかも吹っ飛んだ。

「そうそう。ヒカルだ! お前は勇者ヒカルだろう?」
「なん、で……?」

 勇者ヒカル。それは、この世界に来て初めて名乗っていた私の名前。日本人に生まれた私が、親から貰った大切な名。勇者ではなく、個人だった時の名前。陽光、と書いてヒカル。つまらない政治のせいで伝わることも顧みられることもなく、ただ時代に埋もれ、もう呼ばれることはないはずの名前。

「その次は確か……で、その後は……と名乗っていたな? 他には……」

 次々に出る、懐かしい名前。その名で呼ばれていた時は、一時とはいえ、私は幸せだった。その後神託がおりるまでは。神託がおりれば皆、私のことを名前ではなく勇者と呼ぶ。
 勇者様、勇者様とすがり、時に褒め称えては、用が無くなると、疎ましそうにそう呼ぶ。

「お、おい。何故泣く……!?」
「あ、私……?」

 魔王に言われて、初めて気づいた。頬を伝う涙。

「あ、あれ……? 止まらない、止まらないよぉ……」

 一度気づけばもう、止まらなかった。誰も、見ていないと思っていた。勇者ではない「私」それを見ていた人物が、ここにいた。

◆◇◆◇◆◇
side魔王

 どうせ今回はすぐ殺されるだろうから、その前に会話だけしとこう、と投げやりというか大胆に身を晒してみて、会話を始めたのだが、その途中で勇者が急に泣き出した。

 これまでそんな姿、一切見せたことの無い勇者。初の快挙と喜べばいいんだろうか? いやでも、16、7の見た目の少女が泣いていると、なんだかなぁ。勝ったぞ!わははは! とか言いだしずらいし。なんで泣いたかもわかってないし。

 おろおろしながら待つこと30分程度。泣きつかれた勇者は、憑き物が落ちたような顔をして、俺に話しかけてきた。

「待っていてくれてありがとう……この隙に、私を倒すことだって、できたんじゃない?」
「今回は疑問に思っていたことを聞いて、さっさと殺されるつもりだったんだ。だから武器持ってないし、そんな卑怯な勝ち方したって嬉しくない」
「嬉しくない?」

 勇者がこてん、と首をかしげた。俺はその姿を可愛く思ったが、それ以上にイラッと来た。

「1000年!1000年だぞ!負け続けたの!頑張って色々やったのに勝てなかったのに、なんかよくわからないけど勝った!ってなって嬉しいか?」
「う、う~ん。どうだろう……そんなに敗けたことないし……」
「嫌味か!」

 ちょっと傷ついて、勢いでそう言うと、ころころと笑う勇者。ぶすっとして俺が黙るも、勇者は笑っている。やがて笑いが収まると、勇者は神妙にして口を開いた。

「ねぇ、あなたは何者なの? あなたは私を最初からずっと知っていたみたい。私は、魔王は別の存在が現れているんだと思ってた。毎回姿は違うし。強さにもばらつきはあるし」
「同じ存在といえばそうかな……違うとも言えるかもしれないが……」
「どういうこと?」

 嘘は許さない。そんな気配を出しながら、真剣に聞いてくる彼女に、俺は少し考える。話してもいいことかなぁ。ま、話したところでデメリットになる訳でもないから、良いか。

「俺、つまり魔王は一個のシステムなんだ」

 は? という感じで勇者が固まる。まぁ唐突すぎか。

「どういうことなの?」

 ま、そうなるよな。もう少し詳しく話してやろうと言葉を重ねる。

「魔王と勇者って役割などについて、少し詳しく話すとするか」
「役割……?」
「そうだよ。俺こと魔王には役割がある。魔王とは、瘴気の浄化装置だ。世界の瘴気を集めて、浄化する、またはその根源を潰すのが役割割」
「え、えぇ!? 瘴気の、浄化? なら、私がこれまでしてきたことって……無駄、どころか、世界に対して有害……」

 だんだんと顔を青くしていく勇者。 ははは。重責を感じるがよい。ちょっとした優越感に浸ってやったあと、俺はネタバラシしてやることにした。

「無駄ではないな。勇者が魔王を殺すと、瘴気の浄化を早められる。勇者が持つ、神の気を帯びた力で魔王が持つ瘴気を吹き飛ばせば、溜めてた分を一気に浄化できる。魔王が長生きして、ちょくちょく浄化するより浄化能力が高いな」
「そうなんだ……無駄じゃない……にしても、あなたを殺す必要は、なかったってこと……?」
「まぁ、世界を守るという意味では、そうだな」
「そん、な……」

