聖女推参！悪役令嬢と共に進め！！異世界転生すると街の英雄で、中央から来た騎士【ナイト】は将軍にて候！！！

第三十七話 雇用

そして、今日では私たちがお金持ち、そう、このランドとハンターがな。

「簡単なオシャレをしようぜ、おっさん！」
「いや、いいだろう、金は天下の回りもの、使わなければ、こちらが損をする」

二人は嬉しそうにオシャレをした、どうせなら、正体がバレないように、簡単な帽子とマフラーをつけて、姿を誤魔化した。

それはそうと、この状況が、ハンターとランドにとって望ましいものであっても、負けたのはストロングではない、なぜなら、ストロングにとって使わないといけない時間はハンターとランド対策のためにあるわけでは無いからだ。

だが、今回は愚かなのはストロングだった、ストロングは笑った、愚かなのはハンターだ、簡単に人を殺すようだな、近々、ある一帯の金持ちが皆殺しにされるらしい。

「今すぐにこのストロング向かおう、無辜の民のために！」

かくして、ストロングが、ハンターたちを捕まえに向かった。

そして、殺される金持ちは何も考えずにお金を使う毎日に飽きたので、無頼漢を雇ってみたが、やはり、飽きたらしい、全てにおいて、いい加減、金持ちというのは、どうしてこう勝手なのだろう、しかし、それはそうとして、この街の金持ちとはこういうものだった。

「ハンターや、これでいいのか？」
「これでいい、ボクちんお金大好き！」

こんな感じで特に何も考えずにお金を受け取るフリをするだけで、気が狂ったことを言うと、相手は何も考えずにお金を渡すようだ。

狂っているのは、この世界の金持ちだ。

なぜなら、金を出して勝ったとしても、意味がないからだ。人を殺してタダで済むわけがない、簡単な事を言うと、さらに金がかかるのだ、気をつけなければ、さらに借金となって金持ちに襲いくる。

そんなビルの前に、ストロングが現れた。

「これは、ストロング様、どうされました、まさか、私を始末するのですか、おい、無頼漢ども、私を守れ！」
「呼ばれてきました、おや！これはこれは、ボクちんたち、勝てないな、この人、ストロングだよ」
「何を言っている、私はストロング、お前たちを殺すつもりはない、諦めろ、あと、変なことはもうやめるんだな、無頼漢ども」

悲しいことに、ストロングは気がつかなかった、そう、目の前の二人が変装している上に、全く別人のように見えたからだ。

この近くで殺人が行われるとして、金持ちに忠告した上で、この場から消えることにした、なぜなら、まだ、殺される人はいたからだ。

そして、再び、金持ちは考えた結果、ハンターとランドは凶暴なので、いらないな、と思ってリストラにすることにした。

ハンターとランドを呼んで、あっさりとリストラだと言った。

「どうせ、さっきのストロング様も、似た男を見つけて、ストロング様のふりをさせたのだろう。そうでもしないと、お前たちを雇おうとは思わないからな！」
「疑いすぎだよ、おじさん、わかった、わかった、おじさん、素直にリストラを受けるよ」
「分かればいい！」

なぜ、こうなったのか、当たり前だ、要らないのでは無い、使わなかったから、リストラにするのだ、それだけだ。理由は適当なものだった。

「それでは手切れ金はこれでいいのか？」
「おう、ありがとな、おじさん」

そういうと、ハンターはあっさりと目の前にいた金持ちを殺害した。要らないのなら、さっさと言えばいいわけではない、金持ちの使い方は単純に金をもらうことだけなのだから。

「さつじんき、みーつけた」

場所は変わるが、夜中まで仕事をしていた会計のカウントはこんなことを言って、ふざけるのだった。

必死に確認していた目の前の帳簿に不審なものを見つけたのだ。

まあ、それも一瞬だった、ハンターとランドが二人がかりで、殺しに来たからだ。

「うそやろ、こいつら…」

金持ちが雇っていた会計はこうして、あえない最後を遂げた。悲しいことに、金持ちが最後に必要とした人材が消えたのだ、実に悲しいことだった。