男とバレたら即処刑!?聖女な僕が死亡フラグをへし折ります!

日比谷ナオキ

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67話 これが好き

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午後は自由時間。アルヴェル子ちゃんには元に戻ってもらって、セラフィーナは一旦ルーチェの元にやってきていた。チャールズの相手をしていた彼女に、先程起こったことを洗いざらい全部ぶちまけた。

「……えっと、それマジ?」

「マジです」

「……なにしてんのよおおおおおっ!?」

そりゃ、まあ、この反応である。アルヴェルトを雇用するなら嘘はつけない、というのは確かに正しいのだが、そんな簡単にぶっちゃけられるとは思わなかったのである。

「ま、まあまあ、良いじゃないですか、誰にも公言しないよう伝えておきましたし」

「それでもよ!アルヴェルト君が信用出来ない訳じゃないけど…どこで情報を漏らすか分からないのよ!」

「大丈夫ですよ。アルヴェルトさん、私になんかあったら俺も死ぬーって言ってましたし」

「なにそのメンヘラっぷり!?…ま、まあ、私も彼は信用してます。彼に打ち明けるくらいなら良いでしょう」

コホン。と軽く咳払いして、ルーチェは落ち着きを取り戻す。それから小声で他に誰も聞いてないでしょうね、と尋ねた。もちろん誰も聞いていない。

「ならよろしいですが。午後は何か、予定がおありですか?」

「はい。図書館で魔術について学ぼうかと」

「畏まりました。用があれば、私もそちらに赴きます」

そんな訳で、セラフィーナは図書館の中へ。魔術の本をパワータイプの男性のように無造作に引こうとして、慌てて丁寧に取り直す。

「…どうしよう…参っちゃったなぁ…///」

セラフィーナは困っていた。魔術の本を見てこそいるが、内容は全く入っていない。彼女が思い浮かべているのは、先程のアルヴェルトの台詞。

『セラフィーナ様が男でも構わねえ!俺はアンタが好きだから!』

「…嘘でしょー!///」

机に突っ伏して、足をバタバタさせる。男であると伝えたら、きっと幻滅されると思っていた。けど彼は、そこまで含めて自分が好きだと言い放ったのだ。もう意識しない訳にはいかないだろう。

「これが好き…って事なのかな…///」

こうして一人、甘々しい恋の世界に入り浸ったり、妄想に片足突っ込んでしまって慌てて出てきたりと、大忙しなセラフィーナなのであった。













「…私が追求するなら、やっぱりこれですかね…」

ホットココアを飲みながら、壁に貼り付けた書類を眺める探偵。ほぅ、とため息のような吐息を吹いてから、書類を幾つかピッピっとピックアップする。そこには、セラフィーナの過去を示す書類が残っていた。

「ジョット・バルハート。三年前、セラフィーナ様がこの国に引っ越して来たのとほぼ同時に失踪している。もし、彼がセラフィーナ様だと言うなら…」

「私の仮説は正しいものになりますね。もう少し情報を集めてみますか」

セラフィーナが恋にうつつを抜かしている間にも、探偵は着々と彼女を追い詰めるための証拠を集めていた。

「…しかし、他の国に行ったと言われると情報集めも難しいですね…」

「しかも冒険者になった…ギルドは市立と私立の二つがありますからね…私立のギルドに紛れられたら、居場所を特定するのすら難しい……」

参ったなー、と机に突っ伏して頭を指でトントンする。ここはまだ、文明がそこまで発達していない世界。証拠ひとつを突き止めるのも大苦労なのである。

だからこそ、セラフィーナの女装は誰にもバレずに続いているとも言える。これまで何人かが疑問を抱いた事はあるだろうが、確かめに行くほどの余裕が無いというのが実態だ。

「考えてても仕方ない!私が真実を突き止めないと!さあ、調査に行くぞー!」

となれば、やるべき事は一つ。今この国でジョットを知っている人物から話を聞き出すことのみ。少しでも情報を集めて、セラフィーナがジョットである事に近付けて行くしか他に無い。

「絶対突き止めますよ、セラフィーナ様!」
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