 ちょっとほっとしたあと、また顔を青くする勇者。ははは。色んな顔するんだな。面白い奴。

「だけど、人間を保護する、って観点でいえば無駄でもない。勇者が生まれた理由でもあるしな」
「勇者が生まれた理由? ……確かに、どうして勇者が生まれたの?」
「ぶっちゃけて言うと、人間滅んで欲しくないなーって思った、女神の我儘だな」
「な、なにそれ!?」

 面白い反応だが、それに反応してやっては話が進まなくなるのでスルーして話を進めるとしよう。

「魔王、という存在は世界が生んだシステムだ。世界の運営上、エネルギーのロス、不具合といった形で瘴気が発生する。世界はそれを解消するため、自力で魔王、魔物という存在を生み出した」

 溜まった瘴気が凝り固まって出来たのが、魔王や魔物だ。魔物も瘴気を溜めこんで、生きていく過程で瘴気を浄化するか、殺されるほどの力を受けることで、それを利用して瘴気を浄化する。

「で、だ。魔王や魔物っていうのは、その存在理由から、瘴気の浄化を行う。瘴気ってのは、世界で自然発生するものなんだけど、ここ1000年、瘴気を生み出す奴らが現れてな……それが人間だ」
「えぇっ!?」
「驚いたか? といっても、普通に生活しているだけなら、そうはならないんだけどな。魔法。あれが行けない。魔法っていうのは世界のルールに干渉している。そんなことを世界のあちこちで繰り返せば、色々と不具合が出てくる。それが瘴気ってわけ」
「あなたや魔物も、魔法を使ってなかった?」

 違うんだよなぁ。これが。先にそっちを説明しておいてやるか。

「いや、俺達が使うのは魔「法」じゃなくて「法」そのものだ。条件は魔法より厳しいが、世界のルールそのものだから強度は高かったりするな。とはいえ最近は人間の魔法が進歩しすぎてそういう訳にもいかなくなったけどなぁ」

 魔物や俺が操る魔法──ここではそう言っておく──が人間よりも優れていたのは、500年程前までだ。それ以降は進歩しすぎて、こっちの魔法じゃ歯が立たない。無理をしようとすれば対抗できなくもないが、瘴気を発生させてたら意味ないしな。

「っとまぁ、話を戻すと、魔王、魔物は瘴気を浄化したい。人間は瘴気を生み出している……となれば?」
「人間を排除しようとするわけね……?」
「そういう訳だな」
「共存はできないの?」
「人間に今の文明全てを捨てて、1000年より昔の生活に戻れ、って言って戻れるか? それに、俺から見たら人間は世代交代が早すぎる。共存目指す労力に見合わない。滅ぼした方が楽だな」

 文明の放棄。そうすれば出来なくはない。が、無理だろう。1000年前だって無理だったんだ。文明の恩恵に依存している今の人類がそれらを手放せるとは思えないな。勇者も同じ気持ちなのだろう。がっかりした様子で肩を落とす。

「ま、そうだよな。で、俺達は人間を攻撃する回数が増えると、困った人間が女神にすがったんだ。どうか助けてくださいってな。女神はこれを聞き入れて、「勇者」という魔王を殺す為のシステムを用意した。女神の力を授かった勇者が魔王を殺せば瘴気を浄化できて世界にもいいし、人間は感謝して女神を褒め称えて一石二鳥!」
「……は?」

 勇者が底冷えするような声をあげた。あれ、何かまずったか? でも真実だ。

「ねぇ、それって、女神様の力があれば、<勇者>(わたし)は不要ってこと…?」

 そうだな。実際、俺を殺すのは勇者である必要はない。人間の力だけだと上手く瘴気を浄化できないため、俺はすぐに復活することになるだろう。だが、女神本人の力ならそんな不安もないので安心だ。

「あぁ。女神本人が俺を殺しに来たことが何回かあるし。最後の時は流石に、もっとちゃんと仕事して世界をどうにかするか、人間に魔法使わせるなって言ってやったぞ。無視されたが。確か……その後だな。お前が来るようになったの」
「あぁぁんの女神……! マジか……!」

