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第三十六話 進撃

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その日から、ハンターとランドは違った方向性へと進み始めた、より力のあるものとして、金に目をつけたのだ、金持ちの元へと雇われに行き、ハンターは無能な馬鹿のフリをして、遂には殺人鬼として雇われることになった。

「これでいいのか、ランド?」
「なに、ハンター、バレなければいい、そう、市井の民に」
「そうだな、おっさん、あとは俺たちのオーシャンがやってくれる、時間稼ぎはこれで十分だ!」

金持ちは呑気にいざとなったら人を殺してくれるぐらいの感覚で雇ってしまい、ただの無頼漢程度にしか思っていない。

「これでいい、これで終わりだ、ストロング」

そう言ってランドは不敵な笑みを浮かべるのだった。

「破滅したな、ストロング、お前の負けだ、けっ」

そう言いながら、ニヤニヤするのがハンターだった。

その一方で諦めていないストロングは現場に辿り着いたがもぬけの殻だった、残念がっていたが、仕方ない、早速調査された結果、ストロングはやはり、ハンターとランドの二人だけかと思った。

オーシャンに関しては、ここにいるはずがないと判断したのだ、つまり、私はまんまと騙されたのか、間抜けは私の方だったようだな。

「走り抜けるは一瞬、駆け抜けるは閃光の如く、これより、オーシャン討伐のための軍を出すように指示を出してもらうようにエゴ様に言って、負け無きようにしなければ」
「分かりました、これより、エゴ様への伝令を送ります」

エゴはその頃、考えるまでもなく、負けたのはストロングだと考えていた、なぜなら、勝てないからだ、いつまで経っても勝った報告が来ない、つまり、負けたのだ、諦めて、オーシャンとの決戦を準備しなければ、そう、エゴは軍を率いても一流だった。

そして、フォートは考えこんでいた、なぜ、ストロングは人が死ぬことを黙っていたのだろうか、黙る必要などないのに、なぜ?

ふと、ローゼを見て気がついた、死ぬとしても伝える必要などない、それもそうだな、ストロング殿。

*****

王様の決め方劇場

私の名前はターフ、とっても本好きなんだ。

ある日、面白い本の『BIG SINGEKI TITAN』を見つけて、思わず買ってみた、とっても面白くて、そのまま読んで、次の日も同じ本を買ってみた。

それから、毎回、次の新作が出る度に買ってみた、そしたら、ある日、こうなった。

「この街の王様はあなたです、ターフ様」

なんとびっくり!王様だ!

『BIG SINGEKI TITAN』はみんなが好きな本で、仲間の証!

金持ちの金と知恵の使い方は特殊だな、えらく上手に使うじゃないか、ターフは今日もえらく人気者、それを見ていた皮肉屋リバーはお家に帰って行った、だって、あんな新作買える金無いからね、キィー!

両方なんでそうなったか理解できるから頭いいんだなと、最後に見ていたブルーは頷くだけだった。
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