 勇者が怒り心頭と言った様子で肩を震わせている。まぁ、自分の役割が女神が楽をしたいから生まれた、なんて知ればそうなるか? 俺も似たような存在ではあるけど、世界の方からはちゃんと説明されてるし、俺は納得してやってるから勇者の気持ちは推し量れないが……。

「ま、大よそ話終えたな。疑問は晴れたか?」

◆◇◆◇◆◇
side勇者

「うん。わかった……色々教えてくれて、ありがとう」
「おう。ま、今回話に付き合ってくれた礼みたいなもんだ……じゃ、そろそろいつも通り始めるか?」

 魔王はそういって腕を構えてシュッシュッ!と拳を突きだして見せる。こっちを警戒してるのか、ちょっとだけ及び腰になっているのが可愛い。

「ううん。もう魔王と戦ったりしない。私、魔王の仲間になる」
「は?」
「だから。私、魔王の仲間になる!」
「いやいや、何を言ってるんだお前。お前は俺のカウンターシステムだろう。そんなことしたら人間が滅ぶぞ」

 あぁ、彼はなんて優しいんだろう。人間を滅ぼす、なんて口にしながら人間のことを気にするなんて。
 彼が喋ることは滅ぼした方がいい、なんて過激だったりする癖に、自分が殺されることに文句はなかったり、人間を気にしていたり……根底には優しさがある。きっと、世界が生んだシステムだからなのだろう。彼が司るのは、瘴気の浄化、それの意味することは調停……バランスだ。だから、悪にもなるし正義にもなる。

 魔王の成り立ち、瘴気の発生原因を知った今、私の心には人間の肩を持ちたい、という気持ちはない。自業自得だ。むしろ、その自業自得をなぜ私だけが延々尻拭いしてやらなければならないのだという気持ちもある。これまで散々拭ってやったのだから、もういいだろう。

 それに女神……! 調子のいいことを最初の一回だけ言って私にこれだけの仕事をさせて、何の連絡も寄越さないあいつ……! あいつには必ず何か報復してやらないと気が済まない……!

 それよりも、今後のことだ。私は、私が見つけたたった一つを大事にしていきたい。これまで散々酷いことをしてきた彼に、長い時間をかけて返していきたい。そして、世界のことも。世界が滅べば結果人間だって滅ぶ。なら、迷う必要なんてなかった。

「いいもん」
「いや、いいもんって。口調とかだいぶおかしくなってるって!」
「それは魔王だってそうだよ!」
「いや俺はいいんだよ! 魔王っぽい尊大な口調はキャラだから! そっちの方が相手ビビってくれるから!」

 何それ。最初の一回くらいしか恐れたことなんてないよ。今後だって、今までとは違った意味で……恐れることなんて、ないよ。

「ダメだよ。もう決めたから」
「おい、勇者」
「ヒカルって呼んで」
「……ヒカル。いいのか?」

 私が譲らないってわかったのだろう。魔王は真剣に私の目を見た。

「いいよ。全部覚悟の上だから」

 人間の敵になるんだ。これまで見たいな疎ましいなんてレベルじゃない悪意が集まってくるだろう。でも、それはこれまで彼が受けていたものを、私が肩代わりするんだ。一人じゃない。それに、一人になんてさせたくない。

「はぁ。わかった。好きにしなよ。俺は俺の役目が果たせればいいしな」
「ふふ……ありがとう。ねぇ、これからあなたのこと、なんて呼べばいい?」
「魔王でいいよ」
「ダメ。何にもないなら、私が決めてあげる!」
「ふーん。ま、それでもいい」

 何にしようかな。といっても、ほとんど決まっているんだけど。彼は気に入ってくれるかな。

「……モーント。モーントって名前はどう?」

 もーんと。もーんともーんと。何度かそう呟いている彼。そんな仕草も、今や愛おしい。

「ま、いいんじゃないか? 何か意味がある名前なのか?」
「ふふっ、それは秘密! 仲良くなったら教えてあげる!」


 モーント。どこかの国で、月って意味だったはず。私の暗かった世界に、一筋の光明を与えてくれた、月みたいな存在。だから、その名前をあげる。

「ふふっ」

 きっと、名前の由来を教えてあげるのはそう遠くない未来だろう。
 ずっとずっと欲しかった、私を見てくれる存在。だからもう絶対逃がさない。私だけの魔王様。